Updated: Tokyo  2013/09/05 18:54  |  New York  2013/09/05 05:54  |  London  2013/09/05 10:54
 

債券先物は反発、超長期債の買いが支え-日銀政策据え置きは予想通り

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  9月5日(ブルームバーグ):債券先物相場は小幅反発。前日までの下落で20年と30年債利回りが約1週間ぶりの高水準に達したことで投資家の買いが入り、相場全体を支えた。一方、日本銀行がきょうの金融政策決定会合で金融政策の据え置きを決めたことは予想通りで相場への影響は限定的だった。

東京先物市場で中心限月の9月物は、前日比2銭安の143円95銭で取引を開始し、直後に143円86銭と日中取引で8月27日以来の安値を付けた。その後、株価 が一時下げに転じると水準を切り上げ、144円05銭まで上昇した。午後は144円ちょうど付近でもみ合い、結局は1銭高の143円98銭で引けた。

先物9月物は前日まで中心限月ベースで5月10日-15日以来となる4日続落となっていた。

現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の330回債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp)高い0.78%と8月6日以来の高水準で開始。いったんは横ばいの0.77%に戻したが、午後2時半すぎに再び0.78%を付け、その後は0.77%で取引されている。

20年物の145回債利回りは午後3時前後に1.5bp低い1.685%に低下したが、その後は1.69%。30年物の39回債利回りは一時1bp低い1.805%に低下したが、午後に入ると水準を切り上げ、横ばいの1.815%で推移している。

パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、20年債利回りが1.7%まで上昇して年金などリアルマネーの買いが入ったというのと、チャート的に先物のトレンドラインに来たということで買いを誘ったのではないかと指摘。「引き続き需給がしっかりしているという印象を受ける」とも話した。

日銀決定会合

日銀は5日開いた決定会合で、政策方針の現状維持を全員一致で決定した。足元の景気については「緩やかに回復している」として、2カ月ぶりに判断を前進させた。ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト32人を対象に行った調査では全員が現状維持を予想していた。

松川氏は、日銀会合について「当たり前だが特になにもなく、これ以上買う材料もちょっと見当たらないということで、先物は144円辺りでもみ合っている」と話した。

米雇用指標などの注目材料

4日の米債相場は続落。米10年国債利回り は前日比4bp上昇の2.90%程度。地区連銀経済報告(ベージュブック)の内容を受けて金融緩和の規模が今月に縮小されるとの見方が強まった。一方、米国株相場は上昇。S&P500種株価指数は同0.8%高の1653.08で引けた。

米国ではきょう、あすと雇用関連指標の発表が続く。しんきんアセットマネジメントの鈴木和仁シニアストラテジストは、米雇用関連指標が予想範囲内なら9月にも米緩和縮小が始まるだろうが、市場での新鮮味はやや乏しく、米10年債は3.0%超えても一時的ではないかと予想。週末に判明する五輪招致の結果や消費増税実施を占う鍵となる9日発表の国内総生産(GDP)改定値のなども含め、注目材料を通過した後は国内債の押し目買い意欲が強まりそうだと話した。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net;東京 赤間信行 akam@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Rocky Swift rswift5@bloomberg.net

更新日時: 2013/09/05 16:25 JST

 
 
 
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