2013年度の全国学力テストの結果発表 秋田県が6回連続トップ
27日、2013年度の全国学力テストの結果が発表された。
小学生の国語の1問を見てみると、「石の上にも3年」ということわざの意味は、「辛抱強くやれば、よい結果が得られること」だが、10年前の小学6年生の正解の割合は64.1%で、今回は71.3%にまで上昇している。
全体的に、今回の学力テストは、正解率の底上げ傾向が見られた。
全国1位は、秋田県が連続で獲得した一方で、4年前には44位だったものの、高知県は15位にまで大躍進した。
2013年も秋田県は、小中学校ともに、学力テストで全国1位となった。
27日午後から開かれた県教育庁の会議には、人事交流で、ほかの県から来ている教職員が顔をそろえた。
広島・三次市の小学校から来ている高野 加奈子教諭は「(秋田は)1つひとつの授業を、先生方が大切に進めておられるなと思います。秋田県では、『問いを発する子ども』っていうことをキーワードに、まず学習課題に対して、すごく子どもたち自身に『問い』を持たせて、授業を進めておられるというところを、すごく広島に戻っても参考にしていきたい」と話した。
その独特の教育方針に、学力日本一を続けている理由があるのではないかという。
27日、文部科学省が、全国学力テストの都道府県別の順位を発表した。
小学生で6回連続、中学生で2回連続トップを続けている秋田県だが、塾に通っている子どもは、小学6年生で22.8%と、意外なことに全国最下位だった。
そうした中、2013年度の学力調査で急上昇したのが、高知県だった。
2009年には、小学生でワースト4位の44位だったにもかかわらず、2013年は15位にまで上昇した。
高知県教育委員会の永野隆史課長は「子どもたちは、十分頑張っています。今後は、わたしたち教える側が、もっと子どもたちに楽しんでもらえるような学びを、豊かにしていくような教え方を、わたしたちが、もっと勉強しなくちゃいけない」と語った。
高知県では、2008年度から、子どもたちの学力の向上を目指して、優れた指導力を持ったリーダーを育成するミドルリーダー研修を開始した。
高知市立横内小学校の別當尚史校長は「うちの学校では、毎週月曜日に、全校で子どもたちの基礎的な学力をつけていく時間を、特別に設定しています。その週に学習した中で、子どもたちが、なかなかわかりづらかったこととか、学習を深めたり、取り組みをしていますね」と語った。
また2013年1月には、高知県独自で学力試験を実施するなど、子どもたちの学力を向上させるための取り組みを続けてきた。
今回の学力調査の結果について、下村文部科学相は「高知県の事例は、まず過去全国でも最低レベルであったと...。『県ぐるみで力を入れる』と、前から聞いておりましたし、その成果・効果が表れてきたのではないか」と述べた。
そして、都道府県の格差も、縮小傾向にあることを明らかにした。
今回の全国学力テスト、都道府県別の順位を北から見てみると、北海道は45位、そして東北を見ると、秋田県が今回も1位を獲得して、これで6回連続のトップとなった。
関東を見ると、東京が8位、神奈川県は27位だった。
富山は10位、北陸は福井県が2位で、石川県が3位と、いずれも上位に位置している。
関西では、兵庫県が17位、そして、中国・四国地方は、香川県が5位で広島県が6位。
九州を見ると、熊本県の20位が最高だった。
そして、沖縄県が3回連続の最下位となっていたが、算数Bでは最下位を脱出して、文部科学省も「大変な努力をしたと聞いている」と評価している。
これは、あくまでも公立に限った結果で、私立を入れると結果は違ってくるが、各県で順位を競うというものではなく、ほかにも保護者に「子どもと普段どんな教育をしていますか」というアンケートをしているという。