巨人が6日からの阪神3連戦(甲子園)を前に、ターゲットを絞った。2戦目に先発する見通しのトラの黄金ルーキー・藤浪だ。クライマックスシリーズ(CS)をにらみ、Gナインは“総スコアラー化”で藤浪を丸裸にする決意だ。
5日は福井から大阪へ移動。午後から甲子園で全体練習を行った。
優勝マジックも16となり、TG決戦ももはや「首位攻防戦」のムードはなし。原監督は「やっぱり意識しますよ。それは2位である以上、2位あるいはゲーム差という身近のものとして残り4試合考えれば、意識して当然でしょうね」と語ってはいるが、すでにCSを想定した起用法や采配、データ収集へとシフトしているのは言うまでもない。
なかでも“重要ミッション”となっているのが大物ルーキー藤浪の攻略だ。能見やスタンリッジなどは対戦も多く、データの蓄積があるのに比べ、藤浪は一番材料が少ない。8月4日の初対決では6回無得点に抑えられた。対戦後、ナインも「大きく感じた」「思ったよりもボールが動いた」と感想を口にしたが、CSで抑えられることは絶対に許されない。
この日、原監督は「(明後日の)藤浪くんのことよりも明日の話をしようか、まずはな。まあ、一歩一歩だから」とけむに巻き、ナインも一様に「この前のイメージは残っているが、藤浪君よりも明日の能見さんでしょう」(村田)。しかし本音はそうではない。それを見せたのが、主砲・阿部だった。
「何回やられたって、大事な試合で勝てばいいわけだから。(今のうち藤浪を)泳がせる? 今、いろいろな球種を試しているらしいからね」。つまり今回の対決で藤浪の持つ、すべての引き出しの中身を開けさせるつもりでいる。
とにかく一球でも多く投げさせることで、藤浪の持ち球、球筋、クイック対策など、さまざまなデータを入手することで丸裸にしていくという。「セットポジションで、走者がいても150キロを連発する。勝負どころを知っている」(阿部)という、そのメンタル面にも迫りCSに備えるつもりだ。
まだ優勝は決まっていないが、巨人はすでに「その先」をにらんでいる。

ナイターSG「第59回モーターボート記念」、1日行われた優勝戦は毒島誠(29=群馬)が先マイから早々と独走に持ち込み、SG初制覇を成し遂げた。