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UPDATE 2-ECB、追加利下げ・流動性供給の用意あると表明 政策据え置き

2013年 09月 6日 02:34 JST
 
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* ECB、予想通り主要政策金利を据え置き

* 短期金融市場の動向を深く注意する=ドラギ総裁

* 行動する用意ある=総裁

* 必要なら流動性供給・追加利下げの可能性=総裁 (内容を追加しました。)

[フランクフルト 5日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は5日、短期金利を押し下げ景気回復を支援するために必要なら追加利下げや流動性供給を行う用意があると表明した。

ECBはこの日、市場の予想通り、主要政策金利であるリファイナンス金利を過去最低水準の0.5%に据え置いた。下限金利の中銀預金金利も0.0%に、上限金利の限界貸出金利も1.0%にそれぞれ据え置いた。

ドラギ総裁は理事会後の会見で、短期金利上昇への懸念や芽生え始めたばかりの回復をめぐる不透明感の強さを踏まえ、理事会は利下げについて協議したと明らかにした。

「短期金融市場の動向が、中期インフレ見通しに与える影響が正当化できるものではないと判断された場合、そうした手段が検討される必要がある」と述べ、ECBの金利バイアスは下向きと強調した。

その上で「行動する用意がある」と言明した。

これを受け、ドルは対ユーロで6週間ぶり高値に上昇。一方、総裁の発言後も短期金利はほぼ変わらずで推移した。

利下げをめぐる議論では、経済指標の改善を踏まえれば利下げは正当化できないとの意見が出た一方、利下げの可能性を排除するには回復はぜい弱過ぎるとの主張もあったとしている。

ECBは金融政策スタンスにおいて過剰流動性の低下による影響に「とりわけ留意する」としている。

最近の市場予想を上回る経済指標や米連邦準備理事会(FRB)の緩和縮小観測を背景に、ECBが7月に金利見通しの政策方針説明であるフォワードガイダンスを導入した後も、短期金利は上昇傾向が続いている。

ドラギ総裁はこの日、低金利を「長期にわたり」維持する方針をあらためて確認した。

ノルディアのアナリスト、アンダース・スベンドセン氏は、ドラギ総裁のこの発言が向こう数カ月により大きな影響を市場に与えるとみている。

同氏は「市場は目先、リファイナンス金利引き下げのリスクを過小評価すべきでない」と指摘。「秋にかけて状況が安定すれば、市場はドラギ総裁の発言の意図に再び耳を傾けるようになる。ユーロ圏の回復状況に全く満足していないというのが総裁の言わんとするところだ」と述べた。

ドラギ総裁は「景気回復について極めて慎重」だとし、「回復の芽はなお非常に青い」と述べた。総裁個人としては、政策に関しハト派的であることがうかがえる。

同時に発表されたECBスタッフによる経済見通しでは、2014年成長率が6月時点予想のプラス1.1%からプラス1.0%に引き下げられた。一方、2013年はマイナス0.6%からマイナス0.4%とマイナス幅が縮小した。

最近のユーロ圏経済指標は比較的力強く、今年下期に緩やかな回復基調が定着し、2014年にペースが加速するとしているECBの景気見通しをおおむね裏付けている。

ECBは「緩和的な政策スタンスに支援され、とりわけ域内需要が緩やかに回復するため、生産は緩やかなペースで回復する見通し」としているが、主要リスクは依然下向きと指摘した。

<短期金利上昇を懸念>

ECB内では、フォワード市場金利の上昇への懸念が高まっている。

ドラギ総裁は短期金融市場の動向について、域内銀行による期間3年流動性供給オペ(LTRO)の早期返済を背景に、過剰流動性の緩やかな低下による影響を受けるとしている。

その上で「金融市場の動向が金融政策スタンスに与える影響に引き続きとりわけ留意する」とし、市場をけん制した。

ただ金利の上昇基調には依然歯止めがかかっておらず、独連邦債10年物利回りはこの日、ECB理事会を控え、2%の節目を突破し1年半ぶりの高水準をつけた。

またFRBの緩和縮小観測というより大きな波乱要因が短期金利の押し上げ圧力となっている。

グローバル・インサイトのエコノミスト、ハワード・アーチャー氏は、ECBが第4・四半期に0.25%の利下げを実施する公算が大きいと予想している。

「ECBは、とりわけFRBの緩和縮小開始によって短期金利が跳ね上がった場合、金利押し下げに向けた措置を講じる」とし、「ユーロ圏の回復が向こう数カ月に失速、あるいは回復が著しく加速しなかった場合でも、いずれ利下げに踏み切る」との見方を示した。同氏は回復の勢いが大きく増さない可能性はかなり高いとしている。

*ドラギECB総裁の発言要旨は をご覧ください。

以下の図表もご覧ください。

link.reuters.com/ves65t

 
 
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*統計に基づく世論調査ではありません。