Updated: Tokyo  2013/09/06 08:25  |  New York  2013/09/05 19:25  |  London  2013/09/06 00:25
 

9月5日の海外株式・債券・為替・商品市場 (2)

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  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ユーロ下落、ECB総裁発言で-円は対ドル100円台

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し6週間ぶり安値に下落。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、金融政策決定会合で利下げについて議論したと明らかにしたことが手掛かり。

ユーロは対円でも値下がり。ドラギ総裁は市場金利が過度に上昇した場合は利下げを検討すると述べた。ECBは5日、政策金利 を過去最低の0.5%で据え置いた。ドルは円に対し、7月以降で初めて1ドル=100円台に上昇した。米経済改善の兆候を受け、金融当局が今月にも緩和策を縮小させるとの観測が広がった。国際決済銀行(BIS)のリポートによれば、外国為替市場での取引高は2013年4月に1日当たり平均5兆3000億ドルに急増した。

チャプデレーン(ニューヨーク)のダグラス・ボースウィック氏は電話取材で、「ドラギ総裁は依然、経済の回復についてあまり自信が持てていない。それがユーロ安につながっている」とし、「ECBが当面、利下げバイアスを維持しつつ金利を据え置くと市場は十分認識している」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロはドルに対し前日比0.7%安の1ユーロ=1.3120ドル。一時7月19日以来の安値を付けた。ドルは対円で0.4%上昇の1ドル=100円11銭。一時7月25日以来の高値となった。ユーロは対円で0.3%下げて1ユーロ=131円34銭。

クローナ下落

スウェーデン・クローナは主要16通貨全てに対して下落。スウェーデン中銀は、来年遅くに引き締めを開始する方針を堅持した。クローナはドルに対し1.3%安の1ドル=6.6786クローナ。対ユーロでは0.7%下げて1ユーロ=8.7623クローナ。

ポンドはユーロに対し4カ月ぶり高値を付けた。イングランド銀行(英中銀)は5日の金融政策委員会(MPC)で、資産買い取りプログラムの規模を3750億ポンド(約58兆6300億円)で維持することを決めた。資産購入枠の維持は、ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト38人を対象に実施した調査で全員が予想した通り。MPCは政策金利であるレポ金利を過去最低の0.5%に据え置いた。

ポンドは対ユーロで0.4%高の1ユーロ=84.16ペンス。一時84.08ペンスと、5月6日以来の高値を付けた。対ドルでは0.2%安の1ポンド=1.5590ドル。

為替取引高

BISは外国為替市場での取引高が2013年4月に1日当たり平均5兆3000億ドルに急増したことを明らかにした。円の取引拡大が全体を押し上げた。BISが3年ごとに実施する為替トレーダー調査によれば、取引高は2010年4月以降の3年間に33%増加した。

米銀が決済機関デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング(DTCC)へ提出したデータをブルームバーグがまとめたところによると、この日の外為オプションの店頭取引は合計285億ドル。前日は259億ドルだった。対円でのドルのオプション出来高は65億ドルで、シェアは23%と最大だった。

INGグループのテクニカルアナリスト、ルロフヤン・ファンデンアッカー氏(アムステルダム在勤)は、5日付の顧客リポートで円について、前日に鍵となる下値支持線である1ドル=99円60銭より安い水準で取引を終えたことから、弱気トレンドが始まったと記した。円はこの先、7月8日以来の安値となる101円35銭にまで下げる可能性があるとしている。

原題:Euro Slides to Six-Week Low on Draghi Comments; KronaWeakens(抜粋)

◎米国株:上昇、失業保険やADP統計を好感-雇用統計前で様子見も

5日の米国株 は上昇。労働関連の統計や米非製造業景況指数が手がかりとなった。6日には米労働省が8月の雇用統計を発表する。

米国の圧縮木材パネル最大手ルイジアナ・パシフィックは急伸。カナダの建材メーカー、エインズワース・ランバーを買収することで合意したことが好感された。会員制卸売り最大手コストコ・ホールセールは8月の売上高が予想を上回ったことを手がかりに上昇した。共同購入サイト、グルーポンは3.6%高。モルガン・スタンレーが同社の株式投資判断を引き上げた。

