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放射線と除染_22~吸着 [医学~臨床]

今日はブログのアップが遅くなってしまいました。
今の職場では、冬の寒い間は大きな治療が少ない傾向があり
(こども達の体調面への配慮から、ご家族も医療側も大きな治療を控えたがるため・・)
春になると突然忙しくなる錯覚に陥ります(^^;
またWeeklyのルーチンワークに加えて、被災地への派遣に関係する業務も加わり
ここ2日間は、純粋に本業に追われています(><)

さて、ここからが今日の勉強です。
放射性核種を体内に取り込んでしまった(=内部被曝が起こった)時に、
体内から放射性核種を除去する方法をながらく勉強しています。
http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2011-03-18 から

希釈法・錯体生成法などに続き
今日からは吸着による除去方法を勉強します。
主な情報ソースは、この本です。

人体内放射能の除去技術―挙動と除染のメカニズム (KS理工学専門書)

人体内放射能の除去技術―挙動と除染のメカニズム (KS理工学専門書)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1995/12/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


吸着は、水の濾過や脱臭などにも用いられている身近な化学物質除去方法です。
冷蔵庫の脱臭に活性炭が使われていたりしていますよね。

木炭や活性炭などに代表される吸着体は、細かい孔がたくさん開いているために
細孔構造・表面積増加・表面酸化物などの複雑な吸着特性をもち、
化学物質を除去する効果を発揮しています。

放射性核種にも、吸着現象が認められるため
放射性核種の摂取後早い時期であれば
元素の種類を問わず、かなりの除去効果が期待できるとされています。

チェルノブイリの原発事故でも、活性炭SCNが適用され
たくさんの体内に摂取された放射性核種除去に効果があったそうです。
ただし、その除去効果の詳細は、以前不明のままなようです。

確か、ACLS-EPコースで薬物中毒について勉強した時にも
「摂取後時間が経ってしまうと活性炭での薬物除去は期待できない」と習いましたが
逆に言えば「摂取後早期なら活性炭も有効だろう」という事なのでしょう。
(実際の臨床でも、摂取後1時間以内なら積極的に活性炭を
消化管に注入する処置をやっていましたし・・・)

放射性核種の除去に使われる吸着体は
イオン交換樹脂や天然無機イオン交換体、合成無機イオン交換体などのイオン交換体のほか
沈殿試薬なども研究されているようです。

この本には、放射性セシウムと放射性ストロンチウムについて
吸着による除去の記載がありますので、明日以降はこれを勉強していきたいと思います。



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