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宮城・石巻のがれき処理、目標は再生率80%
復興の現場2013夏(1)

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2013/8/12 22:31
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コンベヤーを流れるがれきを手作業で素材ごとに分別する
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コンベヤーを流れるがれきを手作業で素材ごとに分別する

 東京ドーム約15個分という敷地にコンベヤー、選別機、破砕機、土壌洗浄機、焼却炉など多様な設備が立ち並ぶ。24時間操業で、人員も大型工場級の約800人。半数ほどが地元住民で、震災によって以前の仕事を失った中高年が多い。雇用対策の場でもある。

 施設の事業費はすべて国が負担し、予定額は1482億円。強力な支援を得て、物量作戦でモンスターのようながれきの山をやっつけるといった印象を受ける。6月末時点でがれき処理の進捗率は6割超に達した。

 手作業も加えた徹底した分別作業にも驚かされる。がれきを木くず、金属くず、コンクリートくずなど何種類にも分け、埋め立て用の資材などに変える。「リサイクル率の目標は80%」(県震災廃棄物対策課)という。

<現場メモ>
事業費
(予定)
1482億円(宮城県や県内市町のがれき処理費用は総額で約7700億円、国が全額負担)
処理量
(推計)
津波で海中から陸上に運ばれた泥なども含めて322万トン(県内全体の処理量は1733万トン)
雇用者約800人(県が運営する9つの処理場で約3600人)

 場内では、鹿島をはじめ事業を請け負う有力企業のロゴマークをあちこちで目にする。高度な技術、ノウハウが存分に注入されたことから、視察者が頻繁に訪れる。

 専門家も注目する施設だが、稼働から2年もたたないうちに消え去る。年内にがれき処理を終え、来年3月までに各種設備は解体される。地元住民らの雇用も打ち止めとなる見通しだ。

 宮城県が震災後に設けた処理場は石巻を含めて9つ。いずれも13年度で事業を終え元の更地に戻される。各地で雇い入れた地元住民の再就職に向け、既に職業安定所との協議が本格化している。

 いくつもの種類がある復興事業の中で、順調さが際立つがれき処理。だが、それゆえに生じている問題もある。震災復興の難しさを改めて見せつけられた気がした。

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