「日中双方が歩み寄りを」 エズラ・ボーゲル氏が福岡市で講演
ベストセラー「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の著書で知られる米ハーバード大のエズラ・ボーゲル名誉教授が6日、福岡市内で講演した。沖縄県・尖閣諸島の問題に関し、中国の最高実力者だった故〓小平氏が唱えた「棚上げ」論を参考に双方の歩み寄りによる解決を求めた。
ボーゲル氏は日中関係悪化の背景として(1)天安門事件を機に中国政府が愛国教育を進め、「反日」意識が強まった(2)中国が日本を抜いて世界第2位の経済規模になったという自信が芽生えた-と指摘。閣僚による靖国神社参拝を例に「日本側もできるだけ挑発すべきではない」と述べた。
その上で「戦後の日本ほど平和を重んじた国はない。日本人はそのことを謙遜せずに国内外でアピールし、戦争は間違いだったと、もっとはっきり主張すれば中国は日本をたたきにくくなる」と語った。
ボーゲル氏は日本、中国研究の専門家。「現代中国の父 〓小平」(日本経済新聞出版社)の出版を機に来日した。
※本文中の〓は「登」に「おおざと」
=2013/09/07付 西日本新聞朝刊=