JR東日本は4日、東日本大震災で一部区間の不通が続く大船渡線について、被災した気仙沼−盛間(43.7キロ)のうち陸前高田、大船渡両市境をまたぐ陸前高田−細浦間(11.7キロ)で、内陸側にルートを移設する二つの案を明らかにした。
東北運輸局が岩手県一関市で開いた復興調整会議で示した。移設は津波対策と住宅などの高台移転対応が目的。運輸局によると、現ルートを含め3ルートをたたき台に、関係自治体・機関が復旧の在り方を検討する。
新たに提示された移設ルートは陸前高田−脇ノ沢間から内陸に分岐し、細浦駅手前で現ルートに入る「Aルート」と、移設ルートの途中から小友駅周辺で現ルートとつながる「Bルート」。両ルートの延長は7、8キロ程度。現ルートと比べ1、2キロ程度から数百メートル内陸寄りとなる。
ルート移設案にはこれまでの会議で既に示され、調整が進む陸前高田駅の内陸移転に伴う新ルートも盛り込まれた。
会議には大船渡、陸前高田、気仙沼の沿線3市や岩手、宮城両県、国などの関係者約40人が出席。自治体から「なぜ震災後2年半の時期(の提示)なのか」と疑問の声が上がったという。
会議終了後、JR東は「今後のまちづくりを考え提示した。ルート決定には時間がかかる。費用は当然、国などの支援を求めたい」と話した。