元祖トロッコ最後の走り
宇和島まで来たのは予土線に乗るためです。
目的の列車は宇和島を11時32分に出る便だけど、時間があるので1本前の列車で線内を少し行ったり来たりしてみます。車両は奇抜なラッピングを施した「海洋堂ホビートレイン」で、車内にも各種フィギュアや玩具を満載したカラスケースが展示されていて、和歌山電鉄の「おもちゃ電車」を思い起こします。
まずやって来たのは松丸です。ここは松野町の中心にあたり、また沿線随一の景勝地、滑床渓谷への入口ということもあって、結構な賑わいを見せています。
かつては昔ながらの駅舎が残る四国では数少ない駅の一つでしたが、ついにここも建て替えられ、「松野町ふれあい交流館」との合築駅舎になりました。新駅舎になってからは初めての訪問となります。
2階には「森の国ぽっぽ温泉」という温泉施設があり、足湯は無料で利用できます。温泉併設駅も以前に比べると随分と増えましたね。
折り返しの列車で、今度は近永で降りてみました。
古い駅舎ではありませんが、委託で窓口も営業していて、なかなか風情が感じられる駅です。北宇和高校の最寄駅でもあるので、通学時間帯はたくさんの高校生で賑わうのでしょう。
駅周辺には古い家並みも残っていたりして、なかなかいい感じです。できればもっとあちこち散策してみたくなりますが、あまりの猛暑のため断念。やはりこの時期、いろいろと歩き回るには無理があるような。
そして目的の列車が到着。でもまだここからは乗れません。
しばしカブリツキからも車窓を堪能。実にのどかな眺めです。
実はこの列車、後ろに1両トロッコ車両が連結されていて、途中の十川から開放されます。なお、先月乗った客車改造のトロッコとは違い、今度は貨車を改造した元祖的存在のトロッコです。今回ここに来たのはこのトロッコに乗るのが目的です。
途中トンネルも多く、薄明かりだけのトロッコのスリルがたまりません。ひんやりとした風も心地良く、クーラーの効いた隣の一般車両よりも快適かもしれません。
そして車窓にはお約束の四万十川。高台から見下ろす形で何度も川を渡るため、右も左も川の流れを楽しめます。
トロッコ乗車可能区間は土佐大正までの13.4キロだけですが、清き四万十川の流れを十分に堪能でき、満足度は高いです。なお、この貨車改造の元祖トロッコの運転は今月末限りで終了となり、秋からは斬新なデザインによる新形のトロッコに生まれ変わります。
トロッコに乗れるのは土佐大正までなので、その土佐大正で降りてみました。ここを訪れるのはJRの全駅乗下車以来となるので、19年振りでしょうか。木材を使った駅舎の構造自体は当時のままですが、売店はシャッターが下ろされて閉鎖されたみたいで、全体的には随分と寂しくなった気がしてなりません。
駅前の道を10分も歩けば、川のほとりに出ることができます。猛暑であるがゆえ、川辺の散策は気分的にとても癒されます。
そして折り返しとなる宇和島行の列車を待って再び乗車。
今度も後方にさっきと同じ貨車改造のトロッコを併結。ここ土佐大正より開放となります。
さっきの便に比べると、倍くらいの乗車率となっていますが、まだ座席には比較的余裕があるみたいです。
そしてもう一度自然の風を受けながら四万十川の流れをしっかりと堪能。
四万十川名物の沈下橋から川に飛び込む子供達の姿も。気持ち良さそうですね。
ちなみにトロッコではない一般車両に乗っていたのは2人だけ。ということは、利用者の大半は観光客のようです。
下りのトロッコ開放区間は上りより少し長く、江川崎まで乗ることができます。その江川崎に到着。
江川崎は、つい先日日本の最高気温を記録したことで話題になりました。そして今日も凄まじい暑さです。
宇和島に戻って来ました。無蓋貨車を改造し、国鉄時代の1984年から運行が開始されたトロッコ列車の元祖的存在でしたが、今月末を以って引退することが決まっています。客車とは違う貨車独特の乗り心地を最後に堪能でき、わざわざ乗りに来た甲斐がありました。秋から登場する新形のトロッコも楽しみです。
今日はこの後、さらに松山方面へと戻り、伊予西条まで移動。
宇和島 9:38 → 10:24 松丸 11:18 → 11:28 近永12:08 → 13:21 土佐大正 15:30 → 17:44 宇和島 18:32 → 21:54 松山 21:56 → 2344 伊予西条
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