平たい頂上部は海面から7.2メートルの高さで、4メートルの幅がある。7月末で長さ2.3キロメートル分が完成した。中間地点あたりから見渡すと、南側・北側のどちらも切れ目は分からず、際限なく続くようだ。
旧堤防と比べて高さは1メートルほど上回るだけ。東日本大震災で発生した10メートル超の津波なら軽々と乗り越えてしまう。それでも「粘り強い」と銘打つのは、千年に一度の大津波に遭っても崩壊しにくくする工夫を施したからだ。一例を挙げると、陸側のすそ付近の地盤を強固にした。
これは東日本大震災時に堤防を乗り越えた海水が猛烈な勢いで陸側に落下し、すそ部分の地盤をえぐって崩壊を促したことを踏まえたものだ。堤防が崩壊しなければ、津波が乗り越えても威力を弱められる。国交省は同海岸で2015年度末までに、約30キロの堤防を粘り強い新型で再建する予定。事業費は900億円程度とみられる。
形態 | 断面は富士山のような台形。頂上部が幅4メートル、地上のすそ野は幅20メートルほど。27度の角度で陸側・海側に斜面 |
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高さ | 海面からの高さは7.2メートル。地表からの高さは5メートルほど |
特徴 | 陸側のすそ部分を強化したり、頂上部に空気を抜く穴を設けて崩壊しにくくした |
他の沿岸被災地でも新型堤防は今後どんどん増殖する。津波が高くなりやすいリアス式の三陸海岸では、超特大の堤防建設が計画される。
岩手県陸前高田市では長さ2キロ、高さ12.5メートルの規模となる見通し。同県大槌町で建設予定の堤防の高さは14.5メートルに達する。「景観保全のために低くすべき」といった批判の声は少数派。大半の地区で工事は着々と進みそうだ。
巨額の国費を注ぎ込むコンクリート塊。被災地の活性化に向け、復興増税を負担した多くの国民が納得するだけの効力を発揮してほしいと願うばかりだ。
海岸堤防
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