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うわじま新聞'98.6.12毎日新聞'98. . 




◆愛媛新聞97年12月26日◆
全国的活躍 市民の誇りです
宇和島大賞
 1団体1個人に

 「日本一」になった市民を表彰する第9回宇和島大賞の贈呈式が25日、宇和島市役所であり、宇和島たばこ販売協同組合婦人部愛和会(水口啓子代表、14人)と医師釜池豊秋さん(51)が受賞した。


宇和島大賞を受賞した
愛和会の水口代表と釜池さん(右端)
国際鉄人レース優勝
 「宇和島大賞は」市民の全国優勝の偉業をたたえ、知名度を高めた功績を顕彰しようと市が平成元年に設置。毎年さまざまな分野の個人や団体に送っている。
 釜池さんは9月、佐渡国際トライアスロン大会(50〜54歳)で優勝したのをはじめ昨秋のホノルル大会、今年の宮古島(沖縄)徳之島(鹿児島)皆生(鳥取)など主な大会で優勝。米国ハワイ島で10月に開かれた「第19回アイアンマン・トライアスロン世界選手権大会」にも出場し、年齢別(50〜54歳)で5位に入賞した。
 贈呈式で柴田市長から表彰状と記念品を受けた水口さんは「日ごろの積み重ねを評価してくれてうれしい」釜池さんは「大変栄誉なこと。これをきっかけに市民にもトライアスロンのすばらしさを知ってもらいたい」と話していた。



◆うわじま新聞98年1月1日掲載◆
年代別世界一を目指して
坂下津の釜池さん51歳


トライアスロン競技の頂点に位置するハワイ島での「アイアンマン・トライアスロン世界選手権大会」に毎年のように出場し、年代別の優勝をめざしてチャレンジを続けている人が宇和島市にいる。

坂下津の医師、釜池豊秋さん(51)がその人。トレーニングに励む釜池さんにスポットを当て、“夢の世界一”にかける抱負や、トライアスロンの魅力、体力アップの方法も併せて聞いた。

10時間57分33秒のタイムでゴールイン、年代別5位入賞の釜池さん
 =97年10月18日午後6時ごろ、ハワイ島でのアイアンマン大会


夢へトライ アスロン
「鉄人の秘訣は技術と努力」

 釜池さんは小学校で水泳を始め、中学時代に軟式庭球、大学時代はラグビーに打ち込んだスポーツマン。1980(昭和55)年、松江市での勤務医時代、近くで日本初のトライアスロン皆生大会の開催を知り「出てみたいと思った」のがトライアスロンとの出会い。
 その後、市立宇和島病院に勤務し院内にジョギングクラブを創設。唯一のネックだったランニングに自信をつけ、84年の第一回中島大会に初めて出場。総合で52位だった。
世界八カ国で開かれる予選を勝ち抜いた人が出場するアイアンマン大会には92年以降、6年間で5度出場。昨年10月、とりあえずの目標だった五位入賞を果たした。 同大会では、年々、年を重ねるたびに総合順位を上げているのが、釜池さんのスゴイところ。
 整形外科医でスポーツ医学が専門だけに、科学的トレーニング方法に一家言持つ。「みなさん、トライアスロンは体力だけと思っているから、やりすぎて故障し、消えてゆく人が多い。しかし、スイムもバイクもランもすべて技術なのです」と力説する。だから、自身は「距離だけを追いかけず、スタミナと筋力アップに取り組んできた」そうである。
 その成果が顕著に現れたのは50歳になった一昨年9月以降の1年間。まず同年9月、アイアンマン出場資格を得るために出たホノルル国際トライアスロン大会の年代別で優勝。続いて宮古島、徳之島、皆生、佐渡島と出場した大会はすべて年代別を制した。
 体力消耗の激しいトライアスロンに何を好んで?と水を向けると「努力すれば、しただけの結果が出る、つまり努力と結果が明確である点」ときっぱり。「トレーニングを含めて精一杯頑張った時に得られる感動が大きい」と、魅力を語る。
 体力向上を図りたいスポーツマンへの助言を求めると、1.よいフォームをつくり、エネルギーの無駄遣いをしない 2.筋力の強化、それも実際に使う筋肉(主動筋)を理解して強化すること 3.脂肪を利用できる体にしてスタミナをアップする―の3点を挙げた。
 アイアンマン大会への取り組みは、「今から52、53、54歳は我慢の年。若い人が次々参入してくるし、私の計算では一歳でタイムが1.5%(9〜10分)落ちる。この間は何とか十位以内をキープしながら耐え、次のチャンス、55歳で優勝にかけたい」と、念願の年代別制覇へ闘志を燃やす。
 釜池さんは、トレーニングの成果も生かし、この五月にプールを備えた医院を開業する。 病気やケガで健康レベルが低下した人のリハビリと、健康に自身をなくしかけた人の体力増進を図り「高齢化社会に備える」という”もう一つの夢”も着々と実現に向かっている。

