「気」 とは何か ――――――――――――――― 人の身体の中には血液を流すための血管や、リンパ液を流すためのリンパ管、感覚を伝えるための神経などが、網の目のように張り巡らされています。これ等は「系」と呼ばれるものです。神経系、リンパ系という呼び名が一般的です。 これ等は実際に目で見て、確認することが出来るものです。しかしそうした見えるものとは別に、見ることも触ることも出来ないものが存在します。それが「気の体系」と言われるものです。通常は、経絡(けいらく)と呼ばれています。つまり「気」が流れる道筋のことです。その出入り口にあたるものが、「ツボ」です。 そのツボを刺激することにより、様々な病気を治療することが出来ます。針を用いて行うのが、「ハリ治療」です。ツボに細いハリを刺します。 また「外気功」と言われるものは、気功師が患者の気の体系に影響を与えることによって病気を治すものです。これは患部に直接手を触れなくても、治療することが可能です。手のひらをそこに向けるだけで、病気を治すことが出来ます。 現代科学は、この「気」というものの正体を解明することが出来ません。どれほど高性能の計測器を使っても、そこで起きている反応を捉えることが出来ないのです。ただしサーモグラフという身体の温度分布を測定する機械を使うと、「気」を発している気功師の手のひらが温かくなっていることがわかります。このことから「気」を、遠赤外線のようなものではないかと考える人もいます。しかし実際には、それだけでは説明のつかないことが起きているのです。 *** ○○○ **** ○○○ *** 少し前のことですが、『たけしの万物創世記』( <テレビ朝日> 1998/7/28(火)放送 )というテレビ番組で、この「ツボ」が取り扱われました。 この番組では、まず「ツボ治療」で実際に、どのような病気が治せるのかということで、いくつかの事例が紹介されました。 その中に、「逆子」を治すというものがありました。 産婦人科では、もし逆子が治らなければ、帝王切開になる場合が多いということです。そして、このツボ治療が取り入れられるようになったのは、ここ20年ほどのことだそうです。 ○ 両足の内側にお灸をすえて、逆子を治したというある主婦の証言。 「お腹の上が波を打って回転するという実感があった」 それによって、おなかの子供が、正常になった。 ○ この時のゲスト、女優の秋野暢子さんの証言。 実際に、ハリで逆子が治ったという。 「 逆子はうちの子は、あの、治ったんです。ツボで!」 「 あのね、ほんとにね、お腹の中で、ぐるんと動いた」 「 あっ。動いたと思って、あとで超音波でみたら、戻ってた!。」 「 これ、ほんと、びっくりした。あたし。!!」 この時は、残念ながら「逆子」が正常に戻る場面を、リアルタイムで見ることは出来ませんでした。それでも超音波の画像によって、胎児が正常に戻っていることは確認することが出来ました。 ( これより少し以前に、NHKでも同様のことをやっていました。こちらは母親の両足の小指の部分(至陰)にハリを刺して、藻草で温めるというものでした。やはり超音波映像を見ると、約20分ほどで胎児の位置が正常になっていました。) ・・・・・ 胎児は、羊水の中に浮かんでいます。外界とは、完全に隔てられているわけです。ですから水流のようなものが起きれば別ですが、物理的な力が直接、胎児に働くことは考えられません。従って、その胎児が、正常な状態に戻ったのは、胎児が自分で動いたからであると考えるのが妥当でしょう。つまり、刺激された母親の気の体系に同調して、胎児が自発的に回転運動を起こしたということです。このあたりに「気」というものの謎を解く鍵が隠されているように思うわけです。 ・・・・・ また、この番組からは「気」に関して、さらに次のような情報を得ることが出来ました。いずれも興味深い事例ですから、箇条書きにして紹介しておきます。 ○ ある女性は、ハリ治療で五十肩が治ったという。 医者からは、治るのに、二 〜 三年くらいかかると言われた。それが約三ヶ月で、充分に動くようになった。 ○ ツボの数は幾つあるか。 