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無人機のパイロット不足に悩む米空軍

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2013/9/5 7:00
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(2013年8月22日 Forbes.com)

 右へ左へ旋回し、轟音(ごうおん)を立てて上昇する……。多くの若者が超音速ジェット機の操縦を夢見て空軍を目指す。しかし、その仕事がネバダ州にあるトレイラーの中で何年間も、リモコンを使って飛行機を飛ばす仕事だとしたらどうだろうか。空軍パイロットの世界はXboxでプレーするゲームと必ずしも同じではない。

 おそらく空軍が無人機(空軍はRPA=遠隔操縦航空機の名称を好む)の操縦を志願する人を探すのに苦労しているのは、このためだ。空軍が今後、偵察や攻撃を目的として無人機の使用が増えると、事態はさらに悪化する。

■需要は増えても不人気

南カリフォルニア州上空を飛ぶ米空軍の無人戦闘機「MQ-1 プレデター」(12年1月)=ロイター
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南カリフォルニア州上空を飛ぶ米空軍の無人戦闘機「MQ-1 プレデター」(12年1月)=ロイター

 「空軍は2012年度、従来型飛行機のパイロットを1129人、RPAのパイロットを150人養成するよう求められていた」。空軍のブラッドリー・ホーグランド大佐はブルックリン研究所のリポートの中でこう述べる。「しかし、RPAパイロットの養成人数は空軍の予定数に満たなかった。志願者が少なかったからだ」。士官学校向けの有人機の訓練枠は満席だったのに対し、RPAの訓練枠は82%にとどまった。現在、空軍は1日あたり61機の無人機を使って空から哨戒しており、パイロットの数を現在の1300人から2017年には1650人に増員しようとしている(1990年代には50人しかいなかった)。このままではプレデターやグローバルホークのような最新鋭の偵察機やその他の飛行ロボットは飛ぶ術を失ってしまう。

 C-130輸送機のパイロットを長く務めたホーグランド大佐は、パイロットの不足には複数の要因があると指摘する。第一に挙げるのは、無人機候補生の事前審査が不十分であること。この結果、有人機パイロットの養成の過程に比べて、不合格となる率が3倍にもなっている。明らかになってきているのは、十分に資質がない候補生が選ばれ、有人機の訓練に不合格となった者でも無人機の訓練を志願できるということだ。当然ながら、空軍が2008年に有人機のパイロットをRPAの飛行中隊に移管するようになった時、司令官たちは能力が最も低いパイロットたちを送り込んだ。

 これでは有人機のパイロットが空軍の花形であるという状況は変わらないし、この先しばらく続くだろう。RPAのパイロットは有人機の同僚に比べて昇進の比率も13%低い。

 ホーグランド大佐はもっと積極的に人材の発掘を進め、心理テストを含む事前審査を入念に行う必要があると指摘する。興味深いことに、無人機のパイロットの仕事は特殊部隊の狙撃兵のそれに似た特徴を持つとホーグランド大佐はいう。長時間にわたりじっとした後、断続的に、緊迫した行動を瞬時に遂行するという点だ(もっとも、これは戦闘機のパイロット全般にいえることだが)。

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