三重・中3殺害:遺棄現場ぬかるみも、遺体近くの服汚れず
毎日新聞 2013年09月04日 07時00分
三重県四日市市立朝明(あさけ)中学3年、寺輪(てらわ)博美さん(15)が殺害され、隣接する同県朝日町の空き地に遺棄された強盗殺人事件で、現場の空き地は当日の雨でぬかるんでいたにもかかわらず、遺体の近くに遺棄されていた服には、泥で汚れた跡などがほとんどなかったことが捜査関係者への取材で分かった。このため、県警特別捜査本部は、寺輪さんが抵抗できない状態で殺害された可能性が高く、犯人が何らかの方法で抵抗を抑えたものとみて調べている。
司法解剖の結果、寺輪さんの死亡推定時刻は8月25日深夜。死因は窒息で、首を絞められたような痕がないことから、口や鼻をふさがれ殺害されたとみられている。
津地方気象台によると、同日の四日市市は未明から雨が降り始め、午前6時台に1時間に13ミリのやや強い雨を観測。午後3時すぎに上がったが日没まで曇りだった。遺棄現場の空き地は、ぬかるんだ状態だったとみられる。一方で遺体の近くに遺棄されていた衣服には、泥にまみれたり、草がこすれた様子はないという。また、遺体はあおむけの状態で見つかったが、背中には目立った傷はなかったことも分かっている。
このため、特捜本部は、寺輪さんが脅されて抵抗できなくされたり、気絶させられるなどして、その後に殺害された可能性が高いとみている。
一方、事件のあった25日の午後10時45分ごろには、空き地の前の小道に入っていく白っぽい不審な軽乗用車が目撃されている。この軽乗用車について、特捜本部はドライバーが何らかの事情を知っている可能性があるとみて、現場で採取されたタイヤ痕の鑑定を続けるとともに、引き続き目撃した人を探している。【永野航太】