不正アクセス:大阪市職員、情報不正接続 元上司のID使用、計300回か 容疑で逮捕
毎日新聞 2013年09月04日 大阪夕刊
元上司のパスワードを無断で使って閲覧権限のない情報を見たとして、大阪府警サイバー犯罪対策課と西署は4日、大阪市建設局職員の西野和晃(かずあき)容疑者(32)=同市城東区=を不正アクセス禁止法違反の疑いで逮捕した。昨年以降、約300回にわたって不正な接続(ログイン)を繰り返したとみられ、府警は動機などを追及する。
府警は4日、西野容疑者の勤務先の建設局南部方面公園事務所(同市東住吉区)など関係先を捜索した。
逮捕容疑は今年5月下旬から6月上旬、3回にわたり、職場の自分のパソコンで、今春まで所属した経済戦略局の上司のIDとパスワードを入力してログインし、サーバーに不正アクセスした、としている。「他人のデータを盗み見していた」と認めているという。
昨年からの不正アクセスでは、複数の元上司らのパスワードを使ったとみられる。
不正アクセスによって、西野容疑者は、本来は見ることができない業務に関する資料や人事評価などの情報を閲覧できたという。ただ、アクセスの記録は残っているが、何を閲覧したのかなどは確認できていない。府警は、何の情報を得るために不正を繰り返したのか捜査している。
市では、他人のIDとパスワードを入力すれば、自分のパソコンでも他人の情報を見ることが可能という。西野容疑者は、残業の時間帯など職場から人が出払った際に、不正なアクセスをした可能性があるという。
ただ、パスワードはそれぞれの職員が自ら設定することになっている。府警は元上司らのパスワードを入手した経緯も調べる。市の担当者が不正アクセスに気付き、今年6月、市が府警に相談した。
大阪市では昨年、交通局の男性職員が同僚のIDとパスワードを無断で使い、早期退職希望者などの人事資料を見たとして停職1カ月の懲戒処分を受けた。今年7月には、消防局の消防士長のデータ改ざんが発覚するなど、不正アクセスを巡る不祥事が続き、市の情報管理態勢が問われる事態になっている。