第94回全国高校野球:福島大会 光南、投手戦制す 二本松工、あさか開成は完封 /福島
第94回全国高校野球選手権福島大会(県高野連、朝日新聞社主催)は14日、福島市のあづま球場など5球場で1回戦15試合が行われた。光南が安積黎明との投手戦を制し、二本松工、あさか開成は完封勝利で2回戦進出。磐城は福島西に、須賀川桐陽は長沼に延長戦の末、サヨナラ勝ちした。3年生10人で戦った浪江は修明と対戦し、逆転で負けた。
15日は5球場で14試合が予定され、シード8校のうち7校が登場。第1シードの聖光学院は、あづま球場の第1試合(午前9時)で東日大昌平と対戦する。【深津誠】
▽1回戦
【あづま球場】
福島西
1000000010=2
1000000101=3
磐城
(延長十回)
(福)佐々木、小林−武内
(磐)今泉、御供−斎藤
▽二塁打 本田2、斎藤(福)野沢、今泉(磐)
会津工 402010000=7
安達 010000001=2
(会)五十嵐−寺木
(安)塩沢、菊地、佐藤祐−国分
▽二塁打 寺木、佐藤正(会)増子(安)
清陵情報
010100000=2
001000000=1
四倉
(清)伊藤、柳沼−織田
(四)末永−高崎
▽三塁打 末永(四)
【あいづ球場】
梁川 000031003=7
大沼 230000000=5
(梁)松田−佐藤陽
(大)根本、斉藤−小椋
▽三塁打 佐藤陽(梁)
▽二塁打 佐藤陽(梁)瀬谷、川島、根本(大)
福島東
22002102=9
00100000=1
会津学鳳
(八回コールド)
(福)大槻、松下−菅野
(会)高橋、大森、古川−高畑
▽三塁打 遠藤(福)
郡山北工
100011201=6
000000000=0
喜多方桐桜
(郡)安藤−山口
(喜)秋山、高橋−小島
▽二塁打 寺島2、安藤、渡辺(郡)
【開成山野球場】
福島工 01220012=8
岩瀬農 00000100=1
(八回コールド)
(福)砥石、持地−佐藤日、久岐
(岩)菊地−安田
▽三塁打 田村2、佐藤仁(福)
▽二塁打 佐藤日(福)
福島高専 0000120=3
郡山 303301×=10
(七回コールド)
(福)国分、小室−志賀
(郡)吉田、鈴木、平山−横山、渡辺
▽三塁打 国分(福)増子、本多(郡)
▽二塁打 田村、折笠(郡)
船引
000000000=0
00300001×=4
二本松工
(船)佐々木−東海林
(二)大内啓−安斎
▽三塁打 八巻、大内啓、遠藤(二)
▽二塁打 安斎(二)
【天狗山球場】
あさか開成
010000110=3
000000000=0
新地
(あ)小林−鈴木智
(新)斎藤竣−前田
▽二塁打 舘(あ)
安積黎明
000010000=1
00200010×=3
光南
(安)鈴木−三浦
(光)庄司、八木沢、佐藤−武地雅
▽三塁打 鵜沼、鈴木寿(光)
長沼
00010004000=5
03010010001=6
須賀川桐陽
(延長十一回)
(長)芳賀−矢吹
(須)川村−凌
▽二塁打 内山(長)箭内、二瓶(須)
【いわきグリーンスタジアム】
いわき光洋
100111110=6
000101010=3
会津
(い)鈴木雄、鷺、杉田−長沼、志賀
(会)福田、鈴木辰−麻山
▽本塁打 安斉(い)
▽三塁打 渡辺(い)
▽二塁打 高須、遠山(い)福田、斎藤(会)
勿来 00000=0
喜多方東 3607×=16
(五回コールド)
(勿)樽井−大内
(喜)高畑−佐藤諒
▽三塁打 高畑、坂内(喜)
▽二塁打 安部(喜)
浪江 000200200=4
修明 02001005×=8
(浪)大友裕、松本雄−大和田
(修)河内、鈴木慎−遠藤
▽本塁打 鈴木峻(修)
▽三塁打 小貫(修)
▽二塁打 松本、山田(浪)河内2、小貫、鈴木峻(修)
◇力は出し切れた
〇…原発事故の影響で新入部員が入らず、3年生10人で初戦に挑んだ浪江は、リードを一時奪いながら八回裏に逆転を許し力尽きた。加藤裕樹主将(3年)は「勝てなくて残念。でも全力でプレーできたし、力は出し切れた」と仲間との最後の夏を振り返った。今後は部員がいなくなるため、廃部状態が続く見通しだが、紺野勇樹監督は「ユニホームを受け継ぐ選手が1人でもいれば、連合チームとして部活を存続させたい」と話した。【三村泰揮】
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■熱球譜
◇仲間の声に涙あふれ−−福島西・武内謙捕手(3年)
土壇場の九回、同点に追いついて延長戦に持ち込んだが、十回裏1死二塁のピンチ。低めのスライダーで三振に仕留めると、走者が盗塁を試みるのが見えた。「刺せるタイミング。三振ゲッツーなら流れが来る」。しかし、焦って握り損ねた三塁手への送球は大きくそれ、この間に走者が生還してゲームセット。その場にしゃがみ込み、しばらく立ち上がれなかった。
原発事故で福島市に避難し、昨年5月に双葉から転校。昨秋に外野手から中学以来の捕手にコンバートされると、強肩と配球のうまさから正捕手の座を得た。冬場は仲間に頼んで苦手のショートバウンドを捕球する練習を手伝ってもらい、1日100球を受け、送球にも磨きをかけた。「甲子園に行きたい」と公言する姿は「仲良しクラブだったチームを引っ張った」(井田友貴監督)という。
この日、右下手投げの先発・佐々木塁投手(2年)の持ち味である緩急を引き出して投手戦を演出。「構えた所に投げてくれたお陰」というが、佐々木投手は「信じて投げれば三振も取れた」と全幅の信頼を寄せた。打撃では1安打放ったが、八回1死満塁の勝ち越し機は中飛に倒れた。
支えてくれたメンバーに最後の夏で恩返しするつもりだっただけに、試合後は「自分のせいで負けた」と涙があふれた。「ありがとうと言いたいけど……。申し訳なくて」。ベンチ裏でスパイクを履いたまま立ち尽くす背番号2。「お前のせいじゃない」「良い試合ができたのはお前のお陰」。仲間から声をかけられると、汗と涙で顔はくちゃくちゃになった。【深津誠】7月15日朝刊
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