WBA世界バンタム級王者の亀田興毅(26=亀田)が、同級スーパー王者のアンセルモ・モレノ(28=パナマ)との王座統一戦に向け動きだすことになった。両者に対してはWBAが今月27日を期限に、対戦に関する交渉を行うよう指令を出したが、亀田サイドもついにスーパーマッチ実現へ交渉のテーブルにつくという。モレノが来日すれば、スーパー王者が国内で試合する初のケースとなる。
3日に次男の大毅(24)がIBFスーパーフライ級王者となり、WBAフライ級に続く2階級制覇を達成。先月1日には末弟の和毅(22)がWBOバンタム級王者となっており、亀田三兄弟は同時に世界王座に就いた。この偉業の余韻も冷めやらぬなか、長男の興毅がついに待望のスーパーファイトに向けて動きだすことになった。
興毅は2010年12月に、モレノがWBAバンタム級のスーパー王者に昇格したことに伴い、空位となった「正規王座」の決定戦で元WBA世界スーパーフライ級王者アレクサンドル・ムニョス(34=ベネズエラ)に勝って王者となった。
これ以来、興毅は防衛を7回重ねた。一方のモレノもスーパー王座を4回防衛。さらにはウーゴ・ルイス(26=メキシコ)が「暫定王者」となり、同じ団体の一つの階級に「チャンピオン」が3人という状態になったこともあった。
興毅vsルイスの「王座統一戦」は昨年12月に実現し、興毅が判定勝ち。そして、いよいよ年内にもスーパー王者との「真の統一戦」が行われる方向にかじは切られた。
WBAによるモレノとの対戦交渉指令について三兄弟の父、史郎氏(48)は「こういう物事は何でも、その組織のトップが決めるもの。トップが言ってるんだから従うよ。まずは交渉や」と本紙に明言。亀田家の方針として、スーパーファイト実現へ話し合いのテーブルにつくという。さらに「やるなら、日本でできたらいいな」と、日本開催を目指すことも明かした。
ただ、両者を比較すると、正規王者時代を含めて11度の防衛を誇るモレノの方が明らかに格上。北中米や欧州でしか試合経験のないスーパー王者を日本まで連れてくるとなると、かなりの出費が伴うのは間違いない。
もっとも史郎氏は「一翔のこともあるから、どうなるかはわからんけどな」。WBA世界ライトフライ級スーパー王者ローマン・ゴンザレス(26=ニカラグア)との対戦に向けて入札を行うことが発表されながら、実現しなかった同級正規王者・井岡一翔(24=井岡)と同じパターンになる可能性も示唆した。
興毅vsモレノが行われれば、日本のボクシング史に残り得るビッグマッチ。世界ランク下位との対戦や王座決定戦が多いことについて“亀田流マッチメーク”などとやゆされたことも、一気に払拭できる。興毅は以前「次の『亀田祭り』は京セラドーム大阪でやりたいな」と話していた。それにふさわしいカードと言えるが…。
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