外国人の資金流入でウォンが逆行高

 米国が量的緩和を早期縮小する方針を示し、新興国の通貨が一斉に下落する中、韓国ウォンは逆行高の傾向を示している。

 3日のソウル外国為替市場のウォン相場は、前日比2.60ウォンのウォン高ドル安となる1ドル=1097.90ウォンで引けた。1100ウォンを超えるウォン高は、今年5月9日(1090ウォン)以来約4カ月ぶりとなる。韓国の経常収支が1年6カ月連続で黒字となっていることに加え、他の新興国に比べ、政府財政が健全で、過去に2回の通貨危機を克服している点などから外国人投資家の韓国に対する見方が変わり、先週末を契機に投資家心理がウォン安からウォン高に変わったとみられる。

■悪材料の中でウォン高進行

 今年6月に米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和縮小に初めて言及して以降、ウォンは3日までに4%上昇した。1日の平均変動幅は0.4%で、ブラジルレアルやインドルピーの半分にすぎず、日本円(0.6%)よりも小さかった。米国の量的緩和縮小は、明らかに新興国には悪材料となるが、ウォンは逆行高を示した格好だ。

 最近ウォンは変動幅が縮小しながら、じわじわと上昇している。外部の不安要因ですぐにウォン安が進行した過去のパターンとは好対照だ。

 為替当局関係者は「外国人の株式投資資金が直近の1週間で約1兆6000億ウォン(約1440億円)流入しているほか、これまでドル高を予想していた外国人投資家が、先週末からドル売りに転じた。シリアの政情不安や量的緩和縮小の急な実施といったショックさえなければ、ウォン高傾向は当面続くのではないか」と述べた。

 国際金融センターによると、クレディ・スイス、バークレイズ・キャピタルなど外資系投資銀行は、量的緩和縮小が予想される9月にも、韓国株が新興国の株式とは異なる動きを示すとみている。現代先物のイ・デホ研究員は「外国人は株式市場で8日連続買い越しを記録するなど、韓国の金融資産に対する投資価値を認めたのではないか」と指摘した。

 ウォン相場の動きは、他の新興国通貨と好対照だ。インドルピー(10.6%安)、マレーシアリンギ(3.1%安)、ブラジルレアル(7.5%安)など、新興国通貨は米国が量的緩和縮小を示唆して以降、大幅に下落している。

 年初に急激に下落し、韓国を緊張させた円相場の動向はどうか。国際金融市場では7月以降、安全資産に資金が流れ、日本政府が意図していた1ドル=100円を超える円安政策は成否が不透明だ。最近2カ月、円は95-100円、平均98円前後で騰落を繰り返している。

キム・テグン記者
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