婚外子の遺産相続分を定めた民法の規定について、最高裁が4日に判断した決定の要旨は次の通り。
号外はこちら1 相続制度を定める際は、各国の伝統や社会事情、国民感情を考慮し、国民の意識を離れて定めることはできない。どのように定めるかは立法府の合理的な裁量判断にゆだねられている。非嫡出(ちゃくしゅつ)子(婚外子)の相続分を嫡出子(婚内子)の2分の1とする区別が、裁量権を考慮しても合理的な根拠が認められない場合、法の下の平等を定めた憲法14条に違反する。
2 1995年の大法廷決定は、規定は非嫡出子に一定の相続分を認めて保護した面があり、遺言がない時に補充的に機能することも考慮して、憲法に反しないと判断した。しかし1で示したことは時代と共に変遷するもので、規定の合理性は不断に検討されなければならない。
3 47年の民法改正後、婚姻、家族の形態は著しく多様化し、国民の意識の多様化も大きく進んだ。現在、嫡出子と非嫡出子の相続分に差異を設けている国は、世界的にも限られた状況だ。国連の委員会は、差別的規定を問題にして、法改正の勧告等を繰り返してきた。