今から千年前の「銅人」という人形には、三百五十四個のツボの位置が示されている。しかも、その二千五百年も前に、すでにツボを用いた治療法が確立されていた。 ○ 昭和二十年、当時の占領軍GHQは、こうした医療行為の全面禁止を検討したという。 しかし、ニクソン大統領の訪日の時に、同行した記者が盲腸の治療跡が痛んで苦しんだ。ハリ治療により、その痛みが消えた。このことがあって以来、見直されるようになった。 ○ 1989年、WHO(世界保健機関)が、361箇所のツボを公認した。 ○ 心の病や、難病のエイズにも効果があるという報告がある。免疫力が高まるからだという。 ○ 卵巣ガンで、リンパにもすでに転移していた女性。 医者からはなす術がないので、命がある間、自宅で過ごすようにと言われた。 この女性は、内臓機能を高めるという背中の二つのツボと、身体のバランスを整える足のツボを刺激した。 その結果、以前にあった腫瘍が消えていると言われた。 **** ○○○ *** ○○○ *** ○○○○ *** 上に紹介した内容によって、「気」というものの概要を知ることが出来ました。実際に体験した人たちの証言から明らかになったのは、とにかく何かが、在るらしいということです。 そこで次の段階へと進むことにします。 次に紹介するのは、例のテレビ番組「アンビリバボー」(フジTV) <1998年、9/12> 放送分 からのものです。この回の「ミステリアス・アンビリバボー」では、「気功治療」というものが取り扱われました。 この時に登場した気功師は、戸嶋正喜さん(55歳 / 放送当時)という方です。以前に、他の番組でも見たことがある人です。けっこう有名な方です。この戸嶋正喜さんは気功治療によって、実際に医者でも治せないような難病を治すことが出来るということです。 以下に、その番組の内容を詳しく紹介しておきます。 * 戸嶋正喜さんが、そうした不思議な能力を獲得したのは、かつて自分自身が難病に罹り、それを自力で治した時からでした。 その説明。 「 戸嶋さんは、24歳の時に、膠原病を発病した。当時は、94パーセントが失明するという難病であった。現在でも、50パーセントは失明するという。 治療の甲斐もなく、左目を失明。右目の視力もほとんど無くなった。 戸嶋さんは、自らを鍛えるために、火の通った食べ物を口にすることを、一切やめた。そして十年後、38歳の時に、ふと気が付くと、彼の手は自然と気を発するようになっていたという。やがてその力が、次第に増していった。」 ビデオ映像。 戸嶋さんがある患者に気を当てると、その患者の体がひとりでに動き出した。 また次のような、いくつかの証言が紹介されました。 ○ 現在治療を受けている、ある女性の証言。 『ーー ホントに自然にですね。体が、勝手に動くんです』 ○ 難病のために片目を失明したが、両目を失明することは、かろうじて免れることが出来たというある男性の証言。 『ボクは、ここへ来てから、薬を飲む量も減りましたし、、もっと貧弱だったんですけど、運動も出来るようになりましたし、、、』 ○ 死の淵からの生還を果たしたという人。 慢性のC型肝炎と診断されたある女性の証言。 『 そのままいくと、肝硬変になって、肝臓ガンになる病気だと言われました。それが次の検査の時に、あの、、先生が、正常値にほぼ近いですっていわれて、、、これは、、入院は、いいですねって、、。うれしかったですね!』 < 驚異的な能力 > 戸嶋さんの場合は、相手の名前と生年月日が分かれば、どんなに離れた所にいる人にも気を送ることが出きるという。 * そこで遠隔気功の実験が行われた。 その実験は、戸嶋氏がいる大井町と、砧にあるTVスタジオとの間で行われた。約13キロの距離がある。 無作為に選んだ四人(男1、女3)の一般人と、タレントのユウスケ・サンタマリアさんの五人が、この実験の対象者となった。 戸嶋氏の手許には、五人の氏名、生年月日の書かれたメモが置かれている。 司会の板東 『 どういう現象が起こるんでしょうか、この五人には??』 戸嶋 『 徐々に揺れてきて、その本人の悪いところを、治そうとする動きがでるわけなんです』 戸嶋氏が、気を送り始める。 ○ まず、18歳の男性に変化が現れた。前屈みになって、倒れこむ。うつぶせに寝てしまう。次に、そのままの姿勢で、左足を高く上げた。 そのうちに、ブレイクダンスを踊るような動きになった。 ○ 21歳の女性は、体を後ろに反らせた。 この人の悪いところは、腰ですかとの問に対して、 戸嶋 『 腰痛ですね。間違いなく!』 ○ 34歳の女性は、右肩を下にして、寝たような状態で横になってしまう。 戸嶋 『 ーー 右側の、下にしているほうの血行が悪いから、寝てるんです』 ○ ユウスケさん。 『ーー ボクはね、、なぜか肩から背中にかけて、ぼーっと温かくなったような気がするんですけども・・・』 ユウスケさんが、それぞれの人に感想を聞いてみる。 ○ 仰向けになって、寝たまま腰に手を当てて、しきりに首を動かしている女性。 『ーー 首が、とまんないんです』 ○ 右肩を下にして、横になって寝ている状態の女性。 『 ぶるぶるふるえちゃうんです。自然に。』 『ーー 体が、言うことを聞かない』 『ーー 吸い付けられている感じです』 ○ ブレイクダンスを踊っている状態の男性。 君は、どこが悪いのかとの質問に対して、動き続けながら、、 『ーーー いちおう、腰が・・・・』 後で聞くと、腰がたまに痛くなるという。 ユウスケさんがそれぞれの背中を敲くと、ようやくみんなの動きが止まった。 しかし、戸嶋さんが気を送るのをやめなかったために、再びみんなが動き出してしまった。 実験が終わってからの感想。 ブレイクダンスの男性。 『 とりあえず、、、なんか、背筋が伸びた感じがしますね』 特異な動きではなかったが、立ったままふらふらと動いていた二十歳の女性。 『 やっているときは、風に吹かれていたような感じだった。今は、、、終わってからは、ふわふわしている感じ。気持ちいいです』 右肩を床に付けて、横になって寝ていた女性。 『 まだ、余韻が残ってる、、。気持ちいい、、。軽い感じです、、。あたたまっています。』 ***** ○ ○ ○ ○ ***** この戸嶋正喜さんの遠隔気功の実験は、後日、さらに長距離離での実験が行なわれました。 「アンビリバボー」(フジTV) <1998/10/15> 放送より。 この回は「木曜引っ越し記念」ということで、特番が組まれました。そして、以前に登場した、気功師の戸嶋正喜さん(55歳)が再度出演して、海外へ向けて気を送るという実験が行われました。いわゆる「遠隔気功」の第二弾です。標題には、なんと、“ 気は赤道を超えるのか ”というフレーズが付けられていました。 まず、このてのテレビ番組によく出演する、東京電機大学の町好雄教授の話が紹介されました。 『 気は、熱に近い電磁波の一種と考えられるが、、、。まだ、よく分かっていない』 ( もちろんお断りするまでもなく「気」は、電磁波ではありません。なぜなら「気」は、障害物によって遮られることがないからです。) まず、予備実験として、 司会役の佐藤藍子さんが立ったまま気を受けると、次第に身体が揺れ始めた。徐々に動きが大きくなる。そして、ゆっくりと手を左右に振り始めた。 そして最後には、ふらついて、床に倒れてしまった。 佐藤藍子さんの感想。 『 いやーっ。自分で、、、どういう動きをしているか、分かるんですよ。そこまでは、ならないだろうというのは、あったんですけど、、やってましたね。すごくね、、、、』 ○ ○ *** ○ ○ “ 気は赤道を超えるのか ” 実験開始。 戸嶋正喜さんは、スタジオの3Fにあるリハーサル室にいる。 まず手始めに、スタジオ内での実験が行われた。 ゲストの4人のほかに、会場の中から6人が選ばれた。前回、ブレイクダンス状態になった、小林君も選ばれる。 名前と生年月日をカードに書いて、三階の戸嶋正喜さんのところへ届ける。タレントは芸名でもかまわないという。 全員が、目をつぶって立っている。 戸嶋正喜さんが気を送り始める。 ○ 小林君がまず動く。前にかがみ込んだ状態になる。 ○ 吉田さんという女性が、揺れ始める。 ○ 野村佑香ちゃんも、左右に揺れ始める。 ○ 小林君は、背面ブリッジ状態になった。 ○ 所ジョージさんと江口洋介さんには、特に変化が現われない。 ○ 若い女性の右手が、少しずつ上がり始める。 ○ 佑香ちゃんが、首をまわしはじめる。 ○ 15分後に、所、江口が実験から外れる。 実験が終わってからもしばらくの間、小林君はブリッジ状態のままであった。 佑香ちゃんも、身体を回転させる運動が止まらない。 ○ ○ *** *** ○ ○ いよいよ超遠隔気功の実験が開始された。 これほどのものは、戸嶋氏自身も初めての試みであるという。 オーストラリア、シドニーのホテルの会議室に、5人の被験者がスタンバイしている。東京からは、8000キロの距離がある。 むこうにいる人たちには、戸嶋氏の姿は見えないという。 また参加者に、「気功」というものについての詳しい説明はしていない。 戸嶋氏の前に、5人の名前と、生年月日が書かれたカードが置かれる。( 名前はローマ字で書かれている) * 実験開始後に現れた変化。 ○ 開始から2分後。 ガブリエルさん(18歳) 『 後ろから、押されているような感じがする』 サリーさん(25歳) 左の手にギブスをしている。腕を捻って脱臼したという。(捻挫と思われる) 『 非常に、ギブスを取りたい気持ちになっている』 戸嶋 『取ってしまってよいという意味です。治っていくのに、じゃまだということです』 タニヤさん(33歳)の身体がゆれ始める 『 右から誰かに押されている感じがする』 ○ 開始から7分後。 サリーさんの手が自由に動き始めた。 通訳 『 ギブスが取れたような気がして、とっても気持ちいいと言っています』 『 今までは、手首が動かせなかった。自由に動かせて、きもちいい、と言っています』 ○ 終了後の談話。 ガブリエル 『まさかと思ったが、今は、信じるしかない』 サリー 『 信じられない。!!。立っているだけで、腕がどんどん楽になっていった。感動している』 ****** *** ****** 実験終了後、スタジオでの会話。 関根 『オーストラリアに行くということは、先生、、。ブラジルにも行くということですね』 戸嶋 『・・・・ ですね、、』 関根 『 南極も、大丈夫ですね』 戸嶋 『 ・・ そうですね』 そのまんま東 『たとえば、、宇宙でも、だいじょうぶですか?』 戸嶋 『それは・・ちょっと、分からないですけど・・』 所 『 宇宙で、誰がいるんだよ!。相手があっての話だろう。これは!!』 ○ 『 誕生日がね、、宇宙人は、。』 △ 『 いゃ、衛星に乗って、、』 □ 『 あっ!。人工衛星にね』 関根 『 ただ、大気圏を超えるということは、、これは、電磁波みたいなものですからね、、』 戸嶋『 空気が無かったら、、、どうなんでしょうね、、』 関根 『 あぁ、そうですよね』 一同 『 そうでしょうね』 **** ○○○ *** ○○○ *** ○○○○ *** さて、以上の興味深い実験結果を、なんとか合理的に理解するために、まず幾つかのポイントを押さえておく必要がありそうです。 その要点を箇条書きにすると、次のようなものになります。 (1)名前と生年月日だけで、国内では13キロ、海外では8000キロも離れたところにいる“本人”が特定できた。( 戸嶋氏と一面識も無い人が特定された。) (2)スタジオの中の戸嶋正喜さんが発した「気」が、その途中にある障害物や距離に関係なく届いた。( 鉄筋コンクリートの床や、壁を通過している。) (3)本人が、自分自身の悪いところを治すための動きをした。( 各人がバラバラの動きをした。) これ等に対して、なんとかもっともらしい理屈をつけて合理的に解釈するなら、およそ次のようになります。 (1)については、人の運勢占いなどでも、これと同様のことが起きます。易者や占い師や霊能者たちは、名前と生年月日だけで、その人の運勢を占うことが出来ます。従って、それと同じことが起きていることになります。 つまりこのことは、あちら側の世界には名前と生年月日さえ分かれば、その個人が特定できるメカニズムが存在するということです。要するに、その名前を持って、その年月日に生まれて来ることは、まさしくその人の運命であり、また宿命であるということです。