 ハッスルマニアでハッスルする元弥。交通法規でも、これだけの真剣さがあれば…=3日、横浜アリーナ |
何かとお騒がせな和泉元彌狂言師(31)=本名・山脇元彌=が、駐車違反を犯しながら2年半も再三の出頭要請に応じなかったとして24日、警視庁に道交法違反(駐停車違反)の疑いで逮捕されていたことが25日分かった。和泉は罰金1万円を支払い、即日釈放された。和泉は「仕事が忙しくて出頭できなかった。申し訳なかった」と弁明しているという。狂言師、大学客員教授、プロレスラーと肩書を連ねる和泉に、ついに「容疑者」の呼称がついた。
交通執行課の調べによると、和泉は平成15年4月14日午後、東京都港区西新橋の路上のパーキングエリアに、乗用車を制限時間の1時間を1時間超過して駐車した疑い。
愛宕署員に取り締まりを受け、一旦は署に出頭。駐車違反の反則キップを切られた。
その後、和泉に反則金を支払う意思が見られなかったため、警視庁は和泉に6回にわたり、文書などで出頭要請を行ってきたが、和泉は約2年半にわたって無視。悪質と判断した警視庁が逮捕状を取り、24日朝、千代田区内で和泉を発見し、逮捕した。
和泉は昭和49年、東京生まれ。19世宗家、和泉元秀の長男として1歳半からけいこを始める。4歳で初舞台。16歳で秘曲「釣狐」を披き、脚光を浴びた。平成7年に20世宗家を継ぐ。
12年のNHK紅白歌合戦の司会や、13年には大河「北条時宗」に主演。インスタントコーヒーのテレビCMなどで一般にも知られるようになるが、公演ドタキャンや遅刻の常習犯としても知られ、「狂言の伝統と秩序を乱している」として14年3月、和泉家を除く和泉流狂言師の集まり「和泉流職分会」が能楽協会に和泉の除名申請し、退会処分を受けた。
その後はプロレスにも登場。今月3日に横浜アリーナで行われた「ハッスルマニア2005」でプロレスデビュー。「空中元彌チョップ」4発を炸裂(さくれつ)させ、鈴木健想選手(31)=フリー=相手に、素人ながらなぜか白星を飾っていた。
関係者によると、近所での駐車代未払いや駐車違反、印刷代未払いでテレビ告発されるなど、ルーズ体質は業界では有名だったという。
事件について、東京・板橋の事務所を直撃したが、事務所内には人の気配はなかった。
和泉は27日、神奈川県座間市の市民文化会館で公演を予定している。1300席のうちすでに約800席分のチケットが売れているという。
公演の主催者は「狂言としては非常に出足がよかった。(逮捕は)初耳で、事実関係を確認してから対応することになる」と話している。
■梨元氏「すべてが自分中心」
またまたやっちゃった和泉元彌。芸能リポーターの梨元勝さん=写真=は「もう推して知るべしですよ。傲慢(ごうまん)さが問題だ」と騒動は起こるべくして起きたと指摘する。
梨元さんは、「公演のドタキャンに始まり、能楽協会との裁判沙汰(さた)で孤立した部分など、すべて自分が中心に回っているところからきている」と解説。
また、和泉に関して「車に関するトラブルは多い」と証言。事実、「今年、自宅の駐車場問題でトラブルを起こしたことを女性誌に報じられている。自宅周辺から聞けばわかることだが、近所でも一家の評判は悪い」と語る。
また、母親の節子さん(63)にも触れ、「傲慢なのは母親もしかり。いつも私に対し、『あんた、あんた』と見下したような口のきき方をする」と憤激する。
和泉は警視庁に出頭しなかったのを「忙しかった」と言い訳しているが、「断定はできないが、昔ほど忙しいというわけではないはず。『忙しい』といえば警察はいらないのか」と和泉に疑問を投げかける。
「どうも。恐縮です」と、普段は腰の低い梨元さんだが、繰り返される和泉の騒動だけには「いつも『伝統を重んじる』なんていっているが、法治国家だから社会の基本である法を守るべきだ。そうでなければ600年の伝統が泣くよ。ほかの狂言師のみなさんに迷惑がかかる」と厳しく批判している。
ZAKZAK 2005/11/25