9月6日、ハナヤシキプロレスリングの旗揚げ戦が浅草花やしきで開催された(観衆109人=主催者発表)。これまでプレマッチとして行われてきたハナプロ。有料興行として「ハナプロ1stシーズン」が正式スタートした。遊園地の営業が終わり静まりかえる花やしき。開業160周年を記念して改装された「花やしき座」が戦いの舞台だ。
全選手がリングに登場すると、スクリーンに謎の物体が現れた。「ブラボーマスク」と名乗り「花やしき160周年を記念して160万の賞金を用意した。今日から始まるチーム対抗戦の勝者に160万を授けよう」と「賞金160万争奪ハナプロリーグ」の開幕を一方的に宣言したのだ。
これまでザ・ローラーコースターとブラックコースターで抗争を繰り広げてきたハナプロ。ブラックコースターはハチミツでミゲル・ザ・ベアーを自軍に引き込むことに成功、チーム名を「フルールノワール」とした。ザ・ローラーコースターは、これまでのわだかまりをなくしアサクサキッドに共闘の握手を求めたが、キッドはこれを拒否。風神、雷神、ザ・カミナリモンスターと共に「浅草維新軍」を結成した。
これによって、ハナプロはハナプロ正規軍(ザ・ローラーコースター、マスク・ド・Bee、パンダカーロボ)、浅草維新軍(アサクサキッド、風神、雷神、ザ・カミナリモンスター)、フルールノワール(ブラックコースター、Mr.スワン、メリーさん、ミゲル・ザ・ベアー)が三つ巴の抗争に突入することになった。
この日、ファンを驚かせたのはこれだけではなかった。旗揚げ戦の第1試合はももタローvs米兵ジョー「昭和の香り迷勝負数え唄 ザ・ファイナル 敗者浅草追放マッチ」。ハナプロの名物と言われてきた迷勝負がいきなり敗者追放のファイナルマッチ──。観客席からはどよめきの声が上がった。
ももタローの空手チョップを恐れる米兵ジョーは、利き腕の“破壊”に成功したが、あと一歩まで追い詰めながら3カウントを奪えなかった。勢いを取り戻したももタローは、耳そぎチョップで米兵ジョーを痛めつけ、最後は腕固めでギブアップを奪い、永年の抗争に決着をつけた。哀れ、米兵ジョーは旗揚げ戦で「浅草追放」になってしまった。「米兵ジョーはいなくなる。ジョーを嫌いになってもハナプロを嫌いにならないで」の“迷セリフ”を残しリングから去った。
この日、行われた「賞金160万争奪ハナプロリーグ」は4試合。急造チームながら連係、パワー殺法に勝る「フルールノワール」「浅草維新軍」は着実に勝利を飾ったが、ヒーローになるはずの「ハナプロ正規軍」はまさかの全敗。旗揚げ戦の獲得ポイント「ゼロ」と散々な船出となった。メーンイベントでブラックコースターに敗れ、落ち込むマスク・ド・Beeらハナプロ正規軍。リングに登場したももタローは「今日勝てなかったからといって終わりではない。花やしきが160周年を迎えたように、ハナプロも160年続く団体を目指す」とゲキを飛ばした。
ハナヤシキプロレスリング「1stシーズン」は毎月1回(金曜夜)、6か月連続の“ハナ金”興行。波乱の幕開けとなった「賞金160万争奪ハナプロリーグ」の行方にも注目したい。
ナイターSG「第59回モーターボート記念」、1日行われた優勝戦は毒島誠(29=群馬)が先マイから早々と独走に持ち込み、SG初制覇を成し遂げた。