外国人の資金流入でウォンが逆行高

■急激なウォン高なし

 為替当局は今後、ウォンが安定した形で上昇するとみている。韓国政府関係者は「新興国から引き揚げられた投資資金が韓国に流入する動きが、過去1-2週間で強まった。外部に大きな衝撃材料がなければ、ウォンだけが上昇する動きは続くのではないか」と指摘した。LG経済研究院も「1997年、2008年に続き、新興国では3回目の金融危機が起きる兆しが見えるが、韓国は明らかに差別化ができている。ウォンが他の新興国通貨と異なる評価を受ける機会になる」と予想した。

 一部にはウォン高を楽観ばかりしてはいられないとの見方もある。国際金融センターの金翊柱(キム・イクチュ)院長は「インド、インドネシアなど実体経済の基盤が弱い新興国から引き揚げられた資金が韓国に流入し、ウォン高が進んでいる。資金が流入し過ぎると、有事の際に為替相場の変動性が高まる可能性があり、注意が必要だ」と警告した。

 ただ、ウォン高が急激に進む可能性は低いという見方は、市場と為替当局に共通している。為替当局者は「量的緩和縮小という大きな悪材料が潜んでおり、韓国もその影響から完全に逃れることは難しい。まだウォン高を心配する段階ではない」と述べた。ドイツ銀行のチェ・ギョンジン専務は「ウォンは新興国の通貨に比べ優位にあるが、安全資産と見なされているわけではない。量的緩和縮小による実際の影響をもう少し見守る必要がある」と慎重な見方だ。

キム・テグン記者
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