尖閣:米圧力で観測所建設中止 沖縄返還前年に日本計画
毎日新聞 2013年09月05日 11時11分
沖縄返還前年の1971年、尖閣諸島の施政権も日本に戻ってくることを見越し、尖閣に気象観測所を建設しようとした日本政府に対し、米政府が計画の中止を求め、日本側が事実上応じていたことが5日、機密指定を解除された米公文書で分かった。尖閣の領有権を主張していた中国や台湾が、実効支配の確立を急ぐ日本の動きに反発し、地域の不安定化を招くことを懸念した。
米国は72年、沖縄の一部として尖閣の施政権を日本に返還したが、主権判断は棚上げした。文書は日中台の対立に巻き込まれるのを防ごうと腐心した経緯を明らかにしており、尖閣の主権問題をめぐる米国の中立政策の原点を示す。(共同)