【ニューヨーク4日】俳優・阿部サダヲ(43)主演の映画「謝罪の王様」(水田伸生監督、28日公開)のプレミア試写会が、マンハッタンのリンカーンセンターで行われ、阿部と俳優の竹野内豊(42)が舞台あいさつを行った。上映前には、作品の重要なキーワードとなる自由の女神像などを訪問。パフォーマンスを披露し、世界各国から来た観光客に「ジャパニーズコメディー」を猛烈アピールした。
「わき毛ぼーぼー、自由の女神!!」。多くの観光客が集まる自由の女神像前で、右手を空に突き上げた阿部と竹野内の声が響き渡った。「何が始まったんだ?」とカメラを向けられる中で、すがすがしい笑顔を見せる2人の姿があった。
阿部演じる東京謝罪センターの所長・黒島が、さまざまな謝罪の方法を依頼人に伝授する物語。「わき毛―」は、敏腕弁護士役の竹野内が謝罪したいと思う、離れて暮らす娘と自らをつなぐ絆の言葉として、また、黒島が日本の危機を救うキーワードとして登場する。
自由の女神つながりで実現したパフォーマンスに、初ニューヨークの阿部は「台本を読んだときには、まさか自由の女神と一緒にポーズを取るとは」と苦笑い。「でも、この映画がなかったら、一生来なかったと思うので…。良かったです。竹野内さんがいたのも心強かった」と達成感に浸った。
一方、竹野内は周囲の反応に“笑いは世界共通”の手応えを感じたようだ。「周りの人が、自分たちをほほ笑ましい顔で見てくれていた。受け入れてもらえてるのかな」。マンハッタンの中心、タイムズスクエアでポーズを取ったときには、運転手から注目を集めていたのにも気付いたそうで「男の人が、満面の笑みで自分を見ていたのが、うれしかった」と話した。
その言葉通り、夜に行われたプレミア試写会では、約200人から数分ごとに爆笑が起こった。自らも客席で反応を確認した阿部は「皆さんの笑い声を背中で受け止めた。日本でも、こういう機会があれば一緒に楽しみたいと思いました」と大成功を実感。最後には会場全員と“わき毛ダンス”を決めた。
この日、来場したニューヨーカーには完全に浸透した「土下座」と「わき毛ぼーぼー」の言葉。「『ぼーぼー』は、アメリカで流行してもいいよね。アメリカにない言葉だと思うし」と竹野内。“アメリカ版流行語大賞”を狙えるとばかりに、不敵な笑みを見せた。海外公開が決定しているのは台湾のみだが、今回の試写会を機に北米でもセールスを本格化。会場の盛り上がりからも、公開が決定する可能性が高そうだ。
◆「謝罪の王様」 謝罪に失敗しトラブルを抱えた依頼人に、完璧な謝罪の方法を指南する「東京謝罪センター」の所長・黒島(阿部)。彼のもとには、離婚した妻が引き取った娘にどうしても謝罪したい弁護士・箕輪(竹野内)ら、さまざまな客が訪れる。それらの依頼を黒島は、あらゆるテクニックを使い、解決。そんな中、日本の行く末を揺るがす国際問題に巻き込まれてしまい…。脚本は「あまちゃん」の宮藤官九郎(43)。阿部と水田監督、宮藤は07年の「舞妓Haaaan!!!」、09年の「なくもんか」に続く3度目のタッグ。
[2013/9/6-06:04 スポーツ報知]