岐阜県 富加町の “ポルターガイスト現象 ”
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   「ポルターガイスト(Poltergeists)現象」が発生。

   場所は、岐阜県 富加町(とみかちょう)。

   新築の町営住宅団地 高畑住宅。



  テレビ朝日のニュースステーションをはじめとするいくつかの番組から得た情報の内容を総合すると、およそ次のようなものになります。 以下は、そこの住民たちの証言をまとめたものです。

 ○ 食器が勝手に飛び出した。( お皿が横に飛ぶ )
    主婦が見ている前で、磁石式の開閉扉が勝手に開いて、中の食器が飛び出した。約2メートルの地点まで飛んだ。そうしたことが一度だけでなく、何回も起きた。
 ○ 磁器のお茶碗の一部が、四角くナイフで切り取ったように割れた。
 ○ 玄関のドアが開く音がした後で、下駄箱がひとりでにあいてしまう。そうしたことが何度も起きた。おちょくられているような気がした。
 ○ テレビのチャンネルが、勝手に変わる。
 ○ コンセントが差していないヘアドライアーから、熱風が出ていた。
 ○ シャワーが勝手に出ていた。気が付いて止めにいくと、水はとまっているが床は濡れていた。
 ○ のこぎり、金槌、階段を上る音などが聞こえた。
 ○ ある時、女の人をみた。ふと気がつくと消えていた。
 ○ 窓のカーテンが、ひとりでに開いた。しかも、一気に開くのではなく、四段階に分けて少しずつ開いた。それが住人が見ている眼の前で起きた。


  これらの怪現象は、昨年(1999年)の四月ころから始まった。(入居が三月でしたから、その直後から生じたことになる。)
  一時は、24世帯のうち、10世帯が避難する騒ぎになった。 

  2000年10月15日に祈祷師を呼んで、お祓いの祈祷をしてもらった。しかし、怪現象は、その後も続いた。
 テレビ局が設置したビデオにも、奇妙な音が録音されていた。

  祈祷料は、75000円掛かった。だが、その費用をどこで負担するかでもめている。
  住民は、建物の管理者である町の責任で、安心して住めるようにすべきだというが、町は、特定の宗教に対して公費を支出することは出来ないと言う。


  以上が、幾つかの番組で報じられた内容です。これはポルターガイスト現象とみるのが妥当でしょう。

  こうした現象には多くの場合、若い女性や子供たちが関係しているようです。その人たちが持っている何らかの能力と、その場所が持つ空間の特殊性とが相互に共鳴し合って引き起こされるのかもしれません。


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  その後に判明したのは、次のようなことです。幾つかの番組で報じられた内容を総合的に判断して整理したものです。

  この団地には、24戸が入っています。
  部屋番号と位置関係は次のようになります。

   四階   401  402  403   404   405   406
   三階   301  302  303   304   305   306
   二階   201  202  203   204   205   206
   一階  101  102  103   104  105   106


  それぞれのお宅で実際に起きた出来事を、少し詳しく紹介しておきます。

  404号室 ○○さんのお宅
  二〜三歳くらいの男の子と、一歳くらいの小さな女の子がいる。テレビで紹介された時、女の子は、お母さんがだっこしていた。
  この部屋では、まさにポルター・ガイスト現象の典型とも言うべき出来事が起きた。

  ○ マグネット式の食器戸棚のガラスが、ガタガタと音がして、突然、開いた。そして中から、お皿が何枚も飛び出した。約二メートルほど飛んだ。そうしたことが、一度だけでなく、何回も起きた。(4〜5回)
 
  飛び出して割れたお茶碗。 → 四角く切り取られたように割れている。破片の部分も、四角いままで残っている。
   (ある専門家の意見。床に落ちたお茶碗は、落ちた後で一度跳ね上がって、角度を変えて再度落ちた。それによって、二箇所にキズが入り、四角く割れた。)
  ○ 誰もいないのに、水道がいきなり出た。
  ○ 物音がひどい部屋がある。(ここに定点カメラを設置した。すると、バシッという金属音が録音された。)
  ○ 隣は空き室である。しかるにベランダで、隣室の人がバタンとドアを閉めるような大きな音が聞こえた。また、境にはめ込まれている板を、隣から叩くような音が聞こえた。
  ○ 一度、窓の外に白い影を見たことがある。昼間であった。12時くらい。男女の区別は分からない。胸から上の部分が見えた。
  ○ その他に、ミシミシ、パキン、パキンという音。キリキリキリと引っ掻くような音が聞こえた。


