アジア・太平洋株式サマリー:香港と印株が上昇、中国株は反落
9月5日(ブルームバーグ):アジア・オセアニア各株式市場の動きは以下の通り。
【香港株式市況】 香港株式 相場は上昇。ハンセン指数が約3カ月ぶり高値で取引を終了した。海運株が買われた。米連邦準備制度理事会(FRB)が4日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)では、米経済が回復を維持していることが示された。
太平洋航運集団(2343 HK)は9.5%高。国際ばら積み船の運賃指標となるバルチック・ドライ指数 が1年9カ月ぶりの高水準となったことを好感した。北米で売上高の半分を稼ぐ半導体関連サービス提供の中芯国際集成電路製造(SMIC、981 HK)は1.8%上げた。
中国2位の銀行、中国建設銀行 (939 HK)は反発。前日はバンク・オブ・アメリカ(BOA)が保有する建設銀株の売却で合意したことで下落していた。
ハンセン指数 は前日比271.75ポイント(1.2%)高の22597.97と、5月28日以来の高値で終了した。ハンセン中国企業株(H株)指数は前日比1%高の10338.89。
KGIアジアのベン・クウォン最高執行責任者(COO)は「香港市場は引き続き力強さを示している」と指摘。「世界経済の見通しが一段と楽観的になっていることで、投資家のリスク選好が強まっている。建設銀株売却に伴い4日は緩やかな調整があった」と述べた。
【中国株式市況】
中国株式 市場で、上海総合指数は5営業日ぶりに反落。資源株や鉄鋼株が下げを主導した。同指数のバリュエーション(株価評価)が6月以来の高水準に上昇したことが影響した。
中国アルミ(チャルコ、601600 CH)や江西銅業(600362 CH)が下げ、両銘柄などで構成される資源株 の指数は業種別で最大の下落率となった。中国最大の上場製鉄会社、宝山鋼鉄(600019 CH)は反落。前日は余剰の土地を保有する製鉄会社が政府の土地改革の恩恵を受けるとの観測から上昇していた。
招商銀行(600036 CH)は1.9%高。同行の上海での株主割当増資は275億元(約4500億円)規模となった。
上海証券取引所の人民元建てA株と外貨建てB株の双方に連動している上海総合指数 は、前日比5.19ポイント(0.2%)安の2122.43で終了。上海、深圳両証取のA株に連動するCSI300指数は同0.4%安の2341.74。
山西証券の杜亮アナリストは「経済指標は良好だが、投資家は依然として底入れしたか確認しようとしている」と指摘。「相場を押し上げる材料がないため、株価は短期的には下落する公算が大きい」と述べた。
【インド株式市況】
インド 株式相場は上昇。指標のS&Pセンセックス指数はアジアの主要株価指数の中で最大の上昇率となった。4日にインド準備銀行(中央銀行)総裁に就任したラグラム・ラジャン氏が金融業界へのてこ入れと通貨ルピーの安定を目指す方針を表明したのを受けて、銀行株は2009年5月以来の大幅高となった。
時価総額でインド最大の銀行HDFC銀行 は8.1%高と、銀行株指数の4年ぶり大幅上昇をけん引した。エンジニアリング会社、ラーセン・アンド・トゥブロ はこの2カ月余りで最大の上げ。国内最大の発電機メーカー、バーラト重電機は09年5月以来の大幅上昇となった。
ムンバイ市場でのセンセックス 指数は前日比412.21ポイント(2.2%)高の18979.76で終了。ラジャン新総裁は4日、銀行の支店開設や経済の非国有部門への融資の規制を緩和する計画を発表。JPモルガン・チェースのアナリストらは同計画について、銀行の利益に「長期的に大きな影響を及ぼす」と分析した。
リライアンス・キャピタル・アセット・マネジメントの株式部門責任者、スニル・シンガニア氏はブルームバーグTVインディアとのインタビューで、「信頼回復が全てで、それをラジャン総裁は成し遂げた」とし、「課題克服に必要な措置をインド中銀は全て講じるとの明確なシグナルを総裁は送った。こうした信頼が相場に反映された」と語った。
【オーストラリア株式市況】
S&P/ASX200指数は前日比19.12ポイント(0.4%)安の5142.51。
【韓国株式市況】
韓国総合株価指数は前日比18.62ポイント(1%)高の1951.65。
【台湾株式市況】
加権指数は前日比85.66ポイント(1.1%)高の8169.10。
更新日時: 2013/09/05 20:50 JST