それゆえに名前と生年月日だけで、本人が特定できるのです。 例のアガスティアの葉は、あちら側にあるそうした運命と宿命とを決めるメカニズムを応用して、逆の方向から本人の運命の書が探し出せるようにしてあるのです。従って、名前と生年月日と指紋で、目的の人物の葉のつづりを選び出すその過程にこそ、われわれの運命と宿命を決める謎が隠されていると考えられるわけです。 (2)については、「気」というものが、以前に紹介した「万有引力」によって伝えられていると考えれば、それなりに理解することができます。つまり万物(森羅万象)はリアルタイムでつながっているのであり、戸嶋正喜さんが発した「気」は、(1)で特定された人物に対して、直接的に作用したということです。 ですから「気」が伝わるのに三次元的な障害物は存在しないのであり、またどんなに離れていても、常にリアルタイムで伝わることになります。もっと直截に言うなら鉄板も、コンクリートの壁も無いに等しいということです。また時間の壁さえも超えて伝えられるということです。ですから、もちろん宇宙空間にも伝わるはずです。もし人工衛星の中で病人がでたら、戸嶋さんに治療を頼むとよいかも知れません。 (3)については、過去にグリセリンという物質に起きた事例が参考になります。 これは一部の人たちにはよく知られていることですが、ご存知のない方のために、その要点部分を紹介しておくことにします。 この「グリセリン」という物質はもともとは液体であり、かつては結晶化させることが出来ない物質だったということです。ところが、ある出来事を切っ掛けにして、それが可能になったのです。 その出来事というのは、1922年に、カリフォルニア州バークレーの大学で、グリセリンを固める実験をしていた時に起きたということです。ここに、ある本の中に紹介されている記事を、一部分引用させていただくことにします。 『 ーーー グリセリンを固める実験がある程度成功したとき、ふたりがふと部屋のなかを見渡すと、他の場所に置いてあったいくつもの容器のなかのグリセリンがなぜか突然、いっせいに固まりはじめたのである。 それらはなんの手も加えていないグリセリンだった。密閉された容器に入れてあったものまで、まるで部屋中のグリセリンが互いに呼びかけ合うかのように反応し、固まってしまった。』 (『ワンダーゾーン』 よみうりテレビワンダーゾーン「編」 青春出版社 ) ただし、この「グリセリンの結晶化」という現象に関しては、さらにその前の過程があったようです。 それについては、別の本から、次のような部分を紹介させていただきます。 『 ーーー 今から約二百五十年前、グリセリンが天然脂肪から初めて抽出されたころのことだ。ーー 略 ーー しかしそのときのグリセリンは今とは存在の仕方に違うところがあった。どこが違っていたのか? それは当時のグリセリンがけっして結晶にならなかった点である。ーー 略 ーー そのときのグリセリンはどんなことをしても結晶にはならなかった。ーー 略 ーー それでグリセリンの結晶体はないものと思われていたのである。 ところが19世紀に入ってまもなく、怪現象が起こった。一樽のグリセリンがウイーンの工場からロンドンに運ばれる途中のことだった。どうしても結晶にならなかったグリセリンが、樽の中で突然、結晶化したのである。ー 略 ー。 同じころ、カナダのブリティッシュコロンビア州にあるジャイアント・パウダー・カンパニーという化学会社の工場のグリセリンが結晶化していた。それを知ったカリフォルニア大学のG・E・ギブソンとW・F・ギアウケはその結晶を分けてもらった。ーー 略 ーー はたしてわけてもらった結晶を核として使うと、別途輸入した液体グリセリンは容易に結晶体になった。 不可解なことはそれから起こった。その科学会社の結晶が彼らの実験室に届いてから、それを結晶の核として使わなくても、液体グリセリンは容易に結晶化したのである。またその結晶が核として混じらないように細心の注意をはらっても、結果は同じだった。ところが、まもなくするうちに実験室にあったすべてのグリセリンは温度を変えるだけで自動的に結晶体になったのだ。