  405号室。 ○○さん(40歳)のお宅。
  祈祷の後、音がひどくなったという。

  ○ テレビ局がカメラを設置した。
    深夜の二時、怪音が発生。
    三時25分。人が鉄製の階段を登った時のような、或いは、物を強くたたくような音が5分間にわたって響き渡った。ベランダのところの音が特にひどい。
  ○ 天井から人が歩くような、ミシミシという音が聞こえた。天井を端から端へと通り抜けていった。
  ○ 夜中の二時頃、洗面所に置いてあったドライヤーから熱風が出ていた。スイッチが、ホットになっていた。あわててスイッチを切ろうとした。ところがふと気付くと、コンセントが差し込んでなかった。その状態で、熱風が出ていた。唖然とした。
   ( 科学的な調査が行われた。その結果、水道管が磁力を帯びていることが分かった。ただし微弱であるために、ドライヤーを動かすほどではないという。)
  ○ インタビュー中にも、窓の外で、ピシッという音が録音された。


  101号室。
  高畑住宅自治会長  ○○さん(69歳)のお宅

  ○ 引っ越してきたその日の晩から、不可解な現象が起きた。バシッという音は四月から。酔っ払っていても目が覚めた。
  ○ ふと、カーテンが開く音がした。見ていたら、カーテンが少しずつ開いて行った。一気に開くのではなくて、小刻みに四回にわたって、少しずつ開いた。それが二回あった。


  * 地元の人の話では、三十年くらい前にこの場所で自殺した女性がいるという。
  * その後、音の被害は、305号室に移動した。
     不可解な音が移動した経緯は、次の通り。
    当初は、101から401の縦系列の部屋で、その現象が激しかった。
    その後、404号室と405号室の中間くらいの場所に移動した。
    そして現在は、その下の階の305号室に移動した。(その部屋の住人は、夜も寝られない状態であるという。その代わりに、他のお宅は、かなり静かになった。)


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  さらに、その後の変化。

  12月5日、フジテレビで「火曜ワイドスペシャル 緊急特番−−云々」という番組が放送されました。
  この中で、岐阜県 富加町(とみかちょう)高畑住宅で起きているポルターガイスト(Poltergeists)現象が取り扱われました。
  放送された内容からすると、どうやらここで起きていた怪現象は、ほとんど沈静化したようです。

  この番組の企画として、11月の下旬に、宮城県、妙見寺の 風間円静住職を招いて、鎮魂供養を行ったということです。この和尚は、厳しい荒行を行って、優れた法力を持つ高僧であるということです。
  その結果、その日の深夜の録画映像では、怪音は聞かれなかったそうです。また、一週間後に、その効果を確かめに行ったところ、完全ではないものの、ほとんど沈静化したという意見が大半だったようです。

  田中自治会長
    「ーーー ほとんど収まったのではないかと思うけど、。ーーーー (住民の)顔を見ると、明るくなったので、、−−− ま、私としても、やれやれ  と、、。」
  若い主婦
    「完全ではないが、−−− 残り、10パーセントくらい、ーーー」
  別の若い主婦
    「あのあとは、うちは静かになって、何一つ変わったこともなくなって、音とかも、ほとんど気にならなくなった。」

  ということで、まずはめでたし、めでたし。一件落着ということになったようです。その他大勢の野次馬の一人としては、ちょっと残念な気もしますが、実際にここに住んでおられる住民の皆さんにとっては、よい結果です。



  またこの番組の中で、海外で起きたポルター・ガイスト現象が紹介されました。

 ○ 1965年 スランジア
    ある一家では、家中の家具が宙を舞った。現場を撮影したフィルムには、そのすさまじい状況が映し出されていました。家の中が完全に破壊されていました。

  その家の若い主婦、Marcia Howellさんが、泣きながら証言。
  「 私が台所を出て、ドアを開けたら、ビンが飛んできた。
   まっすぐ家の中に入ったんです。すると部屋の中はめちゃくちゃ。椅子もテレビも、みんな真ん中の部屋に投げ込まれていた。
  二階の寝室へ行ったら、子供のベッドが、私達のベッドの下になっていた。中にいたら死んでいた。
   警察も、部屋の中に入るのに、寝室を壊して入った。彼等は何の説明もしてくれなかった。人間の仕業じゃないから。
   どうやったら、二階の寝室の一部を、台所に下ろせるの?。 」

 ○ 1955年 フランス。
     台所で起きたポルター・ガイスト現象が、写真に撮影された。
     フタ付きの寸胴なべが、宙に浮かんでいる。

 ○ 1981年、 グーデバウス アボット通り
    最初は、店の略奪と間違われたという。なるほど、すさまじい散乱振りである。何もかもが破壊され尽くしている。

  ただし、1979年、イギリスのケンブリッジで起きた事件は、あとで住宅街の地下を走る排気バルブの故障によるものであることが判明した。

  これ等の海外で起きた事例で分かることは、この現象は我々が知る物理法則を、完全に超越しているということです。物体が、瞬間移動したとしか考えられない現象が起きています。富加町の事件は、まだまだおとなしい方の部類に入るでしょう。


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  ところで、今回の映像はプライバシー保護の観点から、すべての住民の顔が修正されて隠されていました。そのために、どの人が何号室の人なのか、まったく分かりませんでした。
  その中に、「四階の Eさん」と紹介されたお宅がありました。そして、なんでもこちらのお宅の子が、幽霊と会話をするということでした。

