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放射線と除染_16~マンガンの希釈 [医学~臨床]

体内に入ってしまった(内部被曝した)放射性核種を
体外へ除去する方法のうち、「希釈」について勉強しています。

今日は、放射性マンガンの希釈です。
マンガンの体内動態についても、以前勉強しました。
http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2011-04-01

体内動態の記事では、マンガン・亜鉛・コバルトをまとめて勉強しましたが
ボリューム大になってしまったので、希釈法については小出しにします(^^;
もったいぶっている訳ではなく、私の勉強メモを兼ねているブログなので
検索しやすい様に・・という目的です。ご容赦下さいm(__)m

今回も情報ソースはこちらの本です。

人体内放射能の除去技術―挙動と除染のメカニズム (KS理工学専門書)

人体内放射能の除去技術―挙動と除染のメカニズム (KS理工学専門書)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1995/12/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



マンガンは比較的体外に排泄されやすく、特に何も処置を行わなくとも
体内に取り込まれた放射性マンガンの30%が4日、70%が40日で排泄されます。
組織への蓄積率も低く、
高マンガン食を与えている期間には肝臓や腎臓にマンガンが蓄積するものの
食事内のマンガン量をへらすと速やかに正常値に回復する事が分かっています。

そのためか、体内放射性マンガンの希釈についての研究も多くはないようです。
少ないながらも、いくつかが紹介されています。

マウスで、高マンガン食を与えて 54 Mn の残留率を測定すると
54 Mn の排泄はマンガン濃度が高い方が排泄率が高かったようです。

経口以外の方法で安定マンガンを投与することも
放射性マンガンの除去効果は高い事が分かっています。

54 Mn に曝露させた48時間後に塩化マンガンを腹腔内投与したマウスでは
投与後すみやかに54 Mn の残留率は低下し、塩化マンガンの濃度に依存したそうです。

マンガン剤を服用・投与すると、放射性マンガンの除去に有効と考えられますが
副作用である鉄の吸収阻害やパーキンソン症候群・神経障害の危険が高く
慎重に投与量や投与機関を検討する必要があります。

また、安定マンガン剤による放射性マンガン除去効果は
放射性マンガン摂取後早期に投与するほど効果が高い特徴がありますが
曝露後一定期間(マウスで14日後)を経ていても、放射性マンガンの体内量半減を認めています。
ただし、すでに骨や脳に取り込まれてしまった場合には、
安定マンガン剤投与による放射性マンガン除去は難しいようです。

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