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【大リーグ】

ダルビッシュ、制球難で6回途中KO 捕手とコミュニケーション不足も露呈

2013年9月6日 紙面から

2回、マダックス投手コーチから顔をそらすレンジャーズのダルビッシュ=オードットココロシアムで(社英夫撮影)

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◇アスレチックス11−4レンジャーズ

 【オークランド穐村賢】克服したはずの“ノーコン病”再発? レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)は4日(日本時間5日)、敵地でのアスレチックス戦で5イニング0/3をメジャー自己ワーストタイの6四球を含む5安打5失点で7敗目(12勝)を喫した。立ち上がりには思うような投球ができない自分へのいら立ち、女房役のA・J・ピアジンスキー捕手(36)と意思疎通が図れないことなども重なって一触即発の不穏な空気が自軍ベンチ内に流れた。いずれにしてもエース右腕としては背信投球に他ならず、今季通算240奪三振で野茂英雄(ドジャースなど)超えも、手放しでは喜べなかった。

 1回、2番ドナルドソンを外角スライダーで空振り三振に打ち取り、今季通算237奪三振(K)目。ドジャース時代の野茂が1995年に記録した日本人投手記録(シーズン236K)を更新した直後に“つまずきの石”が落ちていた。

 ローリーを簡単に歩かせると、続くモスに右翼席へ先制2点弾を浴びる。2回にも2四球から犠飛で失点。6回途中KOにつながった2点被弾も一塁走者は四球で出したカヤスポだった。

 今季ワーストタイの5失点、右手薬指の皮がめくれた4月7日のエンゼルス戦を除けば今季最短イニング降板などプラス査定ゼロの内容に、ダルビッシュも「技術的にも精神的にも安定していなかった。真っすぐもコントロールできなかったし、どんどん悪い方向に行った。四球(の後に)、本塁打というのは良くない」と言葉に自戒を込めた。

 序盤の大乱調は“夫婦げんか”も誘発。発端は2回、先頭バートンを歩かせ、次打者ソガードへの初球もボールとなった場面。見かねたピアジンスキー捕手がマウンドに駆け寄ろうとすると、ダルビッシュは「座っとけ」と言わんばかりにグラブで追い返すようなしぐさ。同捕手も憤慨したようにきびすを返すなど、不穏な空気が流れた。

 ダルビッシュは「マウンドから追い払った? 試合中はマウンドではいろいろある。僕も興奮してるし。わざわざA・J(ピアジンスキー)から離れようと思ったわけじゃない」と説明したが、この回終了後、同捕手がベンチ内でいら立ちをあらわにするなど、お世辞にもコミュニケーションがうまくいっているようには見えなかった。

 3回以降は冷静さを取り戻し、やや持ち直したかのようにも見えたが、序盤に払った代償は高く、球数も早々に100球に到達。6回、1死も取れないまま降板という憂き目に遭った。

 地区V争いのライバル、ア軍との大事な試合でまさかの背信投球。ワシントン監督は「制球が悪かっただけ。誰にでもこんな日はある」とかばったが、終盤に入ってエース右腕に4戦連続勝ち星なし、2戦連続黒星は気になるところ。恋女房とのあつれきも表面化した。どんな投球で周囲の喧騒(けんそう)を封じ込めるのか。ダルビッシュの次回登板(現地10日のパイレーツ戦)への注目度がにわかに上がった。

 ▽ダルビッシュ有(今季通算240Kで野茂の日本人シーズン最多K記録更新に)「野茂さんを超えたことは光栄。でも、まだ野茂さんと比べられるような位置にない。数字的には超えたかもしれないですけど、野茂さんは真っすぐとフォークだけでやってる。時代も違う。いずれ比べられるような選手になりたい」

 

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