  その子のお母さんの証言。
   「 おもちゃでもいつも友達がいると、分けるんですけど、、、、。弟に、としちゃんの、おじちゃんの、ぼくの。としちゃんの、おじちゃんの、ぼくのって分けて、、、。おじちゃんもやってみてとか、、言っているから、、、、。ちょっと横にきて、おじちゃんいるのってきくと、、、そこにいるから寄れないよって、、。ママあっちへいっててって、、、。」

  また、このお母さん自身も、幽霊を目撃しています。女の幽霊です。しかも、イメージなどではなくて、「はっきりと見た」と断言していました。それに基づいて、似顔絵が作成されました。


  これはこうした現象には、多くの場合若い女性や、小さな子供達が関係しているという過去の事例と結びつきます。
 ただし、幽霊が見えるという人は、この他にもたくさんいらっしゃいます。他の番組で、次のような方々が紹介されました。

  ○ ある番組で、「ヘンなおじさん」が見えるという男の子が紹介されました。
  突然、「ヘンなおじさん」がいると男の子が言いました。2〜3歳のお子さんです。その男の子は、茶髪の若いお母さんにだっこされいました。(やや太目のお母さん。)
  母親に、どこにいるのかと聞かれて、その男の子は、
   「そこ、」と指をさしました。
  しかし、そのおじさんの姿は、他の人には見えませんでした。カメラもその方向を追いましたが、何も映し出せませんでした。

  ○ 子供をおんぶしたお母さんの証言。(やや太目の女性。上に紹介した女性と同一人物かと思われる)
    「(子供が)おじさんがママのうしろにいるよっていうから、どこにって聞いたら、ママのうしろって、窓を指すんですよ。」

  ○ 階段のところに、見知らぬ女性が座っていたという一件。
    若いお母さんの証言。
    「子供に、さっきここに誰かいたねって聞いたら、“ おばちゃん ”って言うんです。こどもが、、、。私も、おばちゃんを見ているんです。」
    「そして、三日後なんですけど、またおんなじおばちゃんが、ここにすわっていたんです。」


  調査の結果では、ここに住んでいる24世帯のうち、六世帯の住人が実際に、幽霊を目撃しているということでした。25パーセントです。親子で見ている場合はこの数字に含まれていませんから、さらに高い割合で見ていることになります。
 これは少々“ 見える人 ”の割合が高すぎます。普通は、数パーセント程度ではないでしょうか。これはたまたま霊感の強い人がそれだけ集まってしまったと考えるよりは、普段は見えない人が、見えるようになったと考えるのが妥当でしょう。つまり、この場所に何らかの原因があるということです。

 いずれにしてもこの人たちには実際に、幽霊が見えていたようです。そして、その記憶をもとにして似顔絵が作成されました。しかしそれらはバラバラで、いずれも共通するものは無かったようです。
  ただし幽霊さんも亡霊さんも、この三次元世界の住人たちではありません。それが見えるということは、彼等は、次元の壁を超える能力を持っているということです。従って、実際に起きた様ざまな不可解な現象も、そのことと無関係ではなかろうということになります。
 ですから、この場所が持つ何らかの特性と、強い霊感体質の女性、或いは子供達との共鳴現象によって、様ざまな不可解な現象が引き起こされたと考えられるわけです。


  ところで、海外で起きた事例と冨加町の事例で共通していることは、どちらも物体(物質)が三次元的な物理的境界を超えて移動しているという点です。
  スランジアで起きた事例では、家具が床や壁を通り抜けて移動しています。存在するはずの物理的な障壁が、消え去ってしまったかのようです。
  冨加町で起きた水道の水やシャワーが勝手に出ていたのも、同様の原理で説明することが可能です。水の流れを遮る水栓弁が、存在しない状態になったからです。またコンセントが外れていれば本来、電気は流れないはずですが、その絶縁空間が消えてしまったことによってドライヤーからは熱風が吹き出たのです。
  ですから、もしその時点で水道のメーターを確認していたら、メーターはおそらく動いていたでしょう。また電気のメーターもドライヤーの使用分だけ動いていたものと思われます。今となっては、確かめようがないのが残念です。

  もちろんこれだけでは、全ての出来事を説明することは出来ません。しかし、幾つかの現象については、それで納得することができるでしょう。また様ざまな怪音も、どこかの発生源と空間を隔ててつながっていると考えれば、決して怪しい音ではなくなります。ある番組では、そのお宅にいない筈の赤ちゃんの泣き声が録音されました。しかしそれは、どこかに実在する赤ちゃんの声であったということになります。
  ただし、なぜ、そうしたことが起きるのかという肝心な点は分かりません。これに関しても、ぜひ遠くない将来に原因が解明されることを願う次第です。



                             2000. 12. 29.        店主記す





 



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