IBF世界スーパーフライ級王座決定戦(3日、サンメッセ香川)で同級4位のロドリゴ・ゲレロ(25=メキシコ)を大差判定で下した亀田大毅(24=亀田)が、映画俳優として銀幕デビューすることが東スポの取材でわかった。タイトルは「明日への銃声」(12月公開予定)。しかも、いきなり主演を務める。現役の世界王者が俳優デビューするのは極めて異例。3兄弟世界同時王者を達成した大毅は、最高の気分で公開日を迎えることになりそうだ。
まさに二重の喜びだろう。関係者によると、今回の映画主演は親交のあるベテラン俳優・岡崎二朗(69)からの熱烈オファーがきっかけだという。ボクシングを最優先に考えたい大毅としては、当初固辞したものの、岡崎の熱意にほだされて出演を決めた。
大毅本人が明かす。
「初めて岡崎さんにお会いした時、いきなり『今回の主役は大毅しか考えられへん。出演できないなら、この映画は中止にする』と言われたんです。『撮影スケジュールも練習のない時に組む』と。俳優なんて正直、興味はほとんどない。でも、そこまで必要としてくれるなら応えないのは男じゃないと思ったんです」
内容は、闇社会に生きるテキヤ稼業の梅宮東(大毅)とスリの少年との心の交流を描く感動物語。出演者には岡崎をはじめ、西岡徳馬(66)、元世界王者の渡嘉敷勝男(53)ら豪華キャストが名を連ね、女優・水季可奈(34)が、主題歌を歌う。大毅にとってはいきなり主演という大役だが、もちろん演技の経験はない。さすがに戸惑うことも多かったという。
「初めての撮影が青森の雪の中でね。いきなりラストシーンや。わけのわからないまま本番がスタートして、少し緊張しましたね。でも監督さんや岡崎さん、スタッフの方からいろいろ教えていただいて、撮影の中盤くらいからようやく『こういう表情がいいですか?』と聞けるようになったわ。今思うと全然あかんかったなと思うシーンがいっぱいある。できるならもう一度撮り直したいぐらい(笑い)」
とはいえ、周囲の反応は思いのほか良い。同映画関係者が言う。
「台本をよく読んで入り込んでいるせいか、演技は自然ですよ。変に構えたところがない。ボクシングをやっているせいですかね。相手との一瞬の間合いや、鋭い感覚が撮影現場でも生かされているのかもしれません」
約3か月に及ぶ撮影は8月中旬にクランクアップし、今回の世界戦のための練習に入っていたが、見事に2つを乗り切ってみせた。
何より安堵しているのは父史郎氏(48)だ。当初「ボクシングに専念せい! 芸能人を育てた覚えはない!!」と難色を示していたが、撮影を無事終えて、世界王者にもなったことで「両方うまくいってホッとした。一日も早く撮影が終わって練習に打ち込んでもらいたかった。負けたら悔いが残るところだった」と喜んでいる。
さて、気になるのは今後はどうするつもりなのか。ボクシングを続けていくのはもちろんだが、2作目、3作目も製作される可能性は高い。大毅は「まだまだそんなん言える立場じゃありません。ボクシングでゆうたらまだ4回戦ボーイですから」と話しているが…。近い将来「俳優・亀田大毅」が芸能界で“大暴れ”する日が来るかもしれない。
ナイターSG「第59回モーターボート記念」、1日行われた優勝戦は毒島誠(29=群馬)が先マイから早々と独走に持ち込み、SG初制覇を成し遂げた。