中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > モータースポーツ > ニュース一覧 > 9月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【モータースポーツ】

【今宮純の目】アロンソ&跳ね馬、モンツァ・スペシャルで必勝態勢 空気抵抗を最小限に〜6日に開幕

2013年9月6日 8時45分

直前展望「第12戦イタリアGP」

欧州ラウンド最終戦のモンツァ。開幕準備が進む(カメラ=松本浩明)

写真

 いよいよ今季最後の欧州ラウンド、第12戦イタリアGPを迎える。残るはここから大陸移動転戦の8グランプリとなる。もっかランク2位のフェルナンド・アロンソ(32)=フェラーリ=が同首位のセバスチャン・ベッテル(26)=レッドブル=を46ポイント差で追う展開。続くルイス・ハミルトン(28)=メルセデス=、キミ・ライコネン(33)=ロータス=は自力逆転がきわめて厳しく、上位2人のタイトル戦いという様相だが、チームの地元戦を迎えたアロンソが、ここで一気に勝負をかけそうだ。

マクラーレンのモーターホームには50周年記念のイラストが(カメラ=松本浩明)

写真

       ◇     ◇     ◇

 昨年のモンツァは盛り上がった。ハミルトンがPPから独走、新鋭ペレスが2位躍進、フェラーリの聖地でアロンソが7台抜きの3位力走、ミハエル・シューマッハーが最後のトップ6入り、そしてレッドブル勢はトラブルでノーポイントという、このスポーツならではの光と影が交錯、超高速戦イタリアGPらしいスピーディーな展開だった。

 今年の焦点はやはりレッドブル・ベッテル対フェラーリ・アロンソの対決図式だろう。が、46ポイントの差は大きい。ここでアロンソが勝って25ポイントを獲得しても、ベッテルが2位(18ポイント)ならわずか7ポイントしか詰められず、まだ39ポイントの差。アロンソにしてみれば、マッサが2位に食い込み、フェラーリのワンツーによって、さらなるベッテルとの「詰め幅」をプロデュースしてほしいところだ。

 ただ、フェラーリのワンツーフィニッシュは3年前(10年)のドイツGPが最後、モンツァでは9年前(04年)のR・バリチェロ−シューマッハー以来なし。現コンビでは一度も実現していないのだ。したがって理想としては、マッサはもちろんのこと、ハミルトン、ライコネン、ウェーバーらがベッテルとの間に複数入り込み、ベッテル包囲網を敷いてくれることを望んでいるのだ。

 それはともかく、アロンソはまず勝たなければならない。そこでフェラーリ陣営は夏休み前からモンツァ仕様のパッケージをしっかりと練り込んできた。超高速コースのモンツァでは、ダウンフォース(空気流でマシンを地面に押しつける力)対策が重要となるが、フェラーリが取り組んできたのは特に空気抵抗を最も少なくするための策だ。

 たとえばウイング細部を加工して滑らかにし、バックミラーも小さく、ボディー表面を流れるエアをスムーズにすること。フェラーリは昨年も細かな部分まで「突起物」をなくす努力を払っており、マッサが自己ベストの予選3番手、決勝4位にきたのはこのモンツァ・スペシャルの成果だった。アロンソは予選中にリアサスペンションのトラブルが起き、10番グリッドにとどまったが、「あれがなければポールもあり得た」とアロンソ。負け惜しみでなく、彼我戦力を分析した結果のマシンに対する正直な評価だったという彼のコメントである。

 一方のレッドブルは技術責任者のA・ニューウェイさん自身が認めるように、モンツァは年間唯一の苦手コース。最高のダウンフォースを誇るマシンはコーナーが多いほど真価を発揮するが、半面、ストレートが長ければ長いほど威力が衰える。

 マシンを路面に押さえつける垂直荷重が巨大なだけに、レッドブルはどうしても直線に弱くなる。これが泣きどころで、昨年のベッテルは、マシンをいじり倒して逆にトラブルを呼び寄せ、リタイア(22位完走扱い)に追い込まれた。

 今年最後の逆転チャンスに挑むフェラーリ、敵地での迎撃戦をどう乗り越えるかに頭を悩ますレッドブル、そして乱戦に賭けるメルセデスとロータス。今年最後の超高速戦が始まる。

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