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4番初仕事や!虎・鳥谷、7号&4安打5打点

6回 阪神・鳥谷が左適時打=甲子園球場(撮影・荒木孝雄

6回 阪神・鳥谷が左適時打=甲子園球場(撮影・荒木孝雄【拡大】

 「(4番だから)どうこうはない。4番として打席に立つのは1回目だけ。ランナーがいなければ出塁しようとするし、いればかえそうとする。それはどの打順でも一緒」

 1月の自主トレ。井口(ロッテ)ら総勢9人のメンバーで公約を掲げ合う。井口は「3割、15本塁打、5盗塁」。鳥谷は「打率3割、20盗塁」をノルマにした。当初「20本塁打」もあったが“謙虚”にその項目は削除した。「ホームランバッターじゃない」と自己分析し、広角にシュアな打撃を心がけてきたが、4番襲名がクールな男の内面に何らかの変化を与えているのは明らかだ。

 リーグ2位の80四球を選んできた男が、走者がいれば積極的に甘い初球を打って出る。沢村が投じた初球147キロ直球を叩いた一発はパワーヒッターの可能性を存分に示した。球団は今オフ外国人を軸とした4番補強を急ぐが、生え抜きの主将が今夜のような働きを続ければ、打線の中心軸ができあがる。

 Gとはまだ8差。巨人との対戦成績を10勝10敗1分けに戻したぐらいでは物足りない。鳥谷は「きょうひとつ勝ったんじゃ、どうしようもない。あした、あさって勝てるようにしたい」と3連勝返しを誓った。新しい4番打者が、有言実行する。 (山田 結軌)

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