9月5日の米国マーケットサマリー:株は上昇、円は対ドル100円台
9月5日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3120 1.3207 ドル/円 100.13 99.74 ユーロ/円 131.36 131.73 株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 14,937.48 +6.61 +.0% S&P500種 1,655.08 +2.00 +.1% ナスダック総合指数 3,658.79 +9.74 +.3% 債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .51% +.04 米国債10年物 2.99% +.09 米国債30年物 3.88% +.09 商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,373.00 -17.00 -1.22% 原油先物 (ドル/バレル) 108.28 +1.05 +.98%◎NY外為市場
ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し6週間ぶり安値に下落。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、金融政策決定会合で利下げについて議論したと明らかにしたことが手掛かり。
ユーロは対円でも値下がり。ドラギ総裁は市場金利が過度に上昇した場合は利下げを検討すると述べた。ECBは5日、政策金利 を過去最低の0.5%で据え置いた。ドルは円に対し、7月以降で初めて1ドル=100円台に上昇した。米経済改善の兆候を受け、金融当局が今月にも緩和策を縮小させるとの観測が広がった。国際決済銀行(BIS)のリポートによれば、外国為替市場での取引高は2013年4月に1日当たり平均5兆3000億ドルに急増した。
チャプデレーン(ニューヨーク)のダグラス・ボースウィック氏は電話取材で、「ドラギ総裁は依然、経済の回復についてあまり自信が持てていない。それがユーロ安につながっている」とし、「ECBが当面、利下げバイアスを維持しつつ金利を据え置くと市場は十分認識している」と述べた。
ニューヨーク時間午後2時37分現在、ユーロはドルに対し前日比0.7%安の1ユーロ=1.3121ドル。一時7月19日以来の安値を付けた。ドルは対円で0.5%上昇の1ドル=100円19銭。一時7月25日以来の高値となった。ユーロは対円で0.2%下げて1ユーロ=131円45銭。
◎米国株式市場5日の米国株 は上昇。労働関連の統計や米非製造業景況指数が手がかりとなった。6日には米労働省が8月の雇用統計を発表する。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値によると、S&P500種株価指数は前日比0.1%高の1655.08。ダウ工業株30種平均株価は6.61ドル(0.1%未満)上げて14937.48ドル。
ロンバール・オディエ・インベストメント・マネジメントで「1798ファンダメンタル・ストラテジーズ・ファンド」の最高投資責任者(CIO)を務めるスティーブン・バルコ氏(ニューヨーク在勤)は、「投資家の大半は雇用統計を待っている。それが金融当局が今月に緩和策を縮小し始めるかどうかを左右すると見ているからだ」と述べ、「米景気が漸進的に勢いを増していることが確実に見られる。これが良好な経済統計に反映され、短期的なネガティブな影響をある程度緩和してくれることを望む」と続けた。
米週間失業保険申請件数が前週比で減少し、給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが発表した8月の民間部門の雇用者数は前月比で17万6000人増加した。
◎米国債市場米国債相場は下落。利回りは2年ぶり高水準を付けた。新規失業保険申請件数が予想を下回り、米金融当局が今月に国債購入の規模を縮小するとの見方が強まった。
10年債のタームプレミアム (期間に伴う上乗せ利回り)は2011年以来の割安水準にあることを示唆している。給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが発表した給与名簿に基づく集計調査によると、8月の米民間部門の雇用者数は過去2年の平均に沿う伸びとなった。6日発表の8月の雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びが加速すると予想されている。連邦公開市場委員会(FOMC)の会合は17-18日に開催される。
キャボット・マネー・マネジメント(マサチューセッツ州セーラム)の債券担当マネジャー、ウィリアム・ラーキン氏は電話インタビューで、「利回りは非常に速いペースで上昇している。売り浴びせはかなり強く、強い経済指標が続く限り、売りは続きそうだ」と述べた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後3時26分現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.98%と、2011年7月28日以来の高水準となった。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は22/32下げて9529/32。
◎NY金先物市場ニューヨーク金先物相場は続落。約1週間ぶりの安値となった。米経済指標が市場予想を上回ったことを背景に、当局による緩和縮小が正当化されるとの見方が強まった。
米供給管理協会(ISM)が発表した8月の非製造業総合景況指数は58.6に上昇した。前月は56だった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は55への低下が見込まれていた。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。主要10通貨に対するブルームバーグ米ドル指数 は一時0.6%上昇した。
RJオブライエン・アンド・アソシエーツ(シカゴ)のシニア商品ブローカー、トム・パワー氏は電話インタビューで、「強めの米経済指標が出たことで、市場は再び神経質になっている」と指摘。「ドルの上昇も金にはマイナスに働いている」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比1.2%安の1オンス=1373ドルで終了。一時は1364.70ドルと、8月22日以来の安値をつけた。
◎NY原油先物ニューヨーク原油先物相場は反発。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油の受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングでの在庫がほぼ1年半ぶりの水準に減少したことで、買いが膨らんだ。
米エネルギー情報局(EIA)の統計によると、クッシングの先週の在庫は前の週から183万バレル減少し、3480万バレル。2012年2月以来の低水準となった。全米では184万バレル減少した。20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するためロシアを訪問中のオバマ米大統領が、シリア攻撃への外交的支持取り付けを模索していることも、原油の買いを促した。
マニュライフ・アセット・マネジメント(ボストン)で天然資源関連の債券ポートフォリオを運用するマネジングディレクター、アダム・ワイズ氏は「在庫水準は下げ続けており、相場にはプラスだ」と指摘。「シリア情勢による影響の全容が明らかになるまで、市場は気を抜けない」と続けた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前日比1.14ドル(1.06%)高の1バレル=108.37ドルで終了。年初来では18%の値上がり。
更新日時: 2013/09/06 05:44 JST