福島原発汚染水:土壌浸透、地下水に到達か 東電が発表
毎日新聞 2013年09月05日 20時14分(最終更新 09月06日 00時46分)
東京電力福島第1原発の地上タンクから汚染水が漏れた問題で、東電は5日、漏れた汚染水が土壌に浸透し、地下水に到達した可能性があると発表した。
東電は、約300トンの汚染水漏れが見つかったタンクの南側の15メートル以上離れた場所で観測井戸を掘削。この井戸で今月4日に採取した水から、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり650ベクレル検出された。タンク周辺では、地表から5〜7メートル下に地下水が流れており、高濃度汚染水が雨水などで薄められて土壌にしみ込み、地下水に混入していると見られる。
このタンクからの汚染水漏れは8月19日に発覚し、同21日までに残っていた水を他のタンクに移送した。水漏れは7月上旬に始まっていたと見られている。
また東電は、3号機の原子炉建屋でがれき撤去に使っているクレーンのアームが折れたと発表した。けが人や他の設備への影響はなく、周辺の放射線量に目立った変化もないという。【大場あい】