楽天　価値あるドロー　きょうこそＭ再点灯だ

　互いに投手陣が得点を許さず、延長１２回の末に引き分けた。西武は先発の十亀が８イニング２安打無失点と好投し、その後は３投手でつないだ。楽天は美馬が８イニングを無失点に封じたが打線が援護できず、９回のサヨナラ機も生かせなかった。

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　耐えた。悲願のペナントレース初制覇に突き進む楽天が、価値あるドローだ。延長１２回、両軍無得点で今季２度目の引き分け。優勝マジック再点灯は５日以降に持ち越されたものの、隠れマジックは「２３」に減った。

　４時間を超える激闘。疲れ切った足取りで会見場に姿を見せた星野監督は言った。「なかなか思うようにいかないのが、野球であって、人生。そうだろ」。息を吐く。一つ一つの結果に決して満足することのない闘将の顔だった。

　厳しい展開だった。攻撃陣はわずかに３安打。最大のチャンスだった初回も無死一、二塁で銀次が二ゴロ併殺に倒れた。「ポイントゲッター」としての役割を果たしてきた枡田も最近６試合で２０打数１安打１５三振の大不振。２人の「星野チルドレン」が沈黙すると、得点力も半減する。

　ただ、投手陣には光が差した。開幕１９連勝中の田中、新人球団記録を塗り替える１２勝の則本に続く先発にメドが立った。美馬が８イニングを無失点。星野監督は「今年１番良かった。あんなボールを投げることができるのは頼もしい」と相好を崩した。

　１点も奪えなかった。しかし、１点も与えなかった。指揮官は「ウチはこの後が連戦、連戦。ピッチャーを使いたくないのよ」と引き分けを「良し」とはしない。一方、佐藤投手コーチは「よく踏ん張ってくれた。勝ちに等しい」と無失点リレーの４投手をたたえた。２位ロッテに４・５差。Ｖロードを前進したことは間違いない。　（井上学）