UPDATE 2-第2四半期の豪実質GDP、予想通り前期比+0.6% 前年比+2.6%は予想上回る
* 前年比プラス成長により、最後の景気後退から22年経過
* 鉱山投資が弱含む中、個人消費や企業支出はさえず
(内容を追加しました)
[シドニー 4日 ロイター] - オーストラリア統計局が発表した第2・四半期の
実質国内総生産(GDP)は、季節調整済みで前期比0.6%増、前年比2.6%増とな
った。
ロイターがまとめたアナリスト予想は前期比0.6%増、前年比2.5%増だった。
個人消費や政府支出が緩やかに上昇した。一方で、企業投資は盛り上がらないままと
なっている。
非常に軟調な数値になるとの恐れがあったものの、ほぼ市場予想通りとなったことを
受け、豪ドルは上昇した。
第1・四半期のGDPは0.6%増から0.5%増に下方修正された。
第2・四半期GDPを受け、オーストラリアは最後に景気後退を経験してから22年
経つことになったが、内容は依然としてさえず、企業支出や個人消費が鉱山投資に代わる
成長エンジンとなる気配はほとんど見られない。
豪中銀は先月、政策金利を過去最低となる2.5%に引き下げた。多くのアナリスト
らは、数カ月以内に再度の利下げに迫られそうだと考えている。
一方、金融市場では、世界経済、特に中国経済の先行きが一段と明るくなっているこ
となどから、追加緩和に対する期待は後退した。
<「正常」には届かず>
前年比2.6%増となった第2・四半期GDPは、その他の主要先進国の成長率を上
回っているものの、エコノミストらが「正常」とみなす3.25─3.5%には届いてい
ない。
6月までの12カ月間におけるGDPは1兆5100億豪ドル、国民1人当たりでみ
ると約6万5163豪ドル(5万9233米ドル)となり、米国民の1人当たりGDP5
万2712米ドルを上回る。
だが、個人消費や政府支出、在庫がそれぞれ小幅に寄与しただけであり、その他のセ
クターはほとんど横ばいだった。
特に失望を誘っているのは、住宅建設が成長に全く寄与しなかったことだ。住宅建設
が経済全体に占める割合はわずか5%にすぎないが、雇用や消費に対する波及効果は大き
く、通常の回復傾向にあれば2─3年にわたって成長率を1%ポイント以上押し上げるこ
とが可能だ。
第2・四半期の個人消費の伸びは0.4%にすぎず、過去10年間に見られた伸び率
の半分以下となった。一方で個人の貯蓄率は10.8%と高水準のままとなっている。
また、インフレ率が上昇する兆候は見られず、単位労働コストは前年比で下落した。
詳細は以下の通り。
(季節調整済み、%)
--- Q2 Q1 前年比
GDP +0.6 +0.5 +2.6
*豪GDPに関するグラフィックはこちらをクリックしてご覧下さい。
link.reuters.com/tyb96s
*豪企業投資に関するグラフィックはこちらをクリックしてご覧下さい。
link.reuters.com/cah58s
*豪小売売上高および消費に関するグラフィックはこちらをクリックしてご覧下さい
。
link.reuters.com/zew92t
*世界の主要政策金利に関するグラフィックはこちらをクリックしてご覧下さい。
link.reuters.com/xyb96s
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