日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムです。


  1. 格闘技
  2. ニュース

格闘技のRSS

大毅で達成史上初3兄弟王者/ボクシング

10回、ゲレーロ(右)に左ストレートを浴びせる亀田大(撮影・田崎高広)
10回、ゲレーロ(右)に左ストレートを浴びせる亀田大(撮影・田崎高広)

<プロボクシング:IBF世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇3日◇香川・高松市サンメッセ香川

 同級3位の亀田大毅(24=亀田)が、史上初の3兄弟同時王者の快挙を成し遂げた。王座を争った元王者の同級4位ロドリゴ・ゲレーロ(25=メキシコ)に対し、足を使って動きながらノーモーションの右ストレートなど細かいパンチをヒットさせた。終盤には足をつりながら激しく打ち合った。2度のローブローによる減点はあったが、3-0の判定勝ちで2階級制覇を達成。WBA世界バンタム級王者・兄興毅(26)、WBO世界同級王者・弟和毅(22)に続き、世界ベルトを腰に巻いた。

 声を震わせて涙ぐんだ。会場の大声援を浴び、戦い抜いてつかんだIBFベルトを手に、大毅は声を振り絞った。「やっと(兄弟王者の)仲間入りができた。これで世界一の3兄弟になれた」。3兄弟の同時王者の記録は、即座にギネス認定。リング上で「もう1度、世界王者になって歌いたかった」とマイクを握り、ゆずの「栄光の架橋」を気持ち良さそうに熱唱した。

 ノーモーションの右が次々とゲレーロの顔面にヒットした。接近戦でボディーを打たれても、強烈な左フックでお返し。フットワークを使い、細かいパンチを当てて手数も多かった。前回の世界戦ではなかった多彩な攻撃で元王者をあわてさせた。右、左と構えをスイッチして局面打開を図る相手の連打を浴びる場面もあったが、10回には打ち合いでも上回った。

 脱水症状となって左足がつった終盤、セコンドの兄興毅、弟和毅から「人生、変えるぞ」という猛ゲキが耳に飛び込んだ。「そう言われてスイッチが入った」。5回、11回と2度のローブロー減点があったが、3-0の判定勝ち。「オレ1人でボクシングをやっているわけやない。これが最後だと思ってやった」。

 11年12月、WBA世界同級王座の挑戦失敗から1年9カ月。「正直、モチベーションが上がらなかった時期もあった。やめようと思った時もあった」と明かした。先月下旬、猛暑の中でスパーリングをした時に吐血した。さらに左ひざと腰も痛めたが、練習は続けた。この日の世界戦途中にも腰の痛みが再発していたが「小さい時から2人にずっと負けていた。ずっと追いかけてきた。今も変わらない」。最後は意地で世界ベルトを奪った。

 兄興毅は強いガードからの左カウンターを武器に3階級を制覇し、7月にWBA世界バンタム級王座のV7防衛に成功した。8月にはメキシコ仕込みのテクニックを持つ弟和毅がWBO世界同級王座を獲得した。3兄弟世界戦の大トリとして登場。2人の背中を追うように迎えた世界戦で、強くなった勇姿をみせた。

 大毅 3兄弟の中でオヤジもオレが一番大変やったと思う。オレが2本のベルトなんて奇跡やな。

 史上初の快挙を自らの両拳で成し遂げ、大毅は亀田一家に栄光の架け橋をつくってみせた。【藤中栄二】

 ◆亀田大毅(かめだ・だいき)1989年(昭64)1月6日、大阪・西成区生まれ。小5年でボクシングを始める。06年2月にプロデビュー。07年10月WBC世界フライ級王者内藤大助(宮田)戦の反則騒動で、1年間ライセンス停止。再起し、10年2月にデンカオセーン(タイ)に判定勝ちしWBA世界フライ級王座を獲得。2度防衛し11年1月に返上。同年12月にWBA世界スーパーフライ級王座挑戦も判定負け。以後、7連勝。右ボクサーファイター。独身。

 [2013年9月4日9時22分 紙面から]

PR情報
血中中性脂肪、1日1本続けて約20%低下!?ニッスイが開発(トクホ)…
驚愕。たった、1ヶ月で激変。急激に上達する教材。






日刊スポーツ購読申し込み