Updated: Tokyo  2013/09/05 07:50  |  New York  2013/09/04 18:50  |  London  2013/09/04 23:50
 

9月4日の米国マーケットサマリー:株は上昇、10年債は3日続落

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  9月4日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)


為替         スポット価格 前営業日
ユーロ/ドル        1.3212   1.3170
ドル/円             99.64    99.57
ユーロ/円          131.64   131.14


株                 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率
ダウ工業株30種       14,930.87     +96.91     +.7%
S&P500種           1,653.08     +13.31     +.8%
ナスダック総合指数    3,649.04     +36.43    +1.0%


債券          直近利回り 前営業日比
米国債2年物      .46%        +.05
米国債10年物     2.89%       +.04
米国債30年物     3.80%       +.01


商品 (中心限月)                     終値   前営業日比 変化率
COMEX金     (ドル/オンス)  1,390.00    -22.00   -1.56%
原油先物         (ドル/バレル)  107.26     -1.28    -1.18%

◎NY外為市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルがより高利回りな通貨に対して下落。中国の8月のサービス業指数が活動の拡大を示し、世界経済の回復兆候が強まったことが背景にある。

ドルは主要16通貨の過半数に対して下落。米連邦準備制度理事会(FRB)が4日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、経済は7月初めから8月遅くにかけて引き続き「緩慢ないしまずまず」のペースで拡大した。オーストラリア・ドルは3日続伸。ニュージーランド(NZ)ドルも上昇した。ブルームバーグ米ドル指数 は6営業日ぶりに低下した。

野村ホールディングスの外国為替ストラテジスト、チャールズ・サンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は電話取材で、「ドルが全般的に軟調だ」とし、「きょうの中国のサービス業統計は高リスク通貨にプラスとなり、商品価格の上昇につながる可能性がある。為替市場のセンチメントも若干リスクオンになりつつあるかもしれない」と続けた。

ニューヨーク時間3時27分現在、主要10通貨に対するドル相場を反映するブルームバーグ米ドル指数 は前日比0.3%下げて1033.32。過去5日間で1.1%上げていた。

ドルはユーロに対して0.3%安の1ユーロ=1.3207ドル。前日は7月22日以来の高値に上昇していた。対円ではこの日0.1%上昇し、1ドル=99円63銭。円は対ユーロで0.3%下げて1ユーロ=131円58銭。

◎米国株式市場

4日の米国株 は上昇。自動車関連株やテクノロジー株が特に上昇した。米上院外交委員会はこの日シリアへの限定的な軍事攻撃を認める決議案を可決した。また米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、経済は引き続き「緩慢ないしまずまず」のペースで拡大した。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値によると、S&P500種株価指数は前日比0.8%高の1653.08。ダウ工業株30種平均は96.91ドル(0.7%)上げて14930.87ドル。

GAMのポートフォリオマネジャー、アービン・ソー氏は、「資産運用者は現状に対してかなり強気に見ている」と述べ、「確かにシリアに関して深刻な問題はあるが、結局のところ成長は拡大していると言う見方だ」と続けた。

上院外行委が対シリア限定攻撃を承認した後、S&P500種は一時、上げ幅を縮小する場面もあった。

◎米国債市場

米国債市場では10年債相場が3日続落。米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると経済は7月初めから8月遅くにかけて引き続き「緩慢ないしまずまず」のペースで拡大した。これを受け、金融緩和の規模が今月に縮小されるとの見方が強まった。

ベージュブックでは、消費者は観光など旅行への支出を増やし、製造業は「緩慢なペース」で拡大したと記した。連邦公開市場委員会(FOMC)の会合は17-18日に開催される。6日発表の8月の雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びが加速すると予想されている。10年債のタームプレミアム(期間に伴う上乗せ利回り)は約2年ぶりの高水準となった。

BNPパリバの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏(ニューヨーク在勤)は「データは弱くもなく強くもない。超緩和政策は続かないと判断するには十分だ」と発言。「市場は短期的に非常に弱気だ。非農業部門雇用者数が強い内容になれば、9月の緩和縮小が確実になるだろう」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後3時5分現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.89%。一時は2.90%に上昇した。8月22日には2011年7月29日以来の高水準となる2.93%まで上げた。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格はこの日、9/32下げて96 20/32。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反落。2カ月ぶりの大幅安となった。シリアを軍事攻撃するという米国の方針にロシアが反対を表明したことを背景に、逃避資産としての買いが鈍った。

ロシアのプーチン大統領はアサド政権が化学兵器を使用した決定的な証拠があれば、シリアへの軍事攻撃を承認する国連決議案を支持する可能性は否定しないと明らかにした。米上院外交委員会はオバマ大統領が求めたシリアでの軍事行動を承認する決議案について、4日に採決する。

アーチャー・フィナンシャルのシニア市場ストラテジスト、アダム・クロフェンシュタイン氏(シカゴ在勤)は電話取材で、「ロシアの反対表明により金のプレミアムがやや低下している。米国が反発に直面することが次第に明確になっている」と指摘。米金融当局による緩和縮小の時期についても「不安が残っている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比1.6%安の1オンス=1390ドルで終了。中心限月としては7月5日以来の大幅下落となった。

◎NY原油先物

ニューヨーク原油先物相場は反落。限定的なシリアへの軍事介入の是非が米国で検討される中、2週間ぶりの大幅安となった。

米上院外交委員会はこの日、限定的な武力行使を承認する決議案を可決した。オバマ政権はシリアのアサド政権が住民への攻撃に化学兵器を使用したと主張しており、この日の採決はこれに基づくシリアへの報復へ向けた最初のハードルだった。

プレステージ・エコノミクス(テキサス州オースティン)のジェイソン・シェンカー社長は「米国のシリアへの関与が一段と限定されたものになるとの憶測と、紛争がこれ以上は大きく拡大しそうにないとの見方から、原油のプレミアムが縮小している」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前日比1.31ドル(1.21%)安の1バレル=107.23ドルで終了。8月20日以来の大幅安となった。

更新日時: 2013/09/05 05:34 JST

 
 
 
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