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動物本来の姿や動きを楽しむ 「環境エンリッチメント」で変わる動物園

MONEYzine 6月15日(土)14時0分配信

動物本来の姿や動きを楽しむ 「環境エンリッチメント」で変わる動物園

日立市かみね動物園 http://www.city.hitachi.ibaraki.jp/index.html? id=2

 人間にとって労せずして世界各地に生息する動物に出会える「動物園」は、実に便利な場所だ。しかし動物にしてみれば、実際の生息地とは異なる環境である上、訪れる人間の危険防止や感染症の予防が優先され、どうしても窮屈な思いをさせられがちの場所だった。

【写真・画像】埼玉県こども動物自然公園 http://www.parks.or.jp/sczoo/

 ところが、1990年代より「動物福祉」なる考え方が世界中に広まり、その一環として動物園では、動物がストレスなく快適に暮らせるための飼育環境づくり「環境エンリッチメント」の模索が始まった。環境エンリッチメントには、2つのアプローチがある。ひとつは動物をいかに自然に近い形で飼育できるか。加えて、動物の生き生きとしたその姿を、どうすれば無理のない形で人間に見せることができるかだ。

 そして10年以上が経過した昨今、関係者の努力は実を結びつつある。日本では、北海道の旭山動物園(旭川市)の事例はあまりにも有名だ。しかし、ほかにも本来の生息地に近い環境のもと、“ならでは”の暮らしぶりを見ることができる施設は各地に存在している。

 施設を探す際に参考となるのが「エンリッチメント大賞」である。同賞は、特定非営利活動法人「市民ZOOネットワーク(東京都文京区)」が主催し、日本の動物園などを対象に、年1回、特に優れた環境エンリッチメントの取り組みを紹介するものだ。昨年2012年は、3つの施設が大賞に輝いた。

 「日立市かみね動物園(入園料大人500円/茨城県日立市)」のチンパンジーの森は、年1回、来園者らによる植樹をベースとしている。この結果、来園者の飼育への参加意識は高まり、さらには動物に対する愛情もより深いものとなっている。

 また「埼玉県こども動物自然公園(入園料大人500円/埼玉県東松山市)」では、広大な雑木林の中を歩きながら、近年問題となっている鳥獣被害について考えさせてくれる「シカとカモシカの森」がある。

 そして「秋吉台自然動物公園サファリランド(入園料大人2,400円/山口県美祢(みね)市」では、頭上に注目だ。ここでは、7月から翌年1月までの土・日と祝日は、羽を広げると体長約2.5メートルのアフリカハゲコウが自由に空を飛び回る「ダイナミックフライト」が行われる。

 環境エンリッチメントのもと、刻々と変わる動物園。全国的な知名度はないが、灯台下暗し。もしかすると、お住まいの近所にある動物園も、動物たちが元気に暮らす、より魅力的な施設となっているかもしれない。


(加藤 秀行 、 阪神 裕平)

最終更新:6月15日(土)14時0分

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