アジア・太平洋株式サマリー:中国・印株上昇、香港株は反落
9月4日(ブルームバーグ):アジア・オセアニア各株式市場の動きは以下の通り。
【香港株式市況】
香港株式 相場は下落。ハンセン指数が5営業日ぶりに反落した。シリアに対する米国の軍事攻撃の可能性が高まっていることが背景。中国2位の銀行、中国建設銀行が安い。バンク・オブ・アメリカ(BOA)が保有する建設銀株の売却で合意したことが嫌気された。
中国建設銀行 (939 HK)は1.4%安。自動車向けガラスメーカーの信義玻璃(信義ガラス、868 HK)は、新株発行計画 を受け5.9%安。一方、中国本土で2位の産金会社、招金鉱業(1818 HK)を中心に資源株が上昇。中東情勢の混乱で逃避資産としての金の需要が強まり、前日の金相場が上昇したことが材料視された。
ハンセン指数 は前日比68.36ポイント(0.3%)安の22326.22で終了。ハンセン中国企業株(H株)指数は同0.2%安の10233.03で引けた。
コンボイ・アセット・マネジメントの香港在勤シニア投資ストラテセドリック・マ氏は、「シリア情勢は長期戦にはならないだろうが、ボラティリティは高まる可能性がある」と指摘。「相場はこの数日間好調に推移しており、それが投資家の利益確定の理由となっている」と述べた。
【中国株式市況】
中国株式相場で、上海総合指数は上昇。資源株や港湾株が買われた。一方、医薬品株やテクノロジー株は値下がりした。
上海国際港務(集団、600018 CH)は10%高。国務院が先月22日に上海市の自由貿易区計画を承認して以降、同社株は95%値上がりしている。広晟有色金属(600259 CH)などレアアース株も上げた。
ソフトウエアメーカーの用友軟件(600588 CH)を中心にテクノロジー株は下落 。医薬品メーカーの康美薬業(600518 CH)は1.9%下げた。
上海証券取引所の人民元建てA株と外貨建てB株の両方に連動する上海総合指数 は、前日比4.51ポイント(0.2%)高の2127.62で終了。上海、深圳両証取のA株に連動するCSI300指数は同0.2%安の2350.70。
江海証券の徐聖鈞アナリスト(上海在勤)は「経済指標に問題がないと見えるため、リスクは低下している」と指摘。「きょうの市場は昨日の上げを消化しているため大きく動いていないが、センチメントは依然として明るい」と述べた。
【インド株式市況】
インド株式 相場は上昇。通貨ルピーが反発したほか、対外借り入れ規制をインド準備銀行(中央銀行)が緩和したことが手掛かり。
世界最大の製油所を所有するリライアンス ・インダストリーズは2.2%上昇。前日は約4年ぶり大幅安だった。アルミ生産のヒンダルコ ・インダストリーズは4%上昇。ICICI銀行は9カ月ぶりの大幅高。ルピー相場は下げていたものの、インド中銀がドル売り・ルピー買いの介入を行ったとの観測で反発し1%高となった。
ムンバイ市場でS&Pセンセックス指数 は前日比332.89ポイント(1.8%)高の18567.55で終了。中銀の声明によると、国内企業は国外の株主からの資金借り入れが可能となる。国際通貨基金(IMF)でチーフエコノミストを務めた経験があり、インド中銀総裁にこの日就任するラグラム・ラジャン氏は取引終了後にムンバイで記者会見する。
IDBIフェデラル・ライフ・インシュアランスのアニーシュ・スリバスタバ最高投資責任者(CIO)は電話インタビューで、ラジャン新総裁が「通貨問題を解決する新たな方策」を提案するとの期待が市場にあると指摘し、「国際的な評価とIMFでの経験から、海外投資家が新総裁に寄せる信頼は特に厚い」と語った。
【オーストラリア株式市況】
S&P/ASX200指数は前日比34.93ポイント(0.7%)安の5161.64。
【韓国株式市況】
韓国総合株価指数は前日比0.71ポイント安の1933.03。
【台湾株式市況】
加権指数は前日比4.93ポイント(0.1%)安の8083.44。
更新日時: 2013/09/04 21:11 JST