一方、配当利回りの高い通信サービス株と公益事業株は下落。米国債利回りが2年ぶり高水準に上昇したことが影響した。

S&P500種株価指数は前日比0.1%高の1655.08。ダウ工業株30種平均株価は6.61ドル(0.1%未満)上げて14937.48ドル。

ロンバール・オディエで「1798ファンダメンタル・ストラテジーズ・ファンド」の最高投資責任者(CIO)を務めるスティーブン・バルコ氏(ニューヨーク在勤)は、「投資家の大半は雇用統計を待っている。それが金融当局が今月に緩和策を縮小し始めるかどうかを左右すると見ているからだ」と述べ、「米景気が漸進的に勢いを増していることが確実に見られる。これが良好な経済統計に反映され、短期的なネガティブな影響をある程度緩和してくれることを望む」と続けた。

米週間失業保険申請件数が前週比で減少し、給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが発表した8月の民間部門の雇用者数は前月比で17万6000人増加した。

米雇用統計の予想

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によると、労働省が発表する8月の米雇用統計は18万人の雇用増が見込まれており、失業率は前月と同じ7.4%と予想されている。

米供給管理協会(ISM)が発表した8月の非製造業総合景況指数は58.6と、前月の56から上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は55だった。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。

ブルームバーグが8月9-13日にエコノミストを対象に行った調査によると、65%が9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で月間850億ドルの債券購入の縮小が決定されると予想した。

追加緩和に反対を示しているダラス連銀のフィッシャー総裁はこの日、金融当局は債券購入策を金融市場の障害にしてはならないと述べた。

G20が開幕

ロシアのサンクトペテルブルクでは20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が開幕した。ロシアのプーチン大統領の執務室はサミット中にシリア問題を議論するための個別会議は行わないと述べた。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は0.7%低下の15.77。VIXは年初から12%低下した。

S&P500種産業別10指数のうち7指数が上昇。工業株や素材株が特に上昇した。

ルイジアナ・パシフィックは11%上昇。同社はエインズワース・ランバーを9億600万カナダ・ドルで買収することで合意した。ルイジアナは現金と株式で支払う。

コストコ・ホールセールは2.8%上昇。8月の米既存店売上高は燃料を除くベースで5%増。アナリスト予想の4.2%増を上回った。

原題:U.S. Stocks Climb as Investors Weigh Data Before LaborReport(抜粋)

◎米国債:下落、2年ぶり高利回り-失業保険申請減で緩和縮小観測

米国債市場では10年債利回りが3%に接近。同水準を超えれば2年ぶりとなる。新規失業保険申請件数が予想を下回り、米金融当局が今月に国債購入の規模を縮小するとの見方が強まった。

10年債のタームプレミアム (期間に伴う上乗せ利回り)は2011年以来の割安水準にあることを示唆している。給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが発表した給与名簿に基づく集計調査によると、8月の米民間部門の雇用者数は過去2年の平均に沿う伸びとなった。6日発表の8月の雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びが加速すると予想されている。連邦公開市場委員会(FOMC)の会合は17-18日に開催される。

キャボット・マネー・マネジメント(マサチューセッツ州セーラム)の債券担当マネジャー、ウィリアム・ラーキン氏は電話インタビューで、「利回りは非常に速いペースで上昇している。売り浴びせはかなり強く、強い経済指標が続く限り、売りは続きそうだ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.99%と、2011年7月28日以来の高水準となった。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は26/32下げて9525/32。

同利回りの年初来の最低水準は5月1日に付けた1.61%。3%を超えれば、債務上限の引き上げをめぐり議会で対立が続いていた2011年7月27日以来で初めてとなる。

タームプレミアムは0.63%と、2011年5月以来の高水準。6月18日まではマイナスで推移していた。過去10年の平均は0.23。プラスは利回りが適切水準を上回っていても買い意欲があることを示唆する。

グロース氏

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏は、政策金利をゼロ近辺に維持するという米金融当局の方針に支えられる短期の米国債や信用証券の買いを勧めた。

