放射線と除染_7~ストロンチウム [医学~臨床]
放射線と除染の本を中心に、
まずは放射性物質の体内動態について勉強しています。
http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2011-03-18 から
今日は、ストロンチウム(原子番号38)についてです。
この本によると、ストロンチウムは核分裂生成物の中で最も危険な核種の一つだそうです。
セシウム http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2011-03-25
に比べると、原発事故などの際に放出される量は少ない様です。
ストロンチウムは、周期表でアルカリ土類金属(2A族)に属します。
アルカリ土類金属には他に、マグネシウムMg, カルシウムCa, バリウムBaなどがあります。
天然には4種類のストロンチウム(Sr)があり、16種類の放射性同位体が存在し
その他にもたくさんの同位体があります。(Wikipediaの情報から)
放射性同位体の中でも90 Sr が重要で、半減期は28.8年と長いです。
90 Sr はベータ崩壊を経て、イットリウム(90 Y)に変わりますが、
体内に長く留まり、長くベータ線の内部被曝を引き起こす危険性があります。
物理的・科学的性質は、同じアルカリ土類金属で骨の主成分であるCaと似ています。
つまり、骨に吸収されてなかなか排泄されない性質を持ちます。
投与後吸収は速く、ラットでは皮下注後6時間で70~80%が骨に沈着したとのこと。
経口的に摂取されたストロンチウムは、15~45%が消化管から吸収されます。
絶食、ミルクやビタミンDと一緒に摂取した場合、
低カルシウム、低マグネシウム、低リンの時にも吸収率が高くなります。
また、吸収率には年齢依存性があり、骨形成が活発な乳幼児では
より多くのストロンチウムを取り込む危険性があります。
加えて、残留率も若いほど高い事が動物実験で証明されています。
これらのように、条件による吸収効率の増減はあるものの、
ICRPによると、ストロンチウムの消化管吸収率30%と仮定して線量計算が行われます。
胎児への移行も、時期依存的に変化し、
胎児のカルシウム貯蓄(骨形成)が盛んな妊娠後期には
母体が摂取したストロンチウムが胎盤を通して胎児へ移行しやすいとされています。
褐藻類(ワカメ・コンブ・ヒジキ・モズクなど)はアルギン酸を多く含み、
ストロンチウムを吸収しやすい性質があるため、
体内のストロンチウム除去に有効と考えられていますし、
キチン・キトサンにもストロンチウム除去作用があります。
まずは放射性物質の体内動態について勉強しています。
http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2011-03-18 から
今日は、ストロンチウム(原子番号38)についてです。
この本によると、ストロンチウムは核分裂生成物の中で最も危険な核種の一つだそうです。
セシウム http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2011-03-25
に比べると、原発事故などの際に放出される量は少ない様です。
ストロンチウムは、周期表でアルカリ土類金属(2A族)に属します。
アルカリ土類金属には他に、マグネシウムMg, カルシウムCa, バリウムBaなどがあります。
天然には4種類のストロンチウム(Sr)があり、16種類の放射性同位体が存在し
その他にもたくさんの同位体があります。(Wikipediaの情報から)
放射性同位体の中でも90 Sr が重要で、半減期は28.8年と長いです。
90 Sr はベータ崩壊を経て、イットリウム(90 Y)に変わりますが、
体内に長く留まり、長くベータ線の内部被曝を引き起こす危険性があります。
物理的・科学的性質は、同じアルカリ土類金属で骨の主成分であるCaと似ています。
つまり、骨に吸収されてなかなか排泄されない性質を持ちます。
投与後吸収は速く、ラットでは皮下注後6時間で70~80%が骨に沈着したとのこと。
経口的に摂取されたストロンチウムは、15~45%が消化管から吸収されます。
絶食、ミルクやビタミンDと一緒に摂取した場合、
低カルシウム、低マグネシウム、低リンの時にも吸収率が高くなります。
また、吸収率には年齢依存性があり、骨形成が活発な乳幼児では
より多くのストロンチウムを取り込む危険性があります。
加えて、残留率も若いほど高い事が動物実験で証明されています。
これらのように、条件による吸収効率の増減はあるものの、
ICRPによると、ストロンチウムの消化管吸収率30%と仮定して線量計算が行われます。
胎児への移行も、時期依存的に変化し、
胎児のカルシウム貯蓄(骨形成)が盛んな妊娠後期には
母体が摂取したストロンチウムが胎盤を通して胎児へ移行しやすいとされています。
褐藻類(ワカメ・コンブ・ヒジキ・モズクなど)はアルギン酸を多く含み、
ストロンチウムを吸収しやすい性質があるため、
体内のストロンチウム除去に有効と考えられていますし、
キチン・キトサンにもストロンチウム除去作用があります。
はじめまして。実は妊娠中で現在8ヶ月の者です。
先日、3月23日頃から、茨城県産(といっても茨城県西で、茨城県以外(千葉・茨城・北海道など)の生乳を集乳して出荷しているとのこと)で、
念の為調べてみた結果、23日頃に発表された放射能分析では、
ヨウ素23bq/kg、セシウム2bq/kgとのことでした。
後にストロンチウムのことを政府発表で知り、
きっとその頃飲んでいた牛乳にも含まれていたのでは・・?と思いました。
3月22日以降、牛乳約5リットルくらいは飲んでます。
ストロンチウムというのは、
極々微量でも、かなりの悪影響があるものなのでしょうか?
セシウムが検出えされていれば、ストロンチウムも検出されているはずとの見解も読んだことがあり、不安になっています。
はじめてのコメントなのに、いきなり質問攻めで申し訳ないのですが、
ご意見くださるとうれしいです。
by nakako (2011-04-15 13:39)
nakakoさん、コメントありがとうございます。
私も専門家ではないので分かりませんが、今回勉強して分かったのは
ベクレルで表される放射性物質の量と、
健康被害の元となる放射線の線量とは、必ずしも比例しないという事です。
同じ量の放射性物質でも、どの同位体かによって
放出する放射線の量や半減期などは違ってきます。
ただ少なくとも、セシウムよりは放出は少ないとされていますし
測定対象となるほどの放出量ではなかったのかも知れません。
極々微量ならばいたずらに怖がる事はないのではないでしょうか。
なんだか漠然としていて、どこかの政府発表みたいでスミマセン。
by Kite (2011-04-18 13:29)
お忙しい中、返信ありがとうございました。
お礼がすっかり遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
そうですね、
いたずらに怖がっているところはあるかと思います。
もともとの性格に加えて、この状況・・・
悪い方悪い方に考えて、神経過敏になっているのかもしれません。
こちらのブログには、いろいろ勉強させて頂いてます。
今後も更新を楽しみしていますね!
by nanako (2011-04-22 09:26)
nanakoさん、コメントありがとうございます。
お腹の赤ちゃんの事を思えばこその心配でしょう。
どうぞしっかりお腹の中で育てて、
このすばらしい世界に迎えてあげましょうね。
自分のメモがわりのブログで、面白みに欠ける記事も多いでしょうが
ご覧いただけるのは励みになります。ありがとうございます。
by Kite (2011-04-22 16:42)