そして今では世界中のグリセリンは十七度以下で結晶化するのである。』 ( 『なぜそれはおこるのか』( 喰代栄一著 サンマーク出版 ) 第一章 過去再現の法則 グリセリンはある日突然結晶化した! ) ( この記事の中で紹介されている「カリフォルニア大学のG・E・ギブソンとW・F・ギアウケ」という二人が、上に紹介した「1922年に、カリフォルニア州バークレーの大学で、グリセリンを固める実験をして」いた二人と同一人物なのかどうかは、残念ながら分かりません。) さて、以上の要点をまとめると、この「グリセリン」という物質は歴史上のある時点までは、一度も結晶化したことがなかった。しかしその時以後は、十七度C以下に「温度」を下げるという条件さえ満たせば、いつでも結晶化させることが出来るようになったということです。 ( ただし、現在市販されているグリセリンと称する物質は、冷凍室に入れても固まりません。おそらく何か細工されているのでしょう。) 上に紹介した事実関係から分かるように、「グリセリン」という物質に関しては、一部の結晶化したグリセリンが持っている「情報」が、他の離れた場所にある仲間のグリセリン対して自動的に伝えられたと考えることが出来ます。それによって密閉されている容器の中のグリセリンまでが、結晶化してしまったのです。つまり自分自身に生じた変化と同じ現象を、周囲にあるグリセリンに生じさせることによって、その対象物を結晶化させたのです。 従って、そこには「情報」の伝達と、何らかの「力」が介在していることになります。単に「情報」が伝えられるだけでは、相手の性質まで変化させることは出来ないでしょうから、やはり何らかの「力」の存在を認める必要性があります。 そして、この「情報」の伝達と、相手にも同様の質的な変化を生じさせる何らかの「力」の伝達が、「万有引力」というものを介して行われたと考えると、一見奇々怪々とも思えるこの出来事をうまく説明することが出来ます。ただしこの場合は「自分自身に生じた性質の変化」を、相手にそのまま伝える現象となって発生したことになります。それにより人がまったく手を触れていないグリセリンまでが、勝手に結晶化したのです。 ですからこれと同様に、気功師の戸嶋さんに生じた現象と同じことが、今回の実験に参加した人たちにも生じたと考えると、それなりに納得することが出来ます。つまり戸嶋さんの気の体系と同調することによって、その人自身の気の体系の中で異常のある部分を修正するための働きが、自動的に開始されたのです。被験者たちに、不可解な身体的な動きが生じたのはそのためです。 従って、その不可解な動きこそは、「万有引力」によって伝えられた戸嶋さんからのメッセージであるということです。また羊水の中に浮かんでいる胎児が正常に戻るのも、母親の気の体系に同調する動きをするためであるということです。 ちなみに人の身体の中には、中性脂肪としてグリセリンが大量に存在します。ですからグリセリン同士の共鳴現象によって、その情報が伝達されていると考えることも可能でしょう。 かつて超能力者のユリゲラーが初めて日本へ来た時に、全国各地で、様々な不思議な現象が起きました。スプーンを曲げた人や、止まっていた時計を動かした人がいました。これも原理的には同じです。つまり超能力というものは時空を超えて、人から人へと伝わるということです。要は、それに同調出来るか出来ないかなのです。女性や子供たちが簡単にスプーンを曲げるのは、気の体系同士での同調が起こりやすいからです。要するに、ここにも「情報」の伝達と、何らかの「力」とが介在しているのです。 *** *** ○ ○ *** *** 最初に申し上げましたように、「気」というものは、科学的に解明されていません。中にはそんなものは存在しないと言う人さえいます。しかし、現実に起きている現象を正確に捉えれば、無いというのは、決して科学的な考え方とは言えません。正確には、分からない何かがあるというべきなのです。 ですから現代科学では解明されないもの、それが「気」であるということです。なかなか厄介な代物です。 2001. 4.10. 店主記す |