同氏は5日、PIMCOのウェブサイトにコメントを掲載し、「バットを振っても良い球種は株式ではなく、近い将来に中央銀行のほぼ唯一の焦点となる資産だ」と指摘。「量的緩和の代わりに、中央銀行はフォワードガイダンスにシフトしつつある。それがもし信頼できるものであるならば、金融市場や実体経済は調達金利や投資リターンに関して向こう数年の計画を立てることが可能になる」と続けた。

グロース氏が運用する「PIMCOトータル・リターン・ファンド」では、運用での損失や投資家の資金引き揚げにより、過去4カ月間に運用資産が410億ドル(約4兆800億円)減少した。これは全運用資産の14%に相当する。調査会社モーニングスターが4日、電子メールで明らかにしたところによると、8月は77億ドルの資金純流出で、これで4カ月連続での純流出となった。

「持ち高解消」

三菱UFJセキュリティーズの米金利戦略部門のディレクター、ジョン・ハーマン氏は「リアルマネーや機関投資家が過去数年間に積み上げてきた買い持ちの解消が起こっており、市場から資金が流出している」と指摘。「米金融当局はデータ次第で行動を決めると言っている。実体経済が市場参加者に戦略変更を迫っており、持ち高が解消されている」と続けた。

労働省の発表によると、先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は32万3000件に減少した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は33万件だった。前週は33万2000件に修正された。

ADPによると、8月の米民間部門の雇用者数は前月比17万6000人増加。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は18万4000人の増加だった。前月は19万8000人増(速報値20万人増)に修正された。

原題:Treasury 10-Year Yield Rises to Almost 3% on Bets Fed toTaper(抜粋)

◎NY金:続落、米経済指標受け緩和縮小観測-ドル高も重し

ニューヨーク金先物相場は続落。約1週間ぶりの安値となった。米経済指標が市場予想を上回ったことを背景に、当局による緩和縮小が正当化されるとの見方が強まった。

米供給管理協会(ISM)が発表した8月の非製造業総合景況指数は58.6に上昇した。前月は56だった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は55への低下が見込まれていた。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。主要10通貨に対するブルームバーグ米ドル指数 は一時0.6%上昇した。

RJオブライエン・アンド・アソシエーツ(シカゴ)のシニア商品ブローカー、トム・パワー氏は電話インタビューで、「強めの米経済指標が出たことで、市場は再び神経質になっている」と指摘。「ドルの上昇も金にはマイナスに働いている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比1.2%安の1オンス=1373ドルで終了。一時は1364.70ドルと、8月22日以来の安値をつけた。

原題:Gold Declines to One-Week Low on Bets Fed May Cut U.S.Stimulus(抜粋)

◎NY原油:反発、クッシング在庫がほぼ1年半ぶり水準に減少

ニューヨーク原油先物相場は反発。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油の受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングでの在庫がほぼ1年半ぶりの水準に減少したことで、買いが膨らんだ。

米エネルギー情報局(EIA)の統計によると、クッシングの先週の在庫は前の週から183万バレル減少し、3480万バレル。2012年2月以来の低水準となった。全米では184万バレル減少した。20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するためロシアを訪問中のオバマ米大統領が、シリア攻撃への外交的支持取り付けを模索していることも、原油の買いを促した。

マニュライフ・アセット・マネジメント(ボストン)で天然資源関連の債券ポートフォリオを運用するマネジングディレクター、アダム・ワイズ氏は「在庫水準は下げ続けており、相場にはプラスだ」と指摘。「シリア情勢による影響の全容が明らかになるまで、市場は気を抜けない」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前日比1.14ドル(1.06%)高の1バレル=108.37ドルで終了。年初来では18%の値上がり。

原題:WTI Crude Rises as Supply Drops to 17-Month Low at CushingHub(抜粋)

◎欧州株:上昇、ECB総裁が低金利を長期維持と再表明

5日の欧州株式 相場は上昇。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は政策金利を長期にわたり低い水準に維持するとあらためて表明した。米連邦準備制度理事会(FRB)が4日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、米景気が「緩慢ないしまずまず」のペースで拡大したとの見解を示したことも、相場の上昇要因となった。

