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【産経抄】9月7日
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「火事は最初の5分間、選挙は最後の5分間」。何かと話題をふりまいている渡辺喜美・みんなの党代表の父君である渡辺美智雄元蔵相作と伝わるこの“格言”ほど、投票直前の選挙運動がいかに大事かを言い当てたものはない。
▼どんな選挙でも、実績や世論調査などをもとに「絶対に大丈夫」といわれた候補者が、詰めの甘さがたたってライバル候補に敗れ去った例は掃いて捨てるほどある。ましてや海千山千の国際オリンピック委員会(IOC)委員が有権者の五輪開催都市決定選挙では、なおさらだ。
▼何でも賭け事の対象にする英国のブックメーカーは、東京を本命にしているが、喜んではいられない。最近は、2大会続けて本命が敗れているように、今回も2番手につけていたマドリードが、強烈な追い込みをかけている。
▼意図的かどうかは別にして欧米メディアは、福島第1原発の汚染水問題を連日、大々的に報道し、最終盤になって雲行きが怪しくなった。韓国が、福島や千葉など8県の水産物を全面輸入禁止にしたことも現地に伝えられた。
▼こちらは完全に意図的だろう。今でも魚介類に対する放射性物質検査は各地で厳格に行われ、基準値を超えるモノは市場に出回っていない。科学的根拠を欠いた輸入禁止は、東京のイメージを悪くしようという「落選運動」にほかならぬ。
▼隣人愛という言葉は韓国政府にないのだろうが、長らく日本に住んでいる人々や、わざわざ訪ねてくれる旅行者に罪はない。そこで小欄は、半年前のキムチ断ちに続いてささやかな追加措置を講じることにした。従来型の携帯電話をスマートフォンに買い換えるときには、あの国のあの製品は絶対に買わないと読者にお誓いし、「半返し」としたい。