ハワイ島のハビを折り返し、 コナの町に
戻ってきた釜池さん。バイクゴールまであと10km
ゴールの後、完走した人だけがもらうフィニッシャー
Tシャツを着て、後続選手を見つめる釜池さん



◆読売新聞98年1月29日/愛媛版/26面◆
「鉄人レース大活躍」

 国内外のトライアスロン大会で活躍し、1997年の「宇和島大賞」を受賞した宇和島市坂下津、医師釜池豊秋さん(51)=写真=は「過酷なレースとよく言われるが、完走した時の晴れ晴れとした顔を見ると、そうでないことがわかる。地道に努力すれば完走でき、最初からアイアンマンはいない」と話す。
 大阪出身で、80年から昨年まで同市立宇和島病院に勤務。85年、同県中島町のトライアスロン大会に初出場。92年にはハワイのアイアンマンレース出場の夢を果たした。
 練習方法も少しずつ変わり、ウェートトレーニングやストレッチなどに時間をかけている。昨年は宮古島(沖縄)、徳之島(鹿児島)、皆生(鳥取)、佐渡(新潟)大会の年代別ですべて優勝、ハワイの同レースでも五位に入賞した。現在、リハビリ・スポーツ医院の開業準備中で、「高齢化社会だが、健康レベルを上げるノウハウを伝えたい」としている。




◆うわじま新聞98年4月29日◆
鉄人レースの秘話紹介
宇和島経済研究会 釜池さん招き講演

 宇和島経済研究会(横井幸男会長、44人)の四月例会がこのほど、宇和島市の第一ホテルで会員18人が出席して開かれた。昨年、ハワイ島でのトライアスロン大会「アイアンマンレース」年代別(50〜59歳)で5位入賞した県トライアスロン協会副会長で医師の釜池豊秋さん(51)=同市坂下津=が「トライアスロンと健康づくり」と題して講演、レースの魅力や体力づくり、健康の大切さなどを話した。
 釜池さんは39歳でトライアスロン(第1回中島大会)に初挑戦。以後、全国の大会に参加している。ハワイ・アイアンマンには1992年(45歳)から通算5回出場。年代別で39位、28位、18位、14位と年々順位を上げ昨年、念願の入賞を果たした。
 現地で撮影したスライドを駆使してハワイ島での大会をリアルに再現した。この中で釜池さんはアイアンマン(スイム3.9キロ、バイク182キロ、ラン42.195キロ)では ▼けがをした時、すぐ処置できるよう事前に足のヒゲをそる ▼バイクは千四、五百台が集まる ▼体が冷えるのを避けるため泳ぐ前、体にワセリンを塗る−など“レース秘話”を紹介。体験から「アイアンマンは筋肉のレースではなく胃腸のレース。飲み食いがきっちりできることが大切」「トライアスロンは過酷な鉄人レースと言われているが、地道に努力すれば、だれでも出来る、健康づくりに役立つスポーツだという認識を持ってほしい」と語った。
 トライアスロンの成績を上げるにはスタミナや脂肪、筋力などが重要なことを指摘。「スタミナを強化するには脂肪が使える体にすること。そのためには低強度の運動をし、食事の間隔を開ける」「筋力トレーニングをしたあと良質のタンパク質を取りすぐ寝ると筋力がつく。しかし、そのタイミングを外すとダメ」と、スポーツ医学専門の立場から秘けつを述べた。

