放射線と除染_21~錯体でのプルトニウム除去 [医学~臨床]
内部被曝が起こった時に、体内からの放射性核種除去法のうち
「錯体生成」を用いた方法を勉強しています。
http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12 から
これまでに実験で使われる、沢山のキレート剤を紹介しましたが、
選択性・排泄の速さ・消失速度・安全性・投与の簡便さなどのハードルから
臨床応用されているものは少ないようです。
適用される場合にも、医療・除染施設が整った施設で、医師と保健物理専門家の
綿密・厳重な管理・協力が必須となります。
除去効果と毒性とを検討された結果、現在ヒトへの適応を最も期待できるキレート剤は
[DTPA]だとされています。
アメリカやフランスでは緊急医療での治験薬として許可されているそうです。
DTPAのカルシウム塩、亜鉛塩が準備されています。
成人に対するDTPAの投与量は
1日あたり1g (30μ mol / kg)で、ほぼ安全な量といえるそうです。
実際にはヒトへ投与する際は、初期は0.25~0.5gをゆっくりと静脈内に投与し
徐々に投与量を増加する方法がとられています。
アメリカでは、ある事故で、静注・経口などで日量1g以上の投与が行われたそうですが、
摂取した239 Pu や放射性アメリシウム(241 Am)の80%近くの除去率を認めたそうです。
また、マウスの実験ではありますが、DTPAのカルシウム塩を投与する事で
プルトニウム曝露後に起こる骨肉腫の発ガン率低下や寿命短縮緩和など
プルトニウム除去効果が認められたそうです。
これらDTPA塩投与での除去効果を上げるポイントは
放射性核種の体内摂取から、DTPA投与までの時間を短縮する事です。
血中にプルトニウムがあるうちにDTPAと結合させてしまうのが目的です。
また、投与経路としては
静脈注射にはカルシウム塩のほうが、経口投与には亜鉛塩のほうが毒性が低いようです。
(実際には、曝露事故直後の数日はカルシウム塩1g/日以下の静注を行い
以後は亜鉛塩の経口投与となるようです)
胎児毒性の観点で見ると、カルシウム塩の毒性が強いそうです(16倍)。
ただし、催奇形性があるので妊娠や妊娠の可能性がある女性には投与はできません。
亜鉛塩では低カルシウム血症を回する血圧上昇や心不全を起こす可能性が高いので
投与する際に特別な注意が必要となります。
「錯体生成」を用いた方法を勉強しています。
http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12 から
これまでに実験で使われる、沢山のキレート剤を紹介しましたが、
選択性・排泄の速さ・消失速度・安全性・投与の簡便さなどのハードルから
臨床応用されているものは少ないようです。
適用される場合にも、医療・除染施設が整った施設で、医師と保健物理専門家の
綿密・厳重な管理・協力が必須となります。
除去効果と毒性とを検討された結果、現在ヒトへの適応を最も期待できるキレート剤は
[DTPA]だとされています。
アメリカやフランスでは緊急医療での治験薬として許可されているそうです。
DTPAのカルシウム塩、亜鉛塩が準備されています。
成人に対するDTPAの投与量は
1日あたり1g (30μ mol / kg)で、ほぼ安全な量といえるそうです。
実際にはヒトへ投与する際は、初期は0.25~0.5gをゆっくりと静脈内に投与し
徐々に投与量を増加する方法がとられています。
アメリカでは、ある事故で、静注・経口などで日量1g以上の投与が行われたそうですが、
摂取した239 Pu や放射性アメリシウム(241 Am)の80%近くの除去率を認めたそうです。
また、マウスの実験ではありますが、DTPAのカルシウム塩を投与する事で
プルトニウム曝露後に起こる骨肉腫の発ガン率低下や寿命短縮緩和など
プルトニウム除去効果が認められたそうです。
これらDTPA塩投与での除去効果を上げるポイントは
放射性核種の体内摂取から、DTPA投与までの時間を短縮する事です。
血中にプルトニウムがあるうちにDTPAと結合させてしまうのが目的です。
また、投与経路としては
静脈注射にはカルシウム塩のほうが、経口投与には亜鉛塩のほうが毒性が低いようです。
(実際には、曝露事故直後の数日はカルシウム塩1g/日以下の静注を行い
以後は亜鉛塩の経口投与となるようです)
胎児毒性の観点で見ると、カルシウム塩の毒性が強いそうです(16倍)。
ただし、催奇形性があるので妊娠や妊娠の可能性がある女性には投与はできません。
亜鉛塩では低カルシウム血症を回する血圧上昇や心不全を起こす可能性が高いので
投与する際に特別な注意が必要となります。
コメント 0