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【プロ野球】

マー 神の領域 開幕20連勝

2013年9月7日 紙面から

楽天−日本ハム 日本ハム打線を相手に力投する楽天先発の田中。右後方は日本ハム先発の大谷=Kスタ宮城で(武藤健一撮影)

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◇楽天3−2日本ハム

 伝説の鉄腕に肩を並べた。楽天の田中将大投手(24)は6日、Kスタ宮城での日本ハム18回戦に先発して2失点完投勝利。開幕20連勝を飾り、1957年の西鉄(現西武)の稲尾和久が持つ同一シーズン20連勝のプロ野球記録に並んだ。プロ野球でのシーズン20勝は、岩隈久志(マリナーズ)が2008年に楽天で21勝(4敗)を挙げて以来で、無敗での到達は初めて。昨年8月26日からの連勝も24に伸ばし、自身の持つプロ野球記録を更新した。

     ◇

 誰にも止められない。歓喜がKスタに響く。主役はやはり田中だった。最後の打者を見逃し三振に仕留めると、全身を踊らせてガッツポーズ。開幕連勝は20に伸び、1シーズンの連勝記録で鉄腕・稲尾のプロ野球記録に並んだ。と同時に、101年ぶりに「世界記録」を塗り替えた。

 1点差の9回。絶対エースがマウンドに向かった。「代えようと思ったが、本人が行く気満々だったからな」と星野監督。信頼に応える。このイニングの速球15球はオール150キロ超。気迫で今季7度目の完投勝利をつかんだ。Kスタ宮城は今月3日にCSなどを見据えて臨時スタンドが設置され、この日の観客数は開場以来最多の2万2316人。その大観衆が快記録を見届けた。

 二刀流ルーキー・大谷との先発初対決を制したことには「いや、別に。何もないです」。苦笑い。相手は大谷ではない。「先を考えず、目の前の試合に勝つことだけなので。相手がどこであろうと、誰であろうと、やることは一緒です」とエースとしての自負を誇示した。この日の投球にも、決して満足していない。2回に不用意な1球をアブレイユに被弾。4回にも3連打で2点のリードを許した。「完全に相手の流れにしてしまった」。しかし、攻撃陣が逆転すると、その後は一分のスキも見せない。7回以降は無安打に封じた。

 2008年に岩隈(マリナーズ)が21勝を挙げて以来となる20勝投手の誕生。田中は「安心感があって、投げれば勝つ、という感じでしたね」と当時を振り返る。今の楽天にも同じ空気が流れている。絶対エースが君臨し、自身の20勝無敗がそのままチームの貯金20に。くしくも優勝マジックも20となった。「本当に欲しいのは優勝。まだ大事な試合はある。先のことを考えず、目の前の試合に勝つだけ」。歴史に名を刻む右腕に導かれ、チームはラストスパートに入る。 (井上学)

 

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