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【大リーグ】

上原、イチロー斬りで18セーブ 球団新7連続完ぺきセーブ

2013年9月7日 紙面から

◇レッドソックス9−8ヤンキース

 大乱戦を“ニンジャ・クローザー”が締めた!! レッドソックスの上原浩治投手(38)は5日(日本時間6日)、敵地ニューヨークでのヤンキース戦で9−8の延長10回から5番手で登板。最後の打者イチロー外野手(39)を空振り三振に仕留めるなど、三者凡退で18セーブ目を挙げた。これで上原は23試合、26イニング連続無失点。7セーブ機会連続で走者を一人も許さなかったのは、1993年のジェフ・ラッセルを抜く球団新記録となった。二転三転の荒れ試合を制し、チームも今季最多の貯金28で地区優勝マジックを「16」とした。

 守護神という言葉通り、今の上原は神がかっている。1死からオーバーベイに12球粘られたが、外角低めの宝刀フォークで空振り三振。共同電などによれば、上原は続くイチローについて「抑えようという気持ちが出過ぎて球が高くなってしまった」と振り返るも、最後は見逃せばボール球の90マイル(約145キロ)直球で空振り三振に料理。ガッツポーズのアクションが大きすぎ、その勢いでクルリと体が2回転する喜びようだった。

 荒れ試合だった。3回に先制するも直後に追いつかれ、4、5回と突き放して7回表まで7−2の楽勝ムードが、その裏に一挙6失点で逆転された。9回に相手守護神リベラを攻略して同点に追いつき、10回に再びリード。すさまじい乱戦だっただけに、上原は「いつも通り。苦労したが、結果が良ければ良い」と冷静に語りつつ、自身のツイッターでは「きょうも痺(しび)れましたぁ マジ勝ってよかったぁ」と喜びを爆発させた。

 これで23試合、26イニング連続無失点。7セーブ機会連続で走者を許さなかったのは球団新記録だ。ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)によれば、殿堂OBのデニス・エカーズリー氏は「あいつの数字はおかしい。尋常じゃない」と評した。

 その秘密は、打者心理の読みにあるようだ。米放送局FOXスポーツ(電子版)によれば、ファレル監督は「正直なところ、第六感のようなものを持っている。いつも打者が待っている球を分かっているのが不思議でしょうがない」と語り、女房役のロス捕手も「だから“ニンジャ”って呼ぶのさ。とにかく、打者の頭の中が分かっているんだ」と語った。

 記録専門のスタッツ社によれば、直球の平均球速89・2マイル(約143・5キロ)は、10セーブ以上の守護神では両リーグで3番目に遅い数字だが、被打率1割3分4厘は、ブレーブスのキンブレル(同1割5分9厘)を大きく引き離す断トツの同トップ。抑えに必要なのは剛速球ではないことを見せつけている。「きょうは終わったので、またあしたから頑張る」と上原。38歳の“ニンジャ”守護神は、赤靴下軍団がゴールテープを切るまで試合を締め続ける。

 

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