米国株:上昇、失業保険やADP統計を好感-雇用統計に注目
9月5日(ブルームバーグ):5日の米国株 は上昇。労働関連の統計や米非製造業景況指数が手がかりとなった。6日には米労働省が8月の雇用統計を発表する。
米国の圧縮木材パネル最大手ルイジアナ・パシフィックは急伸。カナダの建材メーカー、エインズワース・ランバーを買収することで合意したことが好感された。会員制卸売り最大手コストコ・ホールセールは8月の売上高が予想を上回ったことを手がかりに上昇した。共同購入サイト、グルーポンは3.6%高。モルガン・スタンレーが同社の株式投資判断を引き上げた。
一方、配当利回りの高い通信サービス株と公益事業株は下落。米国債利回りが2年ぶり高水準に上昇したことが影響した。
S&P500種株価指数は前日比0.1%高の1655.08。ダウ工業株30種平均株価は6.61ドル(0.1%未満)上げて14937.48ドル。
ロンバール・オディエで「1798ファンダメンタル・ストラテジーズ・ファンド」の最高投資責任者(CIO)を務めるスティーブン・バルコ氏(ニューヨーク在勤)は、「投資家の大半は雇用統計を待っている。それが金融当局が今月に緩和策を縮小し始めるかどうかを左右すると見ているからだ」と述べ、「米景気が漸進的に勢いを増していることが確実に見られる。これが良好な経済統計に反映され、短期的なネガティブな影響をある程度緩和してくれることを望む」と続けた。
米週間失業保険申請件数が前週比で減少し、給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが発表した8月の民間部門の雇用者数は前月比で17万6000人増加した。
米雇用統計の予想ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によると、労働省が発表する8月の米雇用統計は18万人の雇用増が見込まれており、失業率は前月と同じ7.4%と予想されている。
米供給管理協会(ISM)が発表した8月の非製造業総合景況指数は58.6と、前月の56から上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は55だった。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。
ブルームバーグが8月9-13日にエコノミストを対象に行った調査によると、65%が9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で月間850億ドルの債券購入の縮小が決定されると予想した。
追加緩和に反対を示しているダラス連銀のフィッシャー総裁はこの日、金融当局は債券購入策を金融市場の障害にしてはならないと述べた。
G20が開幕ロシアのサンクトペテルブルクでは20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が開幕した。ロシアのプーチン大統領の執務室はサミット中にシリア問題を議論するための個別会議は行わないと述べた。
シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は0.7%低下の15.77。VIX は年初から12%低下した。
S&P500種産業別10指数のうち7指数が上昇。工業株や素材株が特に上昇した。
ルイジアナ・パシフィックは11%上昇。同社はエインズワース・ランバーを9億600万カナダ・ドルで買収することで合意した。ルイジアナは現金と株式で支払う。
コストコ・ホールセールは2.8%上昇。8月の米既存店売上高は燃料を除くベースで5%増。アナリスト予想の4.2%増を上回った。
原題:U.S. Stocks Climb as Investors Weigh Data Before LaborReport(抜粋)
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更新日時: 2013/09/06 06:54 JST