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【モータースポーツ】

<インタビュー>前戦久々に存在感を見せたバトンに直撃 バランス良くなりコーナリングは安定

2013年9月5日 11時48分

空力パーツは期待外れ…解決できれば表彰台ある!!

シーズン後半に入って復活の手応えをつかんだバトン(マクラーレン提供)

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 今年のF1で開幕から大不振に陥っていた09年王者ジェンソン・バトン(33)=マクラーレン=が、復活への光を見いだした。後半戦開幕のベルギーGP(8月25日決勝)は結果的に6位に終わったものの、残り10周までルイス・ハミルトン(28)=メルセデス=やマーク・ウェーバー(37)=レッドブル=といった面々と3位争いを演じる大健闘。スピードにたけるメルセデス、レッドブルのマシンと遜色のない戦いを見せたことで、6日開幕のイタリアGP(8日決勝)では今季初の表彰台を狙うと息巻いている。(構成=ルイス・バスコンセロス)

     ◇     ◇     ◇

 −ベルギーGPでは2回目のピットインまで3位争いを演じ、久々に存在感を示した。

 ジェンソン・バトン「後半戦開幕のベルギーよりもいいリザルトは今季、第3戦の中国(5位)で記録しているが、クルマの戦闘力という点でこれほどの手応えを感じたのはベルギーが初めて。何より予選で速いメルセデス勢やレッドブルの1台(M・ウェーバー)とバトルできたし、前半戦は相手にならなかったロータスの2台とフェラーリの1台を倒すことができた。前半戦に比べて間違いなくワンランク上にいっているし、純粋にスピードも上がっている」

 −そういう割にはレース後、うれしそうに見えなかったが…。

 「う〜ん、それは戦略面で大成功とは言えなかったからかな。レース途中に1ストップ作戦にするか、2ストップ作戦でいくかで迷い、持てる力を全て発揮することができなかった。でも表彰台に上がった3位のハミルトンから13秒差、レッドブルの1台(ウェーバー)から6秒差でゴールしたのだから、今季一番のパフォーマンスを見せられたと自負している」

 −最終的に2ストップに変えた理由は?

 「他のドライバーの1回目のピットインが予想よりも早く、トラック上でのポジションを失いたくないがゆえにわれわれも予定より早く1回目のピットインを済ませたが、結果的にこれが大きく響いた。タイヤはまだ何周かもつ状況ではあったけれど、ライバルの動きに反応して2ストップ作戦を選んだ。ところがその後、走ってみると意外にもライバルよりタイヤの摩耗が少なく、それならこのまま1ストップでゴールまで走りきってしまおうと戦略を変えたんだ。ところがその矢先に左フロントタイヤの摩耗がひどくなり、1ストップ作戦を諦めざるを得なくなった。最後のピットストップ後に思い切りプッシュしたが、4位争いをしていたウェーバーとロズベルグには追いつけなかった」

 −でもトップ10に入るのにさえ苦労していたころに比べ、クルマの戦闘力は雲泥の差に見えた。

 「おっしゃる通りでわれわれのクルマは1ステップ前進した。前半戦はレッドブル、メルセデス、ロータス、フェラーリといった上位勢のクルマに全く歯が立たなかったからね。後半戦に入ってからのクルマはバランスが良くなって運転しやすくなり、ダウンフォース(気流でクルマを押しつける力)が増えてコーナリングも安定するようになった。その半面、ベルギーでクルマに投入したアップグレード(改良パーツ)は思うような効果を発揮できなかった。中でも空力効率の性能アップは期待外れだったかな。でも、なぜ駄目だったかの原因は分かっている。次のモンツァ(イタリアGP)では問題を解決できるだろう」

 −次戦イタリアGPでの目標は?

 「いよいよ今季初の表彰台をターゲットに戦う時がやってきたと思っている。ベルギーで優勝したセバスチャン(ベッテル)は別世界だったが、レッドブルのもう1台とメルセデスの2台とは十分に張り合えることを証明したのだから。それにわれわれが搭載するメルセデスエンジンはモンツァのトラック特性(高速サーキット)と相性がいいしね」

 −表彰台を現実のものにするうえでカギを握るのは?

 「いかに空力効率を上げられるかにかかっているだろう。なぜならモンツァでは空力効率、エンジンパワー、ブレーキングスタビリティー(ブレーキ時の安定性)の全てが要求されるからだ。なぜ空力効率が良くなかったかを解決できれば、おそらくモンツァでは3位を狙うことができるだろう。ベルギーでも当初目指した戦略(1ストップ作戦)がはまっていれば、3位に食い込めたかもしれない。それぐらいの力が今のわれわれにはある。ベルギーではセバスチャンが別世界の走りを見せていたが、モンツァはまた別のトラック。セバスチャンが強いことは間違いないだろうが、モンツァでは何が起こってもおかしくはないよ」

 

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