「トライアスロンと
健康づくり」を
解説する釜池さん



◆うわじま新聞98年6月12日◆
みなぎる力 鉄人の足音

釜池さんロビー展 激闘写真や賞状も

 各国のトライアスロン大会に出場し、好成績をおさめている宇和島市坂下津、医師釜池豊秋さんの足跡をしるすロビー展が、同市中沢町の伊予銀行城南支店で開かれている。30日まで。
 釜池さんはトライアスロンの魅力につかれ、1984年の第1回中島大会に初出場した。以来、宮古島、徳之島など国内大会はもとより、世界のトップトライアスリートが集う「アイアンマン・トライアスロン世界選手権大会」(ハワイ島)にも92年から5年連続出場。昨年は年代別で5位に輝いた。
 ロビー展では、競技中の釜池さんの写真やインターネットのホームページ、試合中につけるID証や、賞状などを展示している。写真は、全身に力をみなぎらせて自転車を走らせたり、喜びに大きく腕をあげてゴールする瞬間などをとらえている。
 ホームページでは、トライアスロンの競技説明、その魅力や健康面への役割などを、釜池さん自身の言葉で解説している。




◆毎日新聞98年 月 日/「ひと人えひめ」◆
体力高め、高齢者向き

 トライアスロンは水泳、自転車、マラソンの3種目で競うことから、かなり体力が必要とされる。30歳代後半でトライアスロンを始め、出場したレースで50〜54歳の年代別で5大会連続優勝など活躍する宇和島市坂下津、医師、釜池豊秋さん(51)に、トライアスロンの魅力や今後の目標などを聞いた。

 −まず、トライアスロンの魅力から。
 自分の体、心がいいように変化し、自尊心が確立されて自身が持てるようになることです。健康のためには運動することですが、なかなか長続きしません。レースは長く続けるための目標の一つとなります。大きな努力をすればするほど強い体になります。
 −始めたきっかけは。
 ハワイアイアンマンレースの新聞記事を読んで、響き合うものがありました。おっ、おもしろい、やってみたいと。海のスポーツが好きで、身長150センチもなかった中学1年で10キロを泳ぎ、高校時代は水泳部のトレーニングで30キロぐらい走りました。自転車でも大学生の時に京都から輪島(石川県)を経て富山まで行きました。1日に150キロ走ったことも。39歳だった1986年、県内で初めて開かれた中島トライアスロン大会にエントリーしました。結果は完走者145人中52位。それから毎年、国内外の大会に出ています。
 −印象に残る大会は。
 昨年のハワイアイアンマンレースです。世界選手権で、出場するには予選を通過しないといけません。前年のホノルル国際大会で資格を得ました。トライアスロンは年代別で争います。50〜54歳の男性の部で5位、予想した順位でした。
 −練習方法は。
 持久力とパワーが大切なトライアスロンでは、エネルギー源として脂肪を使える体にすることです。低強度の運動を長時間続けます。例えばウォーキング、山歩きなどパワーをつけるには筋力トレーニングが手っ取り早い。スタミナは食事の内容や取り方などでつきます。水泳や自転車など種目練習に取り組まなくても日ごろ仕事や家事労働の合間に体を動かすことが補助練習となり、十分筋力アップが可能です。効率の良い、故障をしないトレーニングが大切。
 −今後の目標は。
 ハワイアイアンマンレースの優勝とトライアスロンを多くの人に楽しんでもらうため、正しい啓もう、普及活動に力を注ぎたい。体力を高めていく意味では高齢者向きのスポーツ。3種目どれをとってもエアロビクス体操で、健康づくりの運動です。自分の体力レベルを把握、無理なく焦らずにやる積み重ねが大事。1人でも多く元気なお年寄りが増えることです。

県トライアスロン協会副会長 釜池豊秋さん(51)
 1946年、大阪市阿倍野区生まれ。京都大医学部卒。同大学付属病院、玉造厚生年金病院(島根県)勤務を経て80年、市立宇和島病院へ。97年3月に整形外科科長で退職。日本体育協会公認スポーツドクター。5月25日、宇和島市別当でプール付きのリハビリスポーツ医院「別当クリニック」を開院する。座右の銘は「無頼」。