フランスの自動車メーカー、プジョーシトロエン(PSA)は5.4%上昇。同社トップが仏紙パリジャンとのインタビューで、市場シェアが伸びるとの予想を示したことが買い材料。イタリアの電話会社、テレコム・イタリアは8.4%高。エジプトの資産家、ナギブ・サウィリスが同社株を取得する可能性があるとの報道が好感された。

ストックス欧州600指数 は前日比0.7%高の304.55で終了。先週は米国がシリアに対し軍事行動を起こすとの懸念から、同指数は2.4%下げていた。

セブン・インベストメント・マネジメントで資産運用に携わるジャスティン・スチュワート氏(ロンドン在勤)は、「ドラギ総裁の発言は中銀当局者が利上げを急がず、市場を動揺させる意向がないとの見方を強めた」と語った。

ECBはこの日の定例政策委員会で、政策金利を過去最低に据え置いた。

5日の西欧市場では18カ国中16カ国で主要株価指数が上昇。仏CAC40指数は0.7%、独DAX指数は0.5%それぞれ上げた。英FTSE100指数は0.9%高となった。

原題:Europe Stocks Rise as Draghi ReiteratesLow Interest-Rate Stance(抜粋)

◎欧州債:独10年債利回り、2%台に上昇-ECB金利据え置き

5日の欧州債市場ではユーロ圏各国の国債が総じて下落。ドイツ10年債利回りは1年5カ月ぶりの高水準に達した。世界経済の成長安定化が進む中、欧州中央銀行(ECB)は政策金利を過去最低の0.5%に据え置いた。

オーストリアとフィンランド、オランダの10年債利回りも約1年ぶりの水準に上昇。フランスがこの日実施した国債入札で、借り入れコストはオランド大統領就任以後の最高となった。エコノミスト調査によると、6日発表の米雇用統計で雇用者増加ペースが8月に速まったとみられている。ドラギECB総裁は政策金利は低い水準にとどまると発言したものの、ドイツ2年債利回りは2週間ぶりの大幅上昇となった。

ミラー・タバクのチーフ経済ストラテジスト、アンドルー・ウィルキンソン氏は「超低金利に対するセンチメントは変わり目にある」と指摘。「域内経済に世界から及ぶリスクは少なくとも認識上、明らかに後退した。ドラギ総裁は口先介入で利回りを押し下げようとしているが、投資家のポジションは味方してくれない」と語った。

ロンドン時間午後4時38分現在、ドイツ10年債利回りは前日比10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.04%。一時は2.05%と、2012年3月21日以来の高水準 となった。同国債(表面利率1.5%、2023年5月償還)価格は0.84下げ95.30。

同国債の2年物利回りは6bp上昇し0.33%。一時は0.34%まで上げた。最近の経済指標はユーロ圏が最悪期を脱したことを示唆しているとドラギ総裁が発言した前日に当たる7月31日以降、同利回りは18bp上げている。

ECBはこの日の定例政策委員会で政策金利 を過去最低の0.5%に据え置いた。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト56人の予想中央値と一致した。

英国債相場は下落。10年債利回りは上昇し、約2年ぶりに3%台となった。イングランド銀行(英中央銀行)はこの日の金融政策委員会(MPC)で資産買い取りプログラムの規模維持を決めた。フォワードガイダンス(時間軸政策)に関する声明は発表しなかった。カーニー総裁率いる同中銀は政策金利を過去最低の0.5%に維持した。

ロンドン時間午後4時50分現在、英10年債利回り は13bp上昇の3.01%。これは2011年7月27日以来で最高。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格は1.11下げ93.46。2年債利回りは8bp上げて0.55%。一時は6月24日以来の高水準となる0.57%まで上昇した。

原題:German 10-Year Yield Tops 2% as BondsSelloff Undermines Draghi (抜粋)U.K. Gilt Yields Reach Two-Year High as BOEMaintains QE, Rates(抜粋)

更新日時: 2013/09/06 07:03 JST

 
 
 
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