三回、二塁への内野安打を放った西岡。復帰即マルチ安打だ(撮影・荒木孝雄)【拡大】
(セ・リーグ、阪神8-4巨人、21回戦、10勝10敗1分、6日、甲子園)カッコよすぎる復活劇だ。伝統の一戦で移籍後初の3番を任された西岡が躍動した。4打数2安打1打点で眠っていた猛虎打線を蘇らせた。機動力十分の上位打線。独走態勢の巨人に気合勝ちだ。
「3番として、監督から期待してもらったんで、結果を出したかった。初回からチャンスを作ってくれた上本が1番としていい仕事をしてくれたと思います」
ロッテ時代の2009年5月12日のソフトバンク戦(ヤフーD)以来、1578日ぶりとなる3番。一回一死三塁。剛腕・沢村の150キロ直球に反応し、飛距離十分の左犠飛で先制した。三回一死二塁でも二塁内野安打でつなぎ、鳥谷のタイムリーを誘発した。八回二死一塁では右前に運び、今季35度目のマルチ安打。「状況を考えて打席に立った」。クラブハウスに戻る際、黒田ヘッドコーチから「ナイスゲーム」と声を掛けられ「ハイッ」と白い歯をこぼした。
「けがとかもあって、配慮してもらっていた」
1日の広島戦(甲子園)で左手を裂傷。三塁の守備時に丸の三盗を阻止した際にスパイクの刃が皮膚に突き刺さり、血が噴き出した。「事故だから仕方がない」。4試合ぶりのスタメン復帰も打撃用手袋の中は、この日もテーピングが施されていた。信頼してくれた首脳陣、仲間、裏方さんらに感謝の思いをプレーで伝えたかった。