ついに6日の楽天―日本ハム(Kスタ宮城)で田中将大(24)と大谷翔平(19)の直接対決が実現する。これまでの実績を考えれば開幕19連勝中の田中に分がありそうだが、二刀流ルーキーも投手として3勝0敗と負け知らず。今回は日本を代表するエースに大谷が胸を借りる格好ながら、周囲からは“ダルビッシュ的化学反応”を期待されている。
5日に東京ドームのブルペンで30球の最終調整を行った大谷は「なかなか点が取れないかもしれないですが、やることは同じ。実際に対戦するのは打線なので(相手)打者に集中したい」と話した。日本球界を代表する大エースとの大一番を前にしても二刀流ルーキーに気負いはない。
マウンドに送り出す栗山監督は「どうしてもそこに行かせたかった。誰が一番マー君に勝てるのかを考えた」と勝つ気満々。ここまで3勝ながら先発した全7試合でチームが6勝1分けと負けていない大谷の勝ち運に期待を寄せる。山田GMも「将来的に軸で回ってもらわないと困る投手だし、勝てる投手は何が違うのか。特に走者を出してからの投球は大谷の課題でもあるし、マー君と投げ合うことで何かを学んでほしい」と今回の一戦をエース教育の重要なステップと位置づけている。
日本ハムでは2005年6月27日の西武戦(札幌ドーム)で当時ルーキーのダルビッシュ有(現レンジャーズ)がデビュー2戦目で西武・松坂大輔(現メッツ)と初対決。7回2失点のダルビッシュが8回4失点の松坂に投げ勝ち、デビュー2連勝を飾った。その試合でダルは「負けている展開で最後まで試合を任せられる信頼感がすごい」と投げ勝った松坂からエースの何たるかを学び、球界の大エースへと成長した。そのダルから薫陶を受けた田中が今度は大谷に胸を貸す。パ・リーグで脈々と受け継がれてきたエースの系譜が今度は大谷へバトンタッチされようとしている。
8年前の松坂・ダル対決で西武の2番打者としてダルビッシュから1安打を放った赤田は言う。「あの時は捕手の高橋信二さん(現オリックス)がリードしながらずっとブツブツ文句を言っていた。『サインと違う球ばっかり投げやがって』と。ダルがストレートのサインにツーシームを投げてくることに怒ってましたね。それぐらいふてぶてしいものがあのクラスの投手にはある。翔平はまた違うタイプですけど、マー君と投げ合うことで違うものが出てくるでしょうし、なにより負けない大谷ですからね」
果たして大谷は、どんな化学反応を見せるのか――。
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