この人面白いなぁ、という学生は、高い確率で休学していることに気づきます。
「中途半端な充実」から脱却する
なぜ休学者に面白い人が多いのか。ぼくは休学したことがないのですが、学生たちの話を聞くと、ひとつの共通項が見えてきます。
それは彼ら休学者が、「休学しているのに、何もやらないのはヤバい」という圧力を、休学中に感じていることえす。
大学生活の問題は「中途半端に充実していること」です。実質テキトーに授業を受けて、誰でもできるアルバイトをして、サークルで友だちとワイワイやっているだけであるにも関わらず、それで満足して4年間を終えてしまいます。
かくいうぼくが、まさにそんな過ごし方をしていました。今振り返ると、本気でブログを運営してみるとか、留学するとか、スタートアップでインターンをするとか、社会人にたくさん会っておくとか、何か実務で役立つ経験をしておきたかったと後悔に駆られます。
「休学」というのは、そういう「中途半端な充実」から強制的に脱する機会になります。何せ、大学に行く必要がないんですから。
人によっては休学中にサークルやアルバイトを継続する人もいるのでしょうけれど、個人的にはあまりおすすめしません。徹底的に「中途半端な充実」から自分を引き離すべきです。自分を隔離すべきです。いっそのこと、一時的なひきこもり状態に陥りましょう。1ヶ月間、家を出ないで自分について考えてみる、というのもいいです。
社会から隔絶されると、「休学しているのに、何もやらないのはヤバい」という圧力に駆られます。同時に「何のために大学に通っているんだっけ?」という根本的な問いにも向き合うことになります。
そして、今までの自分だったらまずしなかったであろうこと(留学、起業、インターンなどなど)が、行動の選択肢に入ってきます。
もっとも、留学やインターンといった経験それ自体は、すぐに自分の役に立つかはわかりません。そういう「すぐに役立つ便利なもの」を求める姿勢は、どこかで期待を裏切られます。
が、一度隔離されて、自分の道を歩み出し、選択に失敗・成功するという、その経験は、これから社会を生き延びていく上で重要です。自分の理知を用いて、自分の責任で、歩を進めるという経験です。
そこにレールは用意されていません。休学という地平は、「お前はどこに行きたいんだ?」という問いに向き合う環境に自分を置いてくれます。
…というわけで、ステマっぽいですが、ETICがこんなイベントを10/4に開催するそうです。休学を経験した学生の生の声も聞けるそうなので、ぜひ関心がある方は足を運んでみてください。特段の事情がなければ、大学時代に休学を経験するのをぼくはオススメします。
関連本はこちら。休学して世界一周に出た学生も紹介されています。お金はちょいと掛かりますが、こういう過ごし